MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

LIVE REPORT

Dizzy Sunfist

2018.10.12 @マイナビBLITZ赤坂

Writer 荒金 良介

いやぁ、本当に素晴らしかった。ライヴ中に胸の奥底から熱いものが込み上げて、それを押し返すのに必死になりつつ、それでも涙ぐんでしまう瞬間が何度も訪れる。未だにこの日の余韻は抜け切ってないし、心は燃え盛ったままだ。"仕上がってるウチらを確認してくれ!"とあやぺた(Vo/Gt)はライヴ中に叫んでいたけれど、この日のDizzy Sunfistは完全に仕上がっていた。

傑作2ndアルバム『DREAMS NEVER END』を引っ提げたレコ発ツアーは、今年1月から47都道府県を回り、ファイナル・シリーズとなる50本目にあたるマイナビBLITZ赤坂公演を迎えた。ソールド・アウトの場内に姿を見せたのは、今日の対バン相手であるキュウソネコカミだ。一発目から本家のお株を奪う「The Dream Is Not Dead」のカバーで始まり、これに観客も破顔して大騒ぎ。ほかにポップ性抜群の「TOSHI-LOWさん」でヤマサキ セイヤ(Vo/Gt)はフロア内で仁王立ちすると、"めっちゃ喋りかけてくる。Dizzy Sunfistめっちゃいいファンついてる!"と言う場面もあり、終始アッパーな曲調で会場を沸かせた。

そして、あやぺた、いやま(Vo/Ba)、もあい(Dr/Cho)の3人が姿を見せ、ついにDizzy Sunfistが登場。「No Answer」で火蓋を切ると、フロアは即反応し、ダイバーも続出する。もあいの男臭いコーラスが炸裂する「Life Is A Suspense」に突入すると、フロアはさらに激しく活気づく。それから「Dizzy Beat」、「SULLEY」と畳み掛け、「The Magic Word」ではダイバーの上をダイバーが泳ぐ凄まじいカオスっぷり。キャッチーなメロディが炸裂する「SUPERHERO」をプレイしたのち、あやぺたは今朝気づいたことがあると話し始める。ちょうど19年前、Hi-STANDARDの『MAKING THE ROAD』レコ発ツアーが、1999年10月12日にこの場所(旧 赤坂BLITZ)で行われたことを思い出したという。Dizzy SunfistはHi-STANDARDの遺伝子を受け継ぐメロディックの申し子だ。これも運命の巡り合わせに違いない。

中盤、キュートなポップ感が炸裂した「Haribo」、ORESKABANDのSAKI(Tp)をゲストに招いて「Paradise」を披露し、これにも会場は大盛り上がり。"めっちゃ楽しい。バンド続けてて良かった。まだこんなものじゃ終わらない。もっとみんなをワクワクドキドキさせて、夢を更新したい。ウチらについてきたら、絶対何かを与えるから!"とあやぺたが言うと、「The Dream Is Not Dead」をここでプレイ。すべてを投げ打つエモーションの爆発ぶりに震えつつ、そこにトドメを刺したのは「Into The Future」だ。壮大な曲調はマイナビBLITZ赤坂という大舞台でも映えわたり、後半のいやまのコーラスも絶品で場内が大合唱に包まれる光景は感動的であった。それから足腰の強い怒濤の疾走感で攻める「SHOOTING STAR」のあと、本編は「Bless You Too」でビシッと締めくくる。アンコールに入ると、「Tonight,Tonight,Tonight」では観客同士が肩を組んで輪になる光景を作り出し、ラストは「Yahman!」、「FIST BUMP」と怒濤のハードコア・ナンバーでラッシュを決め、全27曲1時間半におよぶショーを見事に完遂した。

今ツアー2日目の渋谷TSUTAYA O-WEST公演(2月2日開催)と比べても、バンドのスキルや観客を巻き込むパワーは数段磨き抜かれ、ひと皮もふた皮も剥けたステージングに魅了された。Dizzy Sunfistはこれからもっとデカくなるだろう。そう確信した一夜だった。

  • 1