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INTERVIEW

山嵐

2019.07.24UPDATE

2019年08月号掲載

山嵐

メンバー:KOJIMA(Vo) 武史(Ba) KAI_SHiNE(Maschine)

インタビュアー:荒金 良介

ミクスチャー・ロックのオリジネーターにしてパイオニアである山嵐。彼らがリレコーディングによるベスト・アルバム『極上音楽集』をここに完成! 日本語ラップ×重低音ヘヴィ・サウンドで産み落された楽曲はどれも革新性に満ち溢れ、現7人体制で録り直したサウンドは"ニュー・アルバム"と位置づけてもいいほど変貌を遂げている。歌や各楽器は立体的に浮かび上がり、シェイプに引き締まった音像は原曲以上の破壊力とダイナミズムを獲得している。初回限定版に付属するDVDの23年振り返りインタビュー(筆者担当)を観ると、なぜここまで凄みを帯びた再録曲に仕上がったのかがまた別の視点から理解してもらえるはず。今回はKOJIMA、武史、KAI_SHiNEの3人に話を訊いた。

-今作を聴いて、どの時代の楽曲もまったく古臭さを感じずに新鮮に聴こえました。それはなぜかなと考えると、山嵐は常に挑戦と実験を繰り返して、音楽的進化を遂げてきたバンドなんだなということを再認識して。

武史:嬉しいですね。

KAI_SHiNE:内容の説明はそれでいいんじゃないですかね(笑)。

KOJIMA:そう言ってもらえると、有り難いですね。

KAI_SHiNE:僕も一番感じたのは楽曲が色褪せてないし、リリックもこのタイミングで歌い直しても違和感がなくて、妙な恥ずかしさも感じなかったんですよ。ギター・リフ、ベース・ラインもまったく古臭い印象はなかったですからね。

-ええ、本当にそう思います。

武史:荒金さんが言ってくれたように常に挑戦してましたからね。ひょっとしたら、なんでこんなことをやってるの? と思われていた時期もあったかもしれない。けど、僕らは好きなことをやっているだけで、その意味では何ひとつ変わってないんですよ。例えば休んでいたら、感性も古くなるだろうけど、ずっと現役でやってきましたからね。OGAちゃん(YUYA OGAWA/Gt)、KAIとメンバーも増えて、ここまでやって来て良かったなと。

-山嵐って、振り返っても1枚も似たテイストのアルバムがないんですよね。

武史:そうですねぇ(笑)。

-繰り返しになるかもしれませんが、各作品から満遍なくチョイスされた楽曲を聴いても、デビューから今日に至るまで挑戦し続けてきた姿勢みたいなものをビシビシと楽曲から感じて。

KOJIMA:見当外れに映っていた時期も全部本気でやっていたし、いちいち大振りしているから、そういうふうに見えたのかもしれないけど。立ち位置、フットワークをいろいろ考えつつ、自分たちの中ではブレずにやってきたつもりだから。

-山嵐はメンバー5人で始まり、OGAさん、KAIさんが加入して、現在は7人編成です。それはただメンバーが増えたというわけじゃなく、音楽的進化を遂げるためにこの7人になったんだという理由が今作から伝わってきます。

KAI_SHiNE:録り直しではあるけど、今回もニュー・アルバムみたいな気持ちで挑みましたからね。アルバムのトータル性もすごく考えたし。

-最新の山嵐サウンドが詰まっているという意味で、僕もニュー・アルバムと解釈してます。

武史:音色もグルーヴも全然違いますからね。自分たちでも作るまではどうなるかわからなくて。曲を結構変えちゃおうかと。それで作ってみたけど、これは違うなって(笑)。

KOJIMA:ここの歌のサビも変えようかって、こねくり回してリフしか残ってないみたいな状態になったりして。

武史:そうなると、これベストじゃないじゃんって(笑)。じゃあ、なるべく原曲に忠実にして、KAIが入るだけでも変わるから、基本は変えずにやりました。この路線にして良かったですね(笑)。

-変えてないからこそ、変わった部分がより明確にわかるというか。

武史:そうっすね。あと、思いが詰まっているというか。自分たちで聴いてもグッときて、"この曲すげぇいいじゃん!"って(笑)。やり続けていると、見えないというか、当たり前になっちゃいますからね。

KAI_SHiNE:ほんとに、この人たちは気づいてないんですよ。15年~20年前にどんなポテンシャルのものを生み出しているかを理解してなくて(笑)。

武史:「BOXER'S ROAD」で涙が出たっすね、俺は。ずっとやってきたからこそ、やっと曲の良さを受け入れられたという。ベストということもあり、過去の曲に対して、オープンな気持ちで向き合えたんですよ。で、"あのSATOSHI(Vo)がすげぇいいこと言ってるな"って。ちょっとイラッとするけど、グッとくるじゃんって。

KOJIMA:ははははは(笑)。

KAI_SHiNE:それに初めて気づくという。

-自分たちの音楽を理解しているようで理解してなかった?

武史:うん、わかっているようでわかってなかった。俺はそれを感じましたね。

-特に「山嵐」と「BOXER'S ROAD」に関しては、デビューから今日までずっとライヴでやり続けてきた2曲ですからね。近すぎて見えなかったと。

武史:ほんとそうですね。「PRIDE」もそうだし、逆に自分たちの曲に後押しされました(笑)。ほかの人に"山嵐のリリックいいよ、一歩を踏み出せる!"とか言われて、"マジありがとう!"と思っていたけど......自分がその良さをわかってなかった。

-なるほど。そして、今作の選曲はやはり大変でした?

武史:レーベルの"CAFFEINE BOMB ORGANICS"と話し合って、俺らも選曲して......。でもレーベルが選曲したものは客観性があるから、その意見をちゃんと取り入れました。今までだったら、"俺らが決めるぜ"という感じだけど、我々も大人になりましたからね。

KAI_SHiNE:レーベルと被っていた曲もありましたからね。ひとり20曲ずつ選んで、票が多い曲を優先したり、そこで擦り合せたりして選びました。

武史:「DO YOUR DUTY」(1997年リリースの1stアルバム『山嵐』収録曲)を選んだ人もいた。

KAI_SHiNE:それは俺ですね。

-1stアルバム『山嵐』収録曲ですね。僕も選んでいたかも(笑)。

武史:ははは(笑)。やりたかったけど、曲を絞らなきゃいけなかったから。

KAI_SHiNE:山嵐中期の「PASS THE PEACE」(2005年リリースの6thアルバム『アイテラス』収録曲)とかも俺はやりたくて。

-それはかなり渋いですね(笑)。

KAI_SHiNE:山嵐の場合は、アルバムの中でもキャラが違う曲が多いですからね。

-結果的にこれ以上ないと思わせる選曲になりましたね。

武史:そうですね。「湘南未来絵図」(2006年リリースの7thアルバム表題曲)も入れるかなと思っていたけど、そこはあえて「Go Your Way」を入れようみたいな。

-それは今作を聴きながら思いました。「Go Your Way」が「湘南未来絵図」のテイストを担っているから、同じ路線の曲調は入れてないんだなと。

武史:そうですね。

KAI_SHiNE:で、うちらが実演できるかという観点もありましたね。