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INTERVIEW

KORN

2011.12.06UPDATE

KORN

Member:Munky(Gt)

Interviewer:MAY-E

-ダブステップはクラブ・シーンだけでなくロック・シーンから見ても最も熱いエレクトロ・ミュージックだと言えますが、このダブステップにはいつ頃から注目していたんですか?

『KORN III』のあと、昔のテクニックをもう一度見直したくなったことと、全く新しいことをやる時期がきたと思ったんだ。少し変化をつけたかった。Jonathanはダブステップの新鋭DJが使うテクニックに大きなインスピレーションを受けているし、彼らのサウンドは新しくて革新的で、とても興味が持てるものだ。それを自分たちのソングライティングに取り入れたいと思った。もちろんKORNのサウンドを失わずにね。

-前作『KORN III』はアグレッシヴなロック・アルバムでしたので、今作の作風に驚いたファンも多いでしょう。

反応は両方だったよ。最初は“なに?ダンス・レコードを作ったのか?”ってみんな思っていたみたいだけど、徐々に理解してくれているようだね。20年も音楽をやっているから、新しい方向に行くのも斬新だと俺たちは思っているよ。

-当初はEPでのリリースを予定していたそうですが、途中でアルバムに変更したそうですね?

どちらってと言うと、何も決めずに一歩ずつ作って行こうって話していたよ。最初のトラック「Get Up!」でSkrillexと一緒にやって、とてもポジティブな経験を得ることが出来たから“じゃあ、EPを作ろう!”って決めたのさ。

-その「Get Up!」はネット配信で15万ダウンロードを超え、話題騒然となりましたね。

リアクションはポジティブだったよ。あまりにも反応がよかったから、もっとトラックを作ろうって決めたんだ。俺たちも、皆あの曲が気に入ったから“もっとSkrillexとトラックを作ろう。それならフル・アルバムにしよう”ってその時に決心したよ。だけど、もちろん心配はあったよ。今までのファンをがっかりさせたくなかったし、背くようなことになって欲しくはなかったけど、それでも自分たちのために変化が必要だった。同じアルバムを何度も何度も作ることだけは避けたかったし、方向性を変えることも新鮮に思えた。でも、俺たちのファンってその辺は分かっていると思うんだ。このバンドは多様性があるから、いつも同じものじゃないってことがね。いろんな音を作っているのに、サウンドはそんなに変わらないバンドってそういないと思うけど、この世界で生き延びていくには、自分たちを何度も作り直す必要があると考えたんだ。

-そのSkrillexは今最も熱いエレクトロ・ミュージシャンの一人ですが、彼とコラボすることになった経緯を教えてください。SkrillexのSonnyが元ロック・ミュージシャンであることも影響しているのでしょうか?

共通の友達が多くてね。SonnyとはFROM FIRST TO LASTの頃から一緒にやっていたし、プロデューサーなんかも知ってたりして、彼に連絡するのは簡単だったよ。実際に彼に連絡してみたところ、すごく熱心だったし、スタジオに行ったらまるでKORNのメンバーのように溶け込めた。俺たちのことを理解していたし、曲作りもわかっていた。特にヴォーカルのアレンジがよくて、レコーディングの技術も良かった。ヴォーカルがすべての上にくるように、アレンジをして、メロディの作り方にも変化をつけたんだ。

-楽曲の制作はどのように進められたのでしょうか。単なるリミックスのプロセスとは異なりますよね?

皆でドラム・ビートとか、何かしらアイディアを持って来て、曲の枠組みやシンセのサウンドを考えて来たんだ。ビートを20秒とか、ベース・シンセがいくつかしかなくても、ファイルを送ってくれて、それをプロツールにダウンロードして、そこからリフを考えて、そうやって曲を作り上げて行くんだ。楽しくてクリエイティブな作業だったから、皆も実力を発揮できたと思うよ。

-エレクトロ・ミュージシャンとこれほど密接に曲を作ることは今までなかったと思いますが、どのような刺激を受けましたか?

そうだね。音楽面はもちろん、ソニック(音の)面でもとても勉強になった。レコーディングに関して、彼らから色んな“トリック”を教わったよ。レコーディングとプレイバックには本当に技術があって、サイド・チェーニングと呼ばれている。これはこれから先、ずっと使っていけるテクだよ。もっとちゃんと説明すると、空間を作り出す技術なんだ。例えばキック・ドラムとギターが聴こえるとするだろ?でも、実際はキック・ドラムを聴いてからギターの音が耳に入るようにするんだ。小さな、本当にミリ単位の音の“空き”をそこに作るんだ。そうやって、どの楽器にもそれぞれのエア・スペースを生むんだ。本当に奥が深くて、彼らの考え方は天才としか言えないよ。それがあるからスピーカーが最適な範囲で振動する。低音でも同じことさ。音波の形を目で見て、楽器にそれぞれの異なったタイムを与える。プレイバックする時は速いから、耳では1つの音にしか聴こえない。本当に素晴らしい、信じられない技なんだ。