INTERVIEW
HEY-SMITH
2014.03.12UPDATE
2014年03月号掲載
Member:猪狩 秀平 (Gt/Vo)
Interviewer:荒金 良介
-約3時間一気に観ましたが、最初の感想を言うと長いっ!
はははは。長いっしょ? 大ボリュームにしたかったんですよ。自分の好きなバンドのこういう部分を観たいなあ、というものをイメージして。他の人のDVDも結構観たんですよ。で、観るたびにもうちょっとこういうところ観たいんやけどなあ、というものを全部入れて。そしたら、あの時間になりました。
-バンドのこういう側面を見たいというのは?
ディスク1はライヴだけになるけど、他のバンドのDVDを見ると、1曲1曲の間をカットしてて。そのままの流れを俺は全部観たいんですよ。MCもそうですし、ギターを交換する場面もカットされがちやけど、そのちょっとしたスタッフとの連携も観たくて。
-それはなぜ?
バンド自体もそうやけど、バンドが関わってる奴らとの関係性も観たいんですよ。NOFXの『Backstage Passport』というDVDで、マネージャーがクソいじられてて、とにかくマネージャーに嫌がらせしてるんですよ。でもライヴ中にそいつはテキパキ動いて、楽器も調整して、曲ごとに動いてる。そういう関係性を見るのが好きで、そこもちゃんと見せたかった。
-なるほど。今回のDVDを観て、僕は大粒の涙を10前後は零しましたよ。
うそっ!マジですか?それ嬉しいですねえ。何でですか?
-ライヴ後半の猪狩君のMCにグッと来て。Mukky(Vo/Ba)の経緯からバンドの存続自体が危うかったと告白したシーンは観ながら泣きました。
あれ、大マジですからね。あのときはほんまにああいう気持ちで。その場で喋ったことだし、こういうことを言ってやろうという気持ちゼロですからね。
-えっ、そうだったんですか?
はい。
-あのポイントで言おうと事前に考えてなかったの?
全然。ライヴが進むにつれて、気持ちがそういう感じになって。ほんまポロポロ出てきた普通の言葉なんですよ。だから、ライヴ後に編集で観たときはめっちゃ恥ずかしかった。
-ははははは。
こいつめっちゃ熱いやんって。俺、こんな熱いヤツやったんや!って。
-僕が言ってあげますが、猪狩君は熱い男ですよ。
ははははは。
-あれは今回の大きなハイライトですね。
ああ~、そうですか。最初はある程度短くしようかと考えてたけど、一緒にツアーを回ったスタッフからも、あれはカットせずに入れようと言われて。その意見は大事やなと思って入れたんですよ。
-あと、このDVDを観た後に『Now Album』の"Now"の意味を深く理解できた気がして。HEY-SMITHというバンドは今あるもの、新鮮なもの、今ここにある空間を届けるバンドなんだなと。そういう意味のNowなんだって。
なるほど。それいただきですね(笑)。俺はやってる側の人間ですけど、ほぼ荒金さんと同じ気持ちです。
-ほんと?
ほんまにほんまに(笑)。さっきの恥ずかしくなった気持ちもあのときのNowが出てるからやし、セットリストだって、ファイナルなのに本番10分前に決めてますからね。
-Nowな気持ちを届けるバンドですね(笑)。
そうなんですよ。ファイナルの長いセットリストやったら、何日も前から決めて、こういう曲間でやろうって練習すると思うんですよ。俺はそういうのが嫌いで。その日やりたい曲をやる。ぶっちゃけ、ライヴ中に変えた曲もありますからね。ほんまNowを更新し続けて、Nowの積み重ねがHEY-SMITHになってますね。
-特にそれを思ったのが「Download Me If You Can」の前のMCで、あそこもハイライトの1つですね。
客観的に映像を観て、「Download Me If You Can」はすごく好きになりました。
-ライヴで成長した曲ですよね。
そんな感じしますね。最初からめっちゃ良かったけど、意味合いがどんどん大きくなって。ツアーを回るたびに、お客さん、そのときのライヴ感が曲に乗ってきて、曲が大きくなってる気がするんですよ。
-「Download~」はライヴで聴くと、もはや名曲ヅラしてて。
そうなんですよ。わかりますわー、自分で言うのもアレやけど(笑)。