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INTERVIEW

HEY-SMITH

2016.05.16UPDATE

2016年05月号掲載

HEY-SMITH

メンバー:猪狩 秀平(Gt/Vo)

インタビュアー:荒金 良介

-Track.2「STOP THE WAR」は曲調からシリアスな空気が一気に浮上したなと。

タイトル通りですね。今までも歌ってきた内容だけど、ここまで前面に出すことはなかったから。今は戦争に対する恐怖心が2~3年前より増してますからね。パリであんなに人がガンガン殺されると、次は東京がテロの標的になるのかなとか。東京なんて格好の的じゃないですか。あと、隣の国がいつミサイルを撃ってくるかわからへんし、ほんまに怖くて。その事実が今は目の前にある感じですね。集団的自衛権を論議してるときは、もう少し遠い話だったけど、それがOKになったら、もうGOやんかって。俺らパンク・バンドやし、今言いたいことを言っておこうと。そしたら曲がシリアスになっちゃいました(笑)。

-それでサウンドの質感も変わったと。

気持ちがそのまんま出ちゃうんで、怒ってたら、リフやメロディもそういうものになるし。誰に何を言われたわけじゃないけど、なんかむかついてました。だから、ハッピーな曲は少なくなりましたね。

-おちゃらけたり、皮肉ったりする表現もないですよね。

真正面から普通に怒ってますよね。シャレが効いてない(笑)。

-今作は完全に"メッセージ・アルバム"になりましたね。

うん、いろんな問題があると思うんですよ。原発、秘密保護法、保育士が足りないとかね。賛成反対いっぱいあるけど、戦争したいと思う奴はほんまにいないと思ってるんですよ。でもやるでしょ? 人間の本能に人を殺したいという感情があるのかもしれないけど......それが許せなくて。

-MONGOL800のキヨサク君(Ba/Vo)も昨年リリースした新作『People People』(7thアルバム)に対して、"明るくて楽しい曲を作りたかったけど、そういうものができなかった"とライヴのMCで言ってました。

その気持ちめっちゃわかりますね。この作品に着手したときはMONGOL800の「DON'T WORRY BE HAPPY」(1999年リリースの1stアルバム『GO ON AS YOU ARE』収録曲)みたいな明るい曲を作るつもりだったんですよ。

-えっ、そうなんですか?

"俺たちの新しい門出だ!"みたいな曲を作ろうと思ったけど、曲を作れば作るほど、"むかつくわー!"という気持ちが生まれて。考えざるを得ないですよね。だから、歌詞を書いた意識はあまりないかも。ただポロポロ出てきたものを並べた感じです。

-そういう意味で歌詞も曲調も猪狩色が強く出た作品だなと。

ああ、そうかも。ただ、新体制になって、ホーンのフレーズやメロディはこっちの方がいいんじゃない?とメンバーも言うんですよ。前は良いか悪いかを判断するボーダーラインが俺しかいなかったけど、今回は俺以外にもいるから、他のメンバーが作った曲よりもっといい曲を作ろうと考えてたんです。レコーディングの日ギリギリまで競い合いましたからね。それで客観的に自分を見ることができるようになったし、感性をさらに研ぎ澄ませることができたんです。その結果、ほとんど自分のアイディアを使ってるし、他のメンバーもそれがかっこいいと言ってくれましたからね。

-わかりやすいところで言えば、メタル色が強くなってますよね。

戦争や悲壮な感じはメタルのズンズンという音の方が伝わるだろうし。

-過去にここまでメタリックなリフを入れた作品はないですよね?

そうっすね。リフを刻む右手がちぎれそうですもん(笑)。曲もせめぎ合いで、ホーン・リフを取るか、ギター・リフを取るか、お互いにやってみてかっこいい方を選びました。ホーンが良ければ俺はバッキングを弾く、俺のリフがかっこよければホーンは出番ナシみたいな。一発でハッと思わせたいから、リフが増えたのかもしれない。

-猪狩君のルーツにあるメタル色が多く出てきた?

今は"広い意味でのロック"をやりたくて。メタルというより、ドーン!としたロックを表現したつもりです。バンドに限らず、EMINEMもそうやし、その人からロック臭が出ているというか、しっかりややこしい感じが出てるというか。

-ややこしい感じが出てる(笑)?

うん、優等生が集まってギター弾いてるわけじゃなくて。健さんとかパンクやと思うし、「I Won't Turn Off My Radio」(2015年リリースのKen Yokoyamaの3rd EP表題曲)を聴いた影響も大きいかもしれない。あの曲を聴いたときは衝撃が止まらなかったですもん。ずっと鳥肌が立ってました。ああいう音を響かせられる人は"広い意味でのロック"を理解しているなと。言葉で説明するのはなかなか難しいけど、ジャンルを飛び越えて、何か大きなものを響かせられる人はすごいなと思いますね。