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INTERVIEW

BOMB FACTORY

2022.08.22UPDATE

BOMB FACTORY

Member:JUN-YA(Vo) KAZUYA(Gt)

Interviewer:フジジュン

-僕が驚いたのはラスト3曲、「REMEMBER」、「WAY」、「MIGHT BE WRONG」のヴォーカルで。これはバンド・スタイルでは見られない表情、ヴォーカル・スタイルだなと思ったし、このアルバムを締めくくるのに最適な3曲だと感じました。

KAZUYA:まさにアルバムを通して、最後にその3曲を歌ったんで、アコースティックで自分の歌をどう表現するか? というのは入ってきてたと思います。

JUN-YA:その3曲はあまり力が入ってない部分もあるんですけどね。ただ思い切り歌うだけじゃないってスタイルを、今作でちょっと見いだせた部分もあるのかな? と思います。

-そこまでの曲は、さっきも話したどうしたってにじみ出るパンク・スピリッツみたいなのがあって、BOMB FACTORYにしかできないアコースティックでのスタイルを見せていますが、この3曲は本当の等身大の部分、アコースティックだから出せる人間味の部分が見えて。しかもそれを引き出してくれたのが、当時そんなつもりで作ったんじゃない過去楽曲たちというのがすごくいいなと思いました。

JUN-YA:あ~、嬉しいですね。

KAZUYA:アコースティックって、ロックと比べると優しいじゃないですか? でもやっぱりパンクっぽさとかアグレッシヴさとか、逆の位置にあるものも出したいなというのはあって。バンドのスタイルとか含めてそういうのが出せればいいなと思ったし、それはこのアルバムで出せたと感じるし。

-はい。「FLY」や「DISCORD」ではアコースティックなのにエッジが効いた部分も出せていて、パンク・バンドがやるアコースティックのカッコ良さや面白さがあって。そんな部分も全面に出しながら、そうじゃないところまで表現しきれたのは、アルバム1枚作れたからだと思うんです。

JUN-YA:うん、そうかもしれない。『COVERED』のときは"こんな感じかな?"って手探りでやってたし、録り方も簡単だったし、"アコースティックもやるんだ"みたいなことを狙ってたところもあったから、あのときとはまったく違った意識でできましたね。

-楽曲の注目度ってところでいうと、「BLACK TOWN」のMVはYouTubeの視聴回数が20万人に近づく勢いで、すごく注目されています。

KAZUYA:嬉しいですね。個人的なギター・プレイでいうと、スライド奏法を入れたりしたのも面白かったです。ライヴ中にやらないといけないですけど、あのスライド・バーはオリジナルで、特許を取ってるんですよ。

-え、そうなんですか!? 左手にハメて、上からスライドするバーですよね?

KAZUYA:そうです。商品化もしたけど、メーカーがバックれちゃって今は売っていないし、商品化したときいろんな人に配ったけど、使いこなせる人がいなかったんですよ(笑)。

-そうだったんですか! MVでまた注目度が高まって再商品化できるといいですね。ちなみにKAZUYAさんはアコースティック・アレンジをする際、参考にしているとか、ルーツとなっているミュージシャンはいらっしゃるんですか?

KAZUYA:やっぱり、"MTV Unplugged"のときのNIRVANAとかですね。当時のグランジは好きだったし、STONE TEMPLE PILOTSとか、ALICE IN CHAINSのアコースティックもカッコ良かったんで、ああいうのがやりたかったです。当時聴いてましたけど、アコースティックでやるって考えてもいなかったんですよ。ああいう表現をやってるバンドって国内では他に観たことないんで、それを自分たちがやりたいと思いました。

-なるほど。曲を作り進めていくなかで、アコースティック・アレンジで掴めてきた部分ってありましたか?

KAZUYA:ありますね。通常のライヴでは使わないコードとかを使って、"こんな響きになるんだ"ってことがわかったり、原曲からガラッとコードを変えることはないんですが、ちょっと違う音が入ったり原曲にプラスしたり、歌のハモりを変えたり、そういうことはやっていくなかで見えてきたし、面白かったです。

JUN-YA:コーラスも曲のイメージができあがって"この音でやりたい"って見えてくると、それに合わせたメロディになってちょっと変わっていくんだよね?

KAZUYA:そう。曲がゆったりするからサビの長さが変わるとか。そんなことをやっていくうちに、いろんな表現が身についてくるというか、浮かんでくるようになりますね。

-ファンには聴き慣れた曲の変化も楽しんでほしいですね。

KAZUYA:自分らでもアコースティックで慣れてて、原曲を聴くと"あれ、こんなに速いんだ!"と思ったりするんです(笑)。

-あはは(笑)。選曲ってところでも普段からライヴでやっている曲ばかりではないですよね?

KAZUYA:そうですね。"ライヴではやってないけど、アコースティックではどうかな?"って曲も拾って。ライヴでやっている曲とあまりやらない曲で半々くらいですね。

-では、そんな中で特にお気に入りの曲や手応えのある曲を挙げるならば?

JUN-YA:僕は「BLACK TOWN」ですね。もともとこういう雰囲気でやりたいって案があって話していたら、KAZUYAが"いや、このキーじゃないんだよな。この音が入っちゃうんだよな"と考え始めて。マイナー・コードにしたり、ベース・ラインをガラッと変えたり、サビも"普通じゃダメだから倍の長さでいこう"って変えたりしてるなかで、"これは来たな"と手応えを感じましたね。

KAZUYA:俺は「FLY」かな。「FLY」はAメロなんかもアコースティックにハマる感じがあって、入りやすくて一発でハマったし、ライヴでやっててもすごく気持ちいいんです。

-「FLY」はひとつ今作を象徴する曲になりましたよね。今作で学んだことを生かしてアコースティックでゼロから新曲を作るってどうですか?

KAZUYA:新曲かぁ......それは考えたことなかったですね。

JUN-YA:アリっちゃアリだよ。でもそうなるともはやアコースティックが特別じゃなくなって、"そういうバンドになったんだ"になっちゃうよね(笑)?

KAZUYA:そうだね(笑)。まだハードコアな曲をアコースティック・アレンジするほうが面白いかもしれない。

-まだアコースティック・アレンジしたい曲は残ってますか?

KAZUYA:全然ありますよ(笑)。まだアコースティックは駆け出しなんで、新曲をやるならもうちょっとやってからですね。

-ここから状況が戻ってきたら、もちろんバンド・スタイルでの活動をメインでやりつつ、時々アコースティックでのライヴをやるとか、もうひとつの路線として続けていくのは全然アリですよね。アルバムを出して、レコ発やって終わりじゃもったいなすぎます。

JUN-YA:そうですね、そういうこともしたいと思ってますけど。

KAZUYA:もともとがそういうバンドじゃないんで、自分たちで作ろうとしないとそういうライヴの場もないと思うんです。率先してアコースティックの場を作らないとやらないかもしれないですけど、機会を作って今後もやっていきたいとは考えてて。バーで飲みながら、ゆったりライヴをやるとかいいかもしれないですね。