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FEATURE

CAFFEINE BOMB RECORDS / CAFFEINE BOMB ORGANICS

2019.08.22UPDATE

2019年08月号掲載

パンク・シーンを支え続ける老舗レーベル"CAFFEINE BOMB"

Writer 荒金 良介

パンクを中心にスカ、レゲエ、ハードコア、ミクスチャーなど生粋のインディーズ・バンドを世に送り出し続けている、老舗レーベル"CAFFEINE BOMB RECORDS"、"CAFFEINE BOMB ORGANICS"。ちなみに"CAFFEINE BOMB"のネーミングはイギリスのロック・バンド、THE WILDHEARTSの名曲から付けられており、そこはレーベル社長、MOPPY氏の完全なる趣味が反映されている。もともとCDショップで働いていた経歴があり、音楽に対する造詣は深く、根っからの音楽リスナーという側面を持ち合わせている。それもあり、"バンドの音楽に惚れ込んだから、全力で応援したいんだ!"という熱きマインドで運営しているところが大きく、所属バンドのメンバーや多くのバンドマンから、"MOPPYさん"の愛称で親しまれているのもそういう理由だろう。2年前にはレーベル設立15周年を記念し、所属バンドを中心に全国ツアーを行うなど、人間的な絆や繋がりを大事にしているあたりも、ストリート発のバンドを抱えたレーベルならではの特色である。

今やHEY-SMITHDizzy Sunfistと人気バンドを抱えており、前者はメンバー・チェンジを経て、ホーン隊3人を含む6人編成で活動。地元大阪にてバンド主催の野外フェス"OSAKA HAZIKETEMAZARE FESTIVAL"を手掛け、多くのライヴ・キッズが詰めかけている。特にライヴには定評があり、ソリッドなメタル・リフと爽快なホーンとの融合で、常にフロアをぐっちゃぐちゃにかき回す荒ぶるパフォーマンスは最高! 後者は今年3月に新木場STUDIO COASTでワンマン公演を行い、今やメキメキとシーンに頭角を現し、HEY-SMITH同様、各地のフェスにもひっぱりだこと言える人気を獲得。フロントふたりの女性が男勝りのメロディック・パンクを解き放ち、観客を焚き付ける景色は壮観以外の何物でもない。

また、北九州発のSHIMAは、今年4月にHEY-SMITHの猪狩秀平(Gt/Vo)プロデュースで、傑作2ndアルバム『BLAST』を発表。現在はツアー真っ只中だが、以前よりも筋力が数段アップされたアグレッシヴなステージングで観る者を圧倒している。そして、DIYな活動で最近注目なのがFOR A REASONだ。これまで2枚のフル・アルバムをリリース。地道な活動やそのメッセージ性から、多くのメロディック・ハードコア・ファンから熱い支持を得ている。

さらに、今年に入って新たな仲間が2バンド増えた。まずは、23年のキャリアを誇るミクスチャー・ロックの雄、山嵐だ。ラップと重低音サウンドを掛け合わせ、デビュー時から凄みを帯びたライヴで熱い支持を得てきた彼ら。今年7月にメンバー7人で再録したベスト盤『極上音楽集』を発表した。地元湘南の後輩にあたるSiMも山嵐に対するリスペクトを送るなど、後続バンドにも多大なる影響を与えている。もうひとバンドは、多国籍メンバー4人からなるIRIE BOYSだ。"ウルトラネオエスニックバンド"という看板を掲げ、ジャンベを取り入れたトライバルなロックをかき鳴らす。ポップでリズミックなのに、パンクやハードコアに通じる熱量を備えた楽曲は文句なしのかっこ良さ。今年7月に出た1stミニ・アルバム『I』をぜひ聴いてほしい。

他にBOMB FACTORYCLEAVECRAZY HiTMANなどが所属し、さらに、HEY-SMITHと交流が深い米パンク・バンド、AUTHORITY ZEROの音源を国内盤としてリリースするなど、パンク・カルチャーを中心に、愛を持ってシーンを支え続ける重要レーベルと言っていいだろう。

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