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DISC REVIEW

Black Labyrinth

Jonathan Davis

『Black Labyrinth』

Release Date : 2018-05-25
Label : ADASU

すでに別名義でのソロ活動はあったが、"Jonathan Davis"名義では初となるソロ・アルバムがついにリリース。本作で展開されているサウンドは、ヘヴィ・ロックの概念を変え、赤裸々に自身の深い闇で綴られた言葉を叫び続けてきた、稀代のヴォーカリストというだけでは括れないひとりの表現者としての姿が、明確に映し出されるものとなった。メタリックなギターもあるにはあるが、ゴシック・ロックやエレクトロ、どこかオリエンタルなムードを持ったトラックも取り入れ、多彩な表情を見せるJonathanの歌声とメロディは、全体的にキャッチーですらある。無論、この男の作る音楽が単純に明るい作風になるはずもなく、BAUHAUSやDEAD CAN DANCEを影響源に挙げているのも納得のダークネスが、しっかりと刻まれている。今宵も、美醜にまみれた闇の迷宮に迷い込んだリスナーに、漆黒のカリスマがそっと手を差し伸べるのだ。 井上 光一