INTERVIEW
BOMB FACTORY
2022.08.22UPDATE
Member:JUN-YA(Vo) KAZUYA(Gt)
Interviewer:フジジュン
1991年結成、2021年に結成30周年を迎えたBOMB FACTORYが、自身の楽曲をアコースティック・アレンジでカバーした、アルバム『Acoustic Collection』をリリースした。30周年を記念して昨年8月より毎月1曲ずつ発表し続け、日本のみならず世界から多くの反応があったアコースティックで奏でる名曲たち。30周年のキャリアとスキルをもって生まれ変わった楽曲たちは、BOMB FACTORYの楽曲の良さを再確認させてくれると同時に、バンドや楽曲の新たな魅力を感じさせてくれ、結成30年を超えてなお進化/変化しているBOMB FACTORYに、リスペクトとさらなる期待が膨らむばかり! 完成したアコースティック・アルバムについて、JUN-YAとKAZUYAに話を訊いた。
-BOMB FACTORYの最新アルバムとなる、アコースティック・アルバム『Acoustic Collection』が発売中ですね。今作を聴かせていただいて、原曲も聴きたくなって過去作品も聴き返して思ったのですが、BOMB FACTORYは年齢やキャリアとともに、自身の音楽スタイルや表現方法を自然と進化/変化させてきて、今度はアコースティックというまた新しいスタイルも見つけて。結成30年を迎えてまた新たなBOMB FACTORYを見せてくれた感があるのですが、30周年を迎えての感想はいかがですか?
JUN-YA:周年とかを意識してやってるわけじゃないので、なんとなく30年きちゃったなという感じはあるのですが。実際解散だとかそういうワードも何回も出てきたことがありながら、メンバー内で"何がやりたい?"と確認し合うと、最終的には"BOMB FACTORYがやりたい"って答えがずっと変わらずあったから、こうやって続けられてきたのかなと思うし、そういう意味ではすごく幸せですね。
KAZUYA:時々そういった確認作業が必要なんです。
JUN-YA:そう。ただでさえ幼なじみでバンド結成する前からずっといる仲間なんでね。
KAZUYA:ベースのJOEとJUN-YAは幼稚園から一緒だし、ここ(JUN-YA、KAZUYA)は兄弟だしね(笑)。解散ってワードも時々出るけど、"きっとやるんだろうな"という気持ちがどこかにあるし。
-今もBOMB FACTORYという看板を掲げて、無理せず自分たちのスタイルで音楽がやれているのはすごく幸せですよね。そして今作は自身の楽曲をアコースティックでセルフ・カバーしたアルバムになります。2016年にリリースした25周年記念のセルフ・カバーアルバム『COVERED』でも、既存曲をアコースティック・アレンジして収録していますが、アコースティックのみでアルバム1枚を完成しての感想はいかがですか?
KAZUYA:もともとアコースティックはやりたかったんです。というのも、"MTV Unplugged"でロック・バンドがアコースティック・ライヴをやってるのを観て、カッコいいなと思って。『SOCIAL SUICIDE』(2006年リリース)ってアルバムに1曲だけ、アコースティックの曲「MADPLAN(Acoustic Version)」を入れたんですが、それが自分の中で上手くいったなと思ってて、またアコースティックでやるタイミングを探っていたんです。でもコロナ禍に30周年がぶち当たってしまって、このタイミングで新譜を出しても思い切りライヴができないというのもありまして。今回、アコースティックも以前からやりたかったし、タイミング的にもいいなと思ってアコースティックに全振りしたんです。
-アコースティックもまったくゼロからではなく、以前もやっていて下地もありますしね。
KAZUYA:そうですね。だから"この曲はこんな感じになるな"というのも見えたし、あえてアグレッシヴな曲をアコースティックにして、まったく違うアプローチでやるのも軸にしてたんですけど、僕的にはすごく上手くいったなと思いました。
-30周年の節目に過去楽曲と改めて向き合いながら、きっと大変だけど楽しみながら作ったんだろうなというのが想像できました。
KAZUYA:やってて面白かったですね。自分の中でもアレンジしながら"こんなアプローチになるんだ"と発見があったり、アコースティックにすることでグランジ感が増す曲があったり、原曲ではシャウトしていた部分をあえてハモらせて雰囲気を変えたり。楽しみながら作れたところはありましたね。
-例えば今作の中でも古い楽曲になる「JIMMY'S BACKYARD」は、アコースティック・アレンジされることでまったく違った魅力が出たと思いますし、「REMEMBER」は楽曲の求めるところに辿り着いて、"これが完成形なんじゃないか?"と思うような仕上がりになっていますし。時を経て楽曲が生まれ変わったり、よりブラッシュアップされたりという、予想もしなかったであろう物語性もすごく面白いなと思いました。
JUN-YA:「REMEMBER」は1回アコースティックでセルフ・カバーしてるんですけど、同じ曲をやるってところで、"今回は鍵盤を入れようか?"って話になって。俺はギターだけでやりたかったんだけど、しょうがないなって受け入れて......。
KAZUYA:楽しみながら作ったけど、そうやって揉めたところもちょいちょいあります(笑)。
-あはは(笑)。JUN-YAさんは改めて、アルバムができあがっての感想はいかがですか?
JUN-YA:『COVERED』でアコースティックでのセルフ・カバーを入れたときはデモ的なもので、自分の部屋で録音したやつをミックスした感じで。その頃から"いずれアコースティックだけのアルバムを出したいね"とは言っていたので、やっと形にできたなという感じですね。昨年の8月から毎月更新でMVも発表していたんですけど、コロナ禍で時間もあったしライヴもそんなにハイペースでできるわけではないなかで、MVであれば観てる人も楽しめるのでそういったことができたのも良かったなって。
KAZUYA:10ヶ月連続でMVを配信するのは大変でしたけどね。いつもうちらって"アルバムを作ろう"って言うと途中で終わっちゃうんです(笑)。モチベーションが続かなくて、いったんストップすると次が始まらないことが多いんですが、今回は時間もあるしいつもと違うアプローチだし、"モチベーションを上げるために1ヶ月に1曲作ろう"って提案して、"MVも作れば集中できるだろう"と始めて。10ヶ月連続で公開できましたし、こうしてアルバムも完成したので、今回は上手くいったなと思いました。
JUN-YA:結果1年くらいずっと忙しかったけどね(笑)。やって良かったと思いますよ。本当にMVも自主制作なところが多くて、スタッフなしで、カメラマンひとりで撮って。ロケハンも自分たちで行ってるから本当に忙しいんです。その間に1曲作ってMV撮ってというのを繰り返していたので全然時間がなくて。
-でもコロナ禍ながら、すごく充実した1年になりましたよね。最近はアコースティックでライヴをやる機会も増えたそうですが?
KAZUYA:そうですね。この間も2日連続で、フェスで、アコースティックでやって。ただ緊張しますね。アコースティックのライヴって、まだ何本かしかやってないから。普通のライヴより多少気が引き締まるところはありますね。
JUN-YA:ひとりひとりの音がしっかり聴こえちゃうから弾き語りとも違うし。
-でも、JUN-YAさんのヴォーカルからは、アコースティック・サウンドでブルージーな演奏でも、どうやったってにじみ出るパンク・スピリッツやアティテュードをすごく感じて。BOMB FACTORYにしか作れない、アコースティックの世界観をしっかり作れていると思いますが、アルバムが1枚できてライヴも重ねるなかで、アコースティックで見せる自分たちのスタイルが見えてきたところはありますか?
KAZUYA:それは完成する前からありましたね。自分たちの曲をアレンジするんですけど、自分たちの曲ながらいろんな発見があったので、ちゃんとした形で早く出したいなというのがありました。だから形になってすごく良かったです。
JUN-YA:アルバムという形では初なんですけど、アコースティックでのアプローチはかなり前からやっていたので、スタイル的なところは確立してきたところもあったんです。だけど、アレンジしていくなかで、いろんな要素が勉強になっていて。やり始めた頃と比べて、今回のアルバムは歌い方も多少変わってるかも知れないことに自分でも気づきました。