INTERVIEW
HEY-SMITH
2016.05.16UPDATE
2016年05月号掲載
Member:猪狩 秀平(Gt/Vo)
Interviewer:荒金 良介
-昨年11月に開催された全国ツアー"お披露目TOUR"の渋谷CLUB QUATTRO公演(※昨年11月11日に開催)を観たあと、楽屋で"すごく良かった!"と声を掛けたときに、猪狩君はちょっと半信半疑でしたね?
それはありましたね。"お披露目TOUR"が始まる前はあまり良いライヴができないんじゃないかと思ってたけど、序盤は予想以上に良くて。でも、渋谷CLUB QUATTRO公演はツアーがラスト3本というタイミングだったから、文句なしの演奏を披露できると思っていたのに、そこで壁にぶつかったんですよ。まだまだライヴ・モンスターにはなれないなと実感しました。
-新体制(※昨年2月にMukky(Vo/Ba)とIori(Tp)が脱退、同年4月に新メンバーYUJI(Ba/Vo)が加入)による初ライヴが昨年出演した"京都大作戦"なので、そこから数ヶ月でライヴ・モンスターになるのは難しいんじゃないですか。
まあ、そうなんですけどね。"京都大作戦"は身体が震えてましたからね(笑)。
-猪狩君が思う"ライヴ・モンスター"のイメージってなんですか?
曲を知ってるか知らないか、音楽が好きか嫌いか、ということに関係なく、ライヴを観たら"こいつらカッコいい!"と思われるようなバンドをイメージしてますね。でも今は、それが掴めそうで掴めない、そういうもどかしさがあります。もっと欠落した部分がないと、心底を表現することは難しいのかなと。例えば大失恋とかいいかなって思います。
-今回のニュー・アルバム『STOP THE WAR』には失恋したような曲(Track.3「Dandadan」)も入ってますね。
ここ4~5年、彼女も好きな人もいなかったけど、去年から違うパワーが必要だなと思って、無理矢理でも人を好きになろうと。それで「Dandadan」ができました。
-無理矢理、人を好きにはなれないでしょ?
ね? なんだかんだ音楽が中心になってるから、女の子と付き合っても、結果的にそれが全部音楽に還元されますからね。
-それで今年4月に"新曲お披露目ツアー with Special Guest"を開催しましたね。
そういうタイトルでツアーをやるバンドもいないだろうし、普通新曲はそこまで盛り上がるわけじゃないけど、盛り上げる自信はあったんですよ。まあ、新しい自分たちを見せたい気持ちが強くて。あと、"新曲お披露目ツアー"はアメリカのAUTHORITY ZEROが全公演に出てくれて、"こいつらに負けるか"という気持ちで毎公演やっていたので、対バン感があったんですよ。お互い結構バチバチしてたし、"TRIPLE AXE"(※2012年にスタートしたSiM、coldrain、HEY-SMITHの3バンドによる合同企画)っぽかったですね。
-どんな刺激を受けました?
AUTHORITY ZEROは昔から好きで、縁のあるバンドなんですよ。9年前に彼らが来日した際、そのイベントにSUNSET BUSと一緒に俺らも出させてもらったんですが、当時はまだCDも出してないころで、海外バンドと一緒にライヴをするのもそのときが初めてだったんです。それで、今回はそのAUTHORITY ZEROを迎えてツアーを回ろうと思って。外国人だからオラオラな感じで来ると思ったら、時間は絶対守るし、今まで出会った海外バンドの中でも一番マジメで一番かっこよかった。
-へー! そうなんですね。
俺らの曲もチェックしてくれて、"あの曲はどうやって作ったんだ?"と質問されましたからね。あと、ライヴが盛り上がらなかったときは、"俺らに何が足りないんだ?"って聞いてくるし。そういうことを言い合える感じが良かったですね。
-今作の話に移りたいんですが、楽曲はいつごろ作ったものなんですか?
1年休んでた間に曲は作ってたんですよ。だけど、誰が歌うかはわからなかったから、メロディはなんとなくしかつけてなくて。YUJIが加入してから、そこにメロディをつけました。なので、曲の母体はもともと作ってあったけど、メロディができたのはほぼ最後ですね。でも俺が歌う曲に関しては、自分でヴォーカルのイメージができるから、前に作った曲が多いかもしれない。
-今作はツイン・ヴォーカル感が増した印象を受けます。
そこは意識しました。基本、作詞作曲は俺やけど、俺のバンドみたいにはしたくないんですよ。YUJIと俺がドン!と前にいるバンド・スタイルにしたくて。Hi-STANDARDも難波(章浩/NAMBA69)さんと(横山)健さんがいるし、2トップみたいなイメージですね。
-難波さんはメイン・ヴォーカルですけど、健さんの歌/コーラスも絶対不可欠ですもんね。今作は新体制での初作品ということもあり、前作『Now Album』(2013年リリースの3rdアルバム)とはだいぶ色合いが違いますね。
雰囲気違いますよね? 俺もそう思いました。より重心が低くなったというか、シリアスですよね。歳なんですかね、はははは。