DISC REVIEW
-
アニメ・タイアップ曲「Say My Name」を含む、メジャーでの初アルバム。攻撃的なドラムにノイジーなギター、高揚感溢れるホーンとシンガロングで駆け抜ける「Money Money」に始まり、重厚なグルーヴで踊らせる凶暴なスカ・チューン「Still Ska Punk」、すでにライヴの鉄板曲となっている「Fellowship Anthem」や「Be The One」などのアンセムが連投される。前半からこれぞHEY-SMITHと呼べる、6人それぞれが磨き上げた武器を最大限に振るう、強力なアルバムだ。初のタイアップ「Say My Name」はHEY-SMITH印全部盛りのキラーチューンで、お茶の間にスカ・パンクの、また6人が奏でるエネルギーを一撃で知らしめる曲となったが、アルバムもまた初めて触れる人の心と身体をダイレクトに揺さぶり、そしてこれまで作品を追ってきた人にも鮮やかに、そしてソウルフルにバンドの弛まない姿勢を伝える内容になった。バンドとして十数年培ってきた、自分が信じるいい曲を作る、最高のライヴをするという真ん中がブレていないことを大音量で轟かせている。 吉羽 さおり