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LIVE REPORT

OZZFEST JAPAN 2015 -DAY1-

2015.11.21 @幕張メッセ

【Opening Act】Unveil Raze / The Winking Owl / NoisyCell / wrong city

2013年春の初開催から約2年半ぶりに、めでたく2度目の開催を迎えた"OZZFEST JAPAN 2015"。今年のOZZFESTは、"メタル"という枠を超えて日本国内のロック・シーンの筆頭株がずらりと名を連ねていた。ラインナップだけを見れば"日本のロック・フェス"という感は否めないが、Ozzy Osbourneの名の下にこれだけのバラエティに富んだアーティストが集った点は興味深い。"こんなのメタルじゃない"なんて言ったら、それでおしまい。否定はしません。だけどオープンなマインドさえあれば120パーセント楽しめる素晴らしいフェスだったと断言しよう。それに、"日本の秋のメタル・フェス"としてすっかり定着している"LOUD PARK"との差別化ができていた点も良かったように思う。
そして本編だけでなく、オープニング・アクトに新勢力といえる若手バンドがしっかりとピックアップされていたのも、今年のOZZFESTの特徴だ。初日にはUnveil Raze、The Winking Owl、NoisyCell、wrong cityら4組が出演。まるでどこかのライヴハウスの一角を切り取ったようなラインナップだが、そのステージ前は開演とともに続々と人を集め、本編を待たずしてダイヴを起こすほどの熱狂的な盛り上がりをみせるなど、キッズを味方に広い幕張メッセを十分に温めていた。(MAY-E)

Crystal Lake

いよいよOZZFEST本編のスタート。一番手は、日本のハードコア・シーンのニュー・アイコンとして幅広いファン層を拡げ続けているCrystal Lakeだ。10月にニュー・アルバム『THE SIGN』をリリースし、今回のショーでは、Ryo(Vo)がDJ BAKUのニュー・アルバムに参加していることから、DJ BAKUを迎えたスペシャル・セットとなっていることが事前にアナウンスされている。ステージ上ではDJ BAKUがターンテーブルでスクラッチを披露し、そのままSE「Astra」が鳴ると勢いよくメンバーが登場。「Prometheus」が始まると、のっけからサークル・ピットを煽り、激重高速サウンドにどんどんフロアの熱が高まっていく。絶好調なバンドのプレイに加え、DJ BAKUの絶妙なスクラッチ音が加わり、新鮮且つハイブリッドなライヴが繰り広げられる。「Hades」ではSANDのMakoto(Vo)とMEANINGのHAYATO(Vo/Gt)がゲスト・ヴォーカルに加わり、ド迫力の重低音が地鳴りのように響き渡り、メンバーは思いきり身体を折りたたみながら派手にパフォーマンスし、オーディエンスをバウンスさせていく。"オズフェスト、こっから始まるんだよ! ここから新しい時代が始まるんだよ! 革命起こそうよ! ラウド・ブームだか知らないけど、俺らで新しい時代を始めようよ! 拳を上げようよ! 新しい時代の声を聞かせてくれ!"とオーディエンスにハッパをかける勢いのいいMCのあと、キラー・チューン「The Fire Inside」では、"We Are Not Fuckin' Dead"とみんなが拳を振り上げ、言葉通り新時代の幕開け、日本のハードコアの明るい未来への光を感じさせる頼もしいパフォーマンスだった。(KAORU)

NOISEMAKER

続いてはNOISEMAKER。地元・北海道でレコーディングの真っ最中だった彼らだが、惜しくも出演キャンセルとなってしまった海外アクトOF MICE & MENの代打として急遽オファーを受けたそうで、このたびこうして出演の運びとなった。
"オズフェストー!!"
AG(Vo)の威勢のいいかけ声と共に、「Heads and Tails」でショーはスタート。安定したパフォーマンスで、のっけから会場を大きくバウンスさせた。いわばキャンセル・バンドの代打として異例の緊急出演となった彼らだが、その立ち姿は、戸惑いを感じるどころか余裕綽々というくらいに堂々としていて、場数を踏んできた叩き上げのバンドなのだなぁと改めて感じる。続く「Her Diamond」、「THE NEW ERA」、「DRIFTING CLOUDS」と、ラップあり、メロディアスな歌メロもありという持ち前の柔軟なミクスチャー・ロックを展開し、観客を魅了する。
AGは"(このステージに)立ててよかったです!"と素直な気持ちを言葉にしつつ、キャンセルしたバンドのファンの気持ちを汲んで"その気持ちをすべてすべてステージにぶつけてこい"と煽る。加えて"音楽で国境や人種を越えたい"という熱い思いも語った。ラスト・ナンバー「SOMEBODY WANTS DAYS YOU CLOSE」では、おしくらまんじゅう状態の客席前方からはシンガロングが発生し、さらに会場の至るところからたくさんの手が上がっていた。清々しい一体感。NOISEMAKERというロック・バンドが、彼らの思う理想を現実に変えた瞬間だった。(MAY-E)

MEANING

結成から早10年を迎えるMEANING。これまでにも"AIR JAM"、"京都大作戦"、"COUNTDOWN JAPAN"などの大きなフェスでもライヴを行っており、自主企画も精力的に行っている。独特なハードコア・サウンドで日本のシーンを担うバンドとして注目を集めている。静かなSEが流れ、"俺たちが東京のMEANINGだ! 拳を上げてくれー!"そして「My War」からスタート、複雑なリズムにクセのある声、威嚇するかのような勢いに圧倒される。「HERE FOR YOU」ではHAYATO(Vo/Gt)がフロアに降りて歌い、クラウドサーフをしながら絶叫。楽器隊はストイックに激烈な音を奏で、ファンはシンガロングしながら盛り上がっている。"ちょっと参加してってよ! ハンドクラップしてってよ! 後ろまで届けてくれ!"そして新曲「BLACK OR WHITE」が披露され、ブラストビートから始まる「What We Love,What We Hate」へと畳みかける。HAYATOは縦横無尽にフロアを駆け抜けながら扇動する。フロアにいるお客さんと同じ目線で歌いたいという気持ちが強いのだろう。リフが印象的なラストの「Hope」ではメンバーみんなが重心を低くして、逞しく男らしいプレイを見せつけ、あっという間の5曲を演奏し、残響が長く響いた。若干ついていけていないお客さんも目立ったが、異質な存在感と圧倒的な個性に溢れるパフォーマンスで、確実に爪痕を残していった。(KAORU)