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INTERVIEW

SHIMA

2021.09.03UPDATE

SHIMA

Member:EGACCHO(Vo) HIKIDA YUSUKE(Gt/Vo)

Interviewer:荒金 良介

北九州発の4人組、SHIMAが2作連続で8cmシングル『JET GET』(6月30日)、『MAKE IT MAKE IT』(9月8日)をリリース! 前2ndフル・アルバム『BLAST』はHEY-SMITHの猪狩秀平をプロデュースに迎え、ソリッド且つメタリックな超攻撃的なサウンドに舵を切った彼ら。昨年から続くコロナ禍の中でバンドの意識にさらなる変化が芽生え、内面の弱さを含めて、背伸びもかっこつけもなく、リアルな心情を落とし込んだ楽曲を提示するようになった。8cmシングル『JET GET』、『MAKE IT MAKE IT』の2作品の楽曲に触れながら、SHIMAの現在のモードについて話を訊いた。

-前作『BLAST』(2019年リリース)発表後、初の47都道府県ツアー("SHIMA [BLAST] TOUR 2019")をやり遂げ、バンド的に2020年はさらに弾みをつけてという流れだったと思うんですが。

EGACCHO:そのつもりでしたね。

HIKIDA:僕らは配信ライヴもやらなかったので、チャージ期間でしたね。ずっと研いでいる状態でした。

-ライヴができなくなり、気持ちの切り替えはすぐにできました?

HIKIDA:すぐにはいかなかったですね。最初はここまで長くなるとは思わなかったし、じきに日常が戻ると思っていたから。

EGACCHO:最初はコロナがなんなのかもわからなくて、怖さもあったし、メンバーとも会わずでしたからね。

-それから徐々に曲作りモードに?

HIKIDA:そうですね。逆にチャンスと頭を切り替えて、個々のスキルや曲作り、バンドのイメージなどを考えてました。

-何かしら変化を望んでいた部分も?

HIKIDA:漠然とこのままではダメだなと。現状に満足しちゃいけないし、違ったヴィジョンを見たいというか、頭打ちしてる感じもありましたからね。もっと広げなきゃいけないなと思って。

-さらに聴く層を開拓しようと?

HIKIDA:そうですね。言っちゃうと、若いリスナーにも届けたいし、可能性を広げたいです。今まで無我夢中すぎたから。

EGACCHO:うん、顔を真っ赤にして、ウォー! って全力で走り続けてましたからね。一度冷静になって活動の仕方、楽曲、アートワークしかりですけど、作品に対してもメンバー内でやりたいやつがリードする方向がいいんじゃないかと思ったんです。今回はHIKIDAが具体的なイメージを持っていたので、そこで新たな可能性を広げることができました。

HIKIDA:前作も猪狩(秀平/HEY-SMITH/Gt/Vo)と化学反応が起きて、そこで変化があったから。何かしら刺激がないとダメだなと。

-前作で猪狩さんとタッグを組んで、新たに得たものとは?

HIKIDA:SHIMAらしさはあるけど、前作は前作で賛否あったと思うんですよ。猪狩と話してSHIMAは面白くてポップな側面もあるけど、メタリックなバックボーンを出して、かっこいい部分を見せようとなったんです。それでPANTERAみたいなサウンドで振り抜いたんですけど。俺らの中でも最初は戸惑いがありましたからね。

-そうだったんですね。

HIKIDA:でも、猪狩を信じてやろうと思ったんです。前作のツアー・ファイナルはHEY-SMITHに出てもらい、打ち上げで猪狩と話したときに"マジなことをやりません?"と提案されて。面白いEGACCHOワールドとシリアスなところ、そのふたつの武器を持ってもいいんじゃないかという。

-大谷翔平みたいに二刀流もありだろうと。

HIKIDA:それいいですね(笑)。そのほうが単純に刺さる層も増えるだろうから。以前は仮歌をなんとなく(EGACCHOに)振っていたけど、今回はしっかりイメージを固めて、こういうふうに歌ってほしいと伝えて、僕が全面的に引っ張ったんですよ。

EGACCHO:おちゃらけることもやるけど、シリアスだったり、弱いところだったりもあえて歌詞に入れようとしたんです。ケツの穴を見られるくらい恥ずかしかったですけどね。自分の気持ちに正直に書きました。

HIKIDA:僕も仮歌の段階でケツを通り越して、腸まで見られてるような気持ちでした(笑)。

-「倍音SUSTAIN RIOT」はHIKIDAさんが歌詞を書いてますよね。

HIKIDA:そうです。照れを乗り越えて書きました。

EGACCHO:僕は「MAKE IT MAKE IT」や「TC」の歌詞を書きました。

-そこまで変われた理由はなんでしょうね?

HIKIDA:今まではEGACCHOを前面に押し出していたけど、メンバー4人がキャラ立ちして、バンドとしてかっこ良くなきゃいけないなと。SHIMAでエゴサすると、"面白い"はよく出てくるんですけど、"面白い"に加えて、"かっこいい"の両方にしたくて。EGACCHOが持つシリアスなところも出していいのかなと。あと、多数決をやめたんですよ。そうすると、メンバー4人の個性が薄まる気がしたんです。強い意見を持ってる人が、その強い意見を通したほうがいいなと。

-EGACCHOさんは?

EGACCHO:弱いところを見せるのはダサいと思っていたけど、2020年に俺もそこまで強くなかったんだなと思い知ったんです。

HIKIDA:コロナ禍にたくさん曲を作ったけど、どんどんボツになったんですよ。それを繰り返すなかでシンプルでもいいし、型にハマらなくてもいいんだなと思って。「JET GET」、「MAKE IT MAKE IT」も両極端な楽曲だけど、どっちもあっていいのかなと感じたんです。ポップじゃなくても、ラウドじゃなくても、ふざけなくてもいいし......みたいな。「ISHITA」はもろにSHIMAワールドですけど、これも周りの反応が良かったんですよ。