DISC REVIEW
-
ちょっと地味な存在ながら、ここ日本でも根強い人気をキープしているアリゾナのパンク・ロック・バンド、AUTHORITY ZERO。ここ数年、Jason DeVore(Vo)以外のラインナップが安定せず、リリースのたびにメンバー・チェンジを繰り返している彼らだが、音楽性は変わることなく、今作でもハイ・スピードなメロディック・パンク・ナンバーから、スカコア、レゲエ・ロックまで、幅広い楽曲を独特の哀愁を帯びたメロディで聴かせてくれる。渋みが増して、表現の幅が広がったJasonのヴォーカルも聴き応え十分。聴く者の気分を、楽しいのにどこか切ない夏の夕暮れに連れていってくれる。コーラスやハモリが多用され、自然と腰が動くグルーヴも、野外フェスで盛り上がりそうなアルバムだ。 山本 真由