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激ロック | ラウドロック ポータルサイト

FEATURE

KORN

2011.12.01UPDATE

2011年12月号掲載

ヘヴィ・ロックのカリスマ・バンドKORN 最新作は、フロアを巻き込む完全ダブステップ・アルバム!!

ライター:MAY-E

今、世界中のクラブを熱くしている“ダブステップ”。リバーブがかったドラム&ベースを特徴とする、腹に響くような骨太のエレクトロ・サウンドだが、我々ヘヴィ・ロックのリスナーに最も親しみやすいエレクトロ・ミュージックが、このダブステップだと言い換えることもできるだろう。
なんたって、SUICIDE SILENCEのMitch LuckerとBIG CHOCOLATEのCameron OrgonによるユニットCOMMISSIONERが発動し、破壊的なほどカオティックなダンス・チューンが“デステップ(=Dubstep meets Death Metal)”なんて総称でキッズに親しまれ、“IWABO”の愛称で知られる文科系デスコア・バンドIWRESTLEDABEARONCEも、ダブステップのみのリミックスEP『It's All Dubstep』(10年)をリリースしてしまう昨今だ。ヘヴィ・ロックとダブステップの愛称の良さは彼らによって既に証明されているが、ここにきて、ヘヴィ・ロック・シーンのカリスマ・バンドKORNまでもが、なんと完全ダブステップ・アルバム『The Path Of Totality』をリリースすることとなったのだ。

KORNのサウンドが、見事ダブステップへと昇華された新曲「Get Up!」。今年5月に、iTunesなどで先行ダウンロード販売されるなり話題沸騰となったこのトラックの仕掛け人は、SKRILLEXというダブステップ・ミュージシャンだ。クラブ・ミュージックに造詣のある人であればSKRILLEXを知らない人はいないだろうってくらい、今最も熱いエレクトロ・ミュージシャンである。このSKRILLEX、実はスクリーモ・バンドFROM FIRST TO LASTの2代目ヴォーカリストだったSonny Mooreだ。そんな経歴からか、BRING ME THE HORIZONの目下最新作『There Is a Hell, Believe Me I've Seen It. There Is a Heaven, Let's Keep It a Secret』(10年)ではエレクトロ・パートやリミックスに協力していたりもする(実はコーラスでも参加)。FFTL脱退後、驚くべき形で才能が開花したもんだ。ヘヴィ・ロックとダブステップの距離を縮めたキーパーソンが、このSKRILLEXだと言っても過言ではないだろう。

さて、今作『The Path Of Totality』はSKRILLEXの他に、12th Planet、Excision、Datsik、Downlink、Kill the Noise、Noisia、そしてFeed Meといった多数のエレクトロ・ミュージシャン等と、アルバム全編に渡ってコラボレーションを展開。KORNらしい混沌とした世界観はそのままに、KORNらしからぬBPM140前後の早めのビートを刻むという、ありそうでなかったアプローチだ。これは、かっこいい。

新ドラマーのRay Luzierがバンドに正式加入して制作された9thアルバム『Korn III: Remember Who You Are』(10年)は初期よりも更にアグレッシヴに進化したバンド・サウンドを披露した、Nu-METALファンが拳を上げる傑作アルバムだった。それを引っ提げての日本公演並びにSUMMER SONIC 2011のステージでもラウドロックの真髄を見せつけたばかりのKORNだったが、いやはや、突如として驚愕の変貌である。プログラミングをベースにしているとはいえ7thアルバム『See You On The Other Side』(05年)とも異なる、過去10枚のアルバムの中で最も異色のアルバムである。今作は、当初はEPでのリリースを予定していたそうだが、フロントマンJonathan Davis(Vo)の意向により、急遽アルバムでのリリースに変更されたそうだ。LINKIN PARKで言うところの『Reanimation』的な立ち位置にあたるリミックス・アルバムではなく、こちらはあくまでオリジナル・ニュー・アルバム。全てKORNの新曲だ。

ヘヴィ・ミュージック・シーンの最重要バンドであるKORNがこのようなテイストの作品を発表するのだから、今後のロック・シーンは更にダブステップ/エレクトロ熱に拍車がかかるのは間違いないだろう。生音のヘヴィ・ロックがさらに影を潜めるんじゃないかと、そればかりが懸念されるが、“世界中のクラブでKORNのサウンドが鳴り響くかもしれない”なんて考えたら、やっぱりワクワクせずにはいられない。

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