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LIVE REPORT

"MEGA VEGAS 2023" -DAY2-

2023.03.12 @神戸ワールド記念ホール

Writer : 内堀 文佳 Photographer:Viola Kam (V’z Twinkle) 、スズキコウヘイ、浜野カズシ

超豪華ゲスト・アーティスト全12組を迎え、2デイズ開催となって6年ぶりに神戸ワールド記念ホールにて復活したFear, and Loathing in Las Vegasの主催フェス"MEGA VEGAS 2023"前日に引き続き、2日目も圧倒的に激熱なライヴが繰り広げられたのに加え、地元神戸の飲食店が出店したフード・ブースも大盛況、Taiki(Gt)監修のCRAFTROCK BREWINGと作り上げたオフィシャル・クラフト・ビールが8,000リットル(ゾウ約4頭相当とのこと)用意されたブースにはレオタードを纏ったTaiki本人とMakoto(The Local Pints/Vo/Gt)が現れ、まさに"フェスティバル"という言葉が相応しい2日間となった。ここでは、チケットが追加販売分も含めてソールド・アウトとなった"MEGA VEGAS 2023"後半戦の模様を届ける。


coldrain


壮大なSEから、赤い照明の中、メロイック・サインで埋め尽くされたフロアに向かってMasato(Vo)が咆哮を上げると「ENVY」で"MEGA VEGAS 2023"2日目公演が開幕。前日の終演時から一切温度が下がっていないどころか、まだ上がり続けていることがヘドバンやモッシュの嵐で見て取れたが、"そんなもんじゃねぇよな!?"(Masato)と焚きつけ、爆音のコーラスから「REVOLUTION」、そして拡声器も使ってさらにアジテートする「Cut Me」が投下される。"「BLARE(FEST.2023)」にラスベガス(Fear, and Loathing in Las Vegas)呼んで1番やらせたらやり返されました。一応先輩なんだけどね俺ら(笑)"、"次の2曲はこの間久しぶりに対バンしたから、ラスベガスからリクエスト貰っときました"と2組のいい関係性が感じられるMasato のMCに続いて披露された「To Be Alive」、「Counterfeits & lies」でも観客は声を張り上げ、身体をぶつけ合い、エネルギーを爆発させ、ステージの5人と共に一大スペクタクルを築き上げていた。

さらに激しいナンバー「Rabbit Hole」を畳み掛けると、フロアの各所でサークル・ピットが発生する。なりふり構わず暴れるオーディエンスを"昼からこんなにアホがいっぱいいて最高です"と褒め称えるMasatoだったが、そんな彼も"テンション上がりすぎて俺ヘドバンしたらズボン破れたわ"と笑う。ラスト2曲「The Revelation」、「PARADISE (Kill The Silence)」まで勢いを一切緩めることなく、先鋒としての役目をきっちりと果たした。


フレデリック


ラウドなバンドたちが並ぶなか、ポップなサウンドを鳴らす彼らを目当てにしていない人が多いことを知り、"そんな休憩とか挟んでる暇ないくらいやったるから楽しみにしとけよ!"と転換リハーサル終わりに、会場の外に向けてフロントマン 三原健司が強気な言葉を放つフレデリック。改めてSEの中登場し「KITAKU BEATS」、「スパークルダンサー」、「オンリーワンダー」と、三原康司(Ba)と高橋 武(Dr)が作り出すグルーヴィなリズムに、健司と赤頭隆児(Gt)が同期音源と共にキャッチーなメロディを乗せてハンドクラップを誘発し、フロアがぴょんぴょんと軽快に跳ねる。

それに続けて披露された「人魚のはなし」では仄暗い青い照明に照らされた健司が、ハンドマイクで水中を揺蕩うようにしっとりと歌い上げる。アッパーで爆発力のある楽曲が大半を占めるこの2日間へ向けて、この1曲を手札のひとつとして選んでくるところにフレデリックの勝負魂が見えた気がして、涼しげな曲だが同時にこの上ない熱さも感じた。康司のスラップ・ベースから「ジャンキー」が始まると会場は再びダンス・フロアに早変わりし、代表曲「オドループ」でアウトロの加速と共にフィニッシュするかと思いきや、2016年からの付き合いというラスベガスが様々な苦悩に遭いながらも、ここまで前を向いて進んでくれたことに感謝を告げ、歌い出しの"思い出にされるくらいなら二度とあなたに歌わないよ"でぐっと引き込む「名悪役」を捧げる。筆者も普段はどちらかと言えばヘヴィな音楽を主食としている側の人間だが、冒頭の健司の言葉に嘘偽りはなかったと身をもって感じることができる40分だった。


HEY-SMITH


MAD CADDIESの「Villains」とそれに合わせて会場から鳴り響く手拍子をSEに登場したHEY-SMITH。猪狩秀平(Gt/Vo)が"ヤッホー!!"と叫ぶと山彦のように返ってきた大歓声が、ホーン隊による「Dandadan」の1音目でさらにワーッと沸き、モッシュしてもみくちゃになって踊りまくり続けるフロア。そのままイイカワケン(Tp)、満(Sax)、かなす(Tb)、猪狩、Task-n(Dr)、YUJI(Ba/Vo)がそれぞれソロを披露する「Radio」へと雪崩れ込む。"おいおい!「MEGA VEGAS」めちゃめちゃおもろいやんけー! お前ら今日から全員友達じゃー!"と猪狩が喜びを爆発させると、「Don't Worry My Friend」、「Fellowship Anthem」でハッピーなエネルギーが加速度的に増していく。

近いシーンにいるわりに繋がりができたのは最近のことだという2バンドだが、ラスベガスが猪狩が大好きな"頭がおかしいやつ"であることが判明したエピソードを語り、そんな"頭がおかしいやつ"が好きなオーディエンスも同じく"頭おかしいよな!?"と煽ると大歓喜の声が上がる。ヘヴィで疾走感溢れる「Be The One」、「Over」から、アゲアゲな「Inside Of Me」とそのダブ・ミックス「Inside Of Me W.E.E.D -Wanna Enjoy Endless Dreams-」を続けて、ここに集まった"頭おかしい人"たちにHEY-SMITHが主催する"OSAKA HAZIKETEMAZARE FESTIVAL"にも来てもらうため、ラスベガスに後ほど出演のオファーをすると言った瞬間再び大歓声が。ラストは「Summer Breeze」から4曲続けて駆け抜けていき、最高にクレイジーにブチ上げて次のバンドにバトンを渡した。


RAISE A SUILEN


開幕の「EXPOSE 'Burn out!!!'」からパワフルな歌声を響かせたRaychell(レイヤ)と、キュート、ポップ、クール、ラウドを兼ね揃えた骨太なバンド・サウンドを奏でる小原莉子(ロック/Gt)、夏芽(マスキング/Dr)、倉知玲鳳(パレオ/Key)、紡木吏佐(チュチュ/DJ)の5人によるRAS(RAISE A SUILEN)。背面ギターでソロを見せつける小原を皮切りに、メンバー・カラーの照明に照らされるなか、自己紹介代わりにそれぞれが誇るテクニックを披露し「UNSTOPPABLE」へ。続く「灼熱 Bonfire!」の前では紡木が振付のレクチャーを行い、丁寧な解説の甲斐もあって会場が一体となってダンスを決めて見せた。

昨年はラスベガスをゲストに迎えたライヴを開催したり、楽曲も提供してもらったりしているほか、結成当初から彼らをリスペクトしていることをRaychellが語り、その提供楽曲「Repaint」に突入するとSo(Fear, and Loathing in Las Vegas/Clean Vo)、Minami(Vo/Key)、Taikiが登場。ステージを縦横無尽に駆け回る3人とRaychell、紡木の5人でマイクを繋ぎ、オマージュのひとつとして組み込まれた真顔でキレキレのパラパラを踊るパートでも、見事なコンビネーションを披露する。フロアに空いた特大の穴が一気に人で埋め尽くされる激しいモッシュが発生した「DEAD HEAT BEAT」、紡木のDJパフォーマンスから始まるアッパーチューンに倉知がピアノ・ソロで緩急をつける「HELL! or HELL?」、そして彼女たちの目標"世界へと憑依する"を歌詞に盛り込んだ決意表明の1stシングル表題曲「R・I・O・T」で深い爪痕を残した。