MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

RAISE A SUILEN

2021.11.11UPDATE

2021年11月号掲載

RAISE A SUILEN

"バンドリ!"第3のリアル・バンド RAISE A SUILENが前回(※2021年9月号掲載)の本誌インタビューで語った"ライヴ・パフォーマンスに影響を受けたアーティストは、Fear, and Loathing in Las Vegas"という言葉。それを受け、なんとRAS(RAISE A SUILEN)とラスベガス(Fear, and Loathing in Las Vegas)が相互に質問を送り回答するという特別企画が実現した! 今回、RASメンバーはラスベガスからの質問に回答。ラスベガスからは事前に回答を貰い、RASメンバーにその感想を訊いてみた。

メンバー:Raychell(レイヤ/Ba/Vo) 小原 莉子(ロック/Gt) 夏芽(マスキング/Dr) 倉知 玲鳳(パレオ/Key) 紡木 吏佐(チュチュ/DJ)
インタビュアー:宮﨑 大樹

-今回の取材に際して、ラスベガスとRASで事前に質問を出し合ってもらいました。まずは、ラスベガスからRASへの質問を回答していってもらいます。最初の質問は"ラスベガスのバンド内では筋トレブームが起こったのですが、RAISE A SUILENのみなさんはライヴに向けて何か体力作りなどされますか?"という内容です。

倉知:体力作りは日頃から気をつけるようにしていますね。走れるときに走ったり、プロテインを飲んだり。パーソナルジムに通っていたこともあります。

夏芽:私は、日頃からこれをやってるとかがなくて。実は、腕立て伏せができないんですよ(笑)。

Raychell:え~!? そうなんだ!

-意外です。パワフルなドラマーなので、腕立て伏せはできるだろうと思っていました。

夏芽:身体の使い方が上手くないんですよ。それがずっと気になっていたので、肩甲骨をうまく使えるようにトレーニングを始めました。ライヴ前は、本番で体力を長時間持たせるためにエアロ・バイクを爆漕ぎします(笑)。運動したあとは30分以内にプロテインを飲むのは決めていますね。

小原:ライヴに向けてというところですと、ライヴでかなり身体を動かすので、骨盤とか首とかの骨がずれたりするんですよ。そのメンテナンスはこまめにやっていますね。首、肩、肩甲骨あたりを中心に、ツーステップをすると足首もずれやすいので、ライヴ前は整体とかに行っています。

Raychell:私はもともと運動するのがすごく好きなんです。RAISE A SUILENの楽曲は常に走ってるような感覚に近いと思っているので、キックボクシングに通っています。前に玲鳳ちゃんを連れて行ったこともあったよね? あとは、最近家の椅子を全部捨ててバランスボールにしました。ご飯を食べるにもお化粧をするにも、何をするにもバランスボールの上に座って、体幹を鍛えるようにしていますね。

-ライヴや音楽において体幹はどうして重要なんですか?

Raychell:身体のバランスが崩れていくと、発声が変わるんですよ。例えば頭の位置が前に来るだけで高音が出づらかったりします。RAISE A SUILENの楽曲は、激しいですし、トップの音は地声で張り上げるものが多いので、それに耐えられる喉を作ったり、身体の使い方をしたり、体幹を保って身体の軸をまっすぐにしたりすることによって、よりパワフルな声が出せるんです。

-ミュージシャンは身体作りが大事なんですね。紡木さんはどうですか?

紡木:形から入るのが一番大事だと思っているので、夏芽さんが毎回プロテインを飲んでいる姿を見て、見よう見まねでプロテインをガバ飲みしたり、ウェアを買ってみたり。形からは入るんですけど、なかなか実行は難しいところですね。

Raychell:......つまり何もやっていないということですね(笑)。

一同:(笑)

-続いて"声優としてキャラクターを演じる以前と比べて、演奏やライヴに関して変わったことはありますか?"という質問はどうでしょうか?

倉知:"THE THIRD(仮)"(※RAISE A SUILENの前身バンド)時代、まだパレオちゃんというキャラクターがいないなかで演奏しているときと、キャラクターをいただいてからの演奏の仕方で変わったところはたくさんあって。パレオちゃんだったらこういう動きをするかなって考えますし、メンタル的なところでも、パレオちゃんは他のメンバーのことを気に掛けることに長けているキャラクターだと思うので、そういうところも自分なりに近づけられたらなと思ってやっています。先にアニメーション映像を観させていただくときは、キャラクターの動きを見て、取り入れていくことも多いです。"バンドリ!"の中で演奏していくときは、パレオちゃんに頼っているところが大きいですね。頼っているし、もっと近づけていきたい気持ちです。

夏芽:私はミュージシャンとしてずっとドラムをやってきていたので、自分の激しいプレイ・スタイルはもうできていたから、マスキングがいないときからそういう感じでやっていました。そこにマスキングが現れて、彼女は"狂犬"と言われる手数が多いスタイルなので、もっと激しくしたり、かわいいかカッコいいかだったら断然カッコいい感じなので、イケメンを意識したりしています(笑)。ステージからはけるときの感じとかは、夏芽でいっちゃうと"ワー!"ってキャピりがちなんですけど(笑)、そこは抑えてカッコいい感じを意識していますね。あとは金髪ショートの維持です(笑)。

Raychell:最初にレイヤのヴィジュアルを見させていただいたら、すごく自分に近いなと思ったんです。夏芽もそうだと思うんですけど、私たちふたりは自分たちに寄せてキャラクター・デザインしていただいてるので、そういう意味ではすごくやりやすいというか、もともとの自分たちに近かったですね。そのときはキャラがどういうふうに動いて、どういう喋りをして、どういう性格だというのはあんまり出ていなかったので、基本的には自分を軸としてRAISE A SUILENを見せていったんですけど、そのあとにアフレコだったりゲームだったり、自分たちのキャラクターが動くものを観ていくうちに性格が見えるようになってきて。レイヤがこうしているから今回はこんなふうにやってみようとか、ライヴに取り入れたりすることはやっぱり多いですね。

-Raychellさんはライヴ中の煽りも強めですが、それは?

Raychell:たぶんRAISE A SUILENだから強めなんですよね。自分のソロのライヴは全然強くないし、煽りますけどあそこまでは煽らない。RAISE A SUILENのほうが煽れるんですよ。なぜかって、やっぱり楽曲がカッコいいし、言葉もカッコいい。しかも自分ひとりじゃない。この5人でステージに立っていると無敵なんですよね。"THE THIRD(仮)"からRAISE A SUILENになったときの「UNSTOPPABLE」で煽ったのが最初だったんですけど、そこから楽しくなっちゃって(笑)、気づいたら煽るようになって、それがRAISE A SUILENらしさのひとつにもなりました。そうしたらキャラクターのレイヤも煽るようになったんですよ。そういう意味では、お互いにいい影響を与えられているのかなと思います。

小原:私はアーティストからやらせていただいてたときは"小原莉子のギター・スタイル"を引き出していく感じだったんですけど、RAISE A SUILENになって、キャラクターがついてからは、ロックというキャラクターを憑依させたうえでステージに立つので、ロック要素として取り入れているパフォーマンスは間違いなくあります。そういう意味では小原莉子であって小原莉子ではないというか。キャラクターとして立つところは"バンドリ!"ならではだと感じていますね。キャラクターを自分たちで具現化するところが"バンドリ!"の魅力だと思うので、演じつつ且つキャラクターのレベルに合ったプレイ・スタイルで披露していくところに、自分の中でやりがいがあります。

紡木:私は、キャラクターが出る前は音楽の経験が一切ない"紡木吏佐"として立っていたので、DJプレイをしていないときの煽りとか立ち位置をどうしたらいいんだろうって、悩んでいた時期もあったんです。だけどキャラクターが発表されてからは、チュチュという女の子がRAISE A SUILENでDJをしている姿を見て、彼女だったらDJをしていないときはこういう顔で、こういうスタイルでみんなのことを煽るんだろうなとか考えられるようになりました。そこからDJ卓に足を乗せて煽ってみたりするようになって。彼女のおかげで今の私のDJとしての姿があるので、彼女というキャラクターは本当になくてはならない存在だと思っています。

-次は"ライヴ中は何を主軸に、リズムを取っていますか?"という質問です。

小原:私は圧倒的にドラムですね。返しの好みは人それぞれだと思うんですけど、私の場合は全部返すと何を中心に聴けばいいのかわからなくなっちゃうので、"指揮者は君だ"みたいな感じでドラムを集中して聴いていますね。

倉知:私もです。

Raychell:私もですね。

夏芽:照れる。私はメンバーの中でもぶれちゃいけない人なので、もちろんクリックはしっかり聴いてやっています。けど、クリックを聴きつつ、みんなの音も聴いていないとそれだけになっちゃう、セッションではなくなっちゃうので、クリックとヴォーカルが中心にありつつみんなの演奏って感じですね。歌はすごく聴いています。

Raychell:そうなんだ。恥ずかしい!

夏芽:あとは後ろ姿を見ながら演奏しています。ヴォーカルがいるときは絶対にヴォーカルの歌を聴くし、見ますね。

紡木:私はみなさんの音を全部聴いています。メロディとして聴いて、特にチェル(Raychell)さんの歌声は上げてもらっていますね。音楽にノるみたいな感じで、全部を聴いています。

-こういう質問はミュージシャン同士ならではですよね。引き続きライヴについての質問です。"ライヴ映像拝見して、お客さんが端から端まで熱狂しててすごいなと感じたのですが、言葉煽りで気をつけていることなどあれば聞かせてもらいたいです!"ということで、煽りと言えば――

Raychell:私ですね(笑)。でも、最初は煽ったことがなかったから"なんて言ってもらいたい?"ってメンバーに聞いたんですよ。"飛べ!"とか、みんなが言ってくれたものを選んで発していったら、盛り上がってくれました。煽られるのが楽しいんだなと初めて感じたのは、実はthe GazettEさんのライヴで。そこからいろんな方のライヴ映像を観たりして、煽りの研究をしました。

-それにしても、みなさんがライヴ・パフォーマンスに影響を受けたというラスベガスから、"すごい"と言ってもらえるのは嬉しいことですよね。

Raychell:嬉しいですね。この前ベガス(Fear, and Loathing in Las Vegas)さんのライヴを観させてもらったんですけど、全員手を挙げて、全員ノっていて、すごかったです。あとファッションがすごく個性的で。あの個性の出し方は今の私たちにはないので、いつかやってみたいです。そういう自由感は見習いたいところですね。

-そして"ライヴでのパフォーマンスが激しいイメージがありますが、ステージング、動きなどで意識していることはありますか?"という質問も来ています。

小原:ツーステだったりヘドバンだったりが、RASのファンの方が楽しみにしてくださっている要素でもあるんです。なので、まず私と玲鳳ちゃんで上手と下手の端っこ同士で動きを合わせるとかは、リハから意識してやっていますね。

Raychell:ツーステはふたり(小原&倉知)に任せて、私はヴォーカルがないところはヘドバン担当として頭を振っていますね。あとは夏芽を見て、夏芽が振っているところで合わせられるところは合わせています。リズム隊と上物、で、チュチュは司令塔です。私たちのライヴが初見なら、彼女を観てもらえばノり方がわかるはずです。

紡木:観てください~。私を、観てください~。今チェルさんが仰ってくださったように、初見の方でもここはこういう動きをしたらいいんだって、強制力はない、ひとつのお手本みたいな感じでやっています。お客さんがそれに合わせてノってくれると私もハッピーですね。一体感が生まれるのがとても素敵だなと思います。

Raychell:あと、RASって楽曲ごとに"記号"を作っているんですよ。

-記号ですか?

紡木:そうなんです。「!NVADE SHOW!」はくるくるしたり、「HELL! or HELL?」では悪魔を作ってみたり(共に2020年リリースの1stアルバム『ERA』収録曲)、いろいろやっております。

-"この曲と言えばこの動き"みたいなことですね。たしかにそれは初見でも楽しめそうです。では続いて"ライヴ中、テンションが上がるのはどういう瞬間ですか?"という質問についてです。

倉知:みなさんが盛り上がってくださっている姿を見るとすごくテンションが上がります。あとはメンバーみんなでの決めの音が揃ったとき。そういう瞬間もすごくテンションが上がるなぁと思います。

紡木:私はステージに出た瞬間が一番テンション上がってます。お客さんがいる景色を観て、"ウォー"ってテンションがマックスで上がっていますね。

小原:私も同じかもしれないです。

夏芽:私も今のを聞いてたしかにと思いました。ドラム・セットのところに到着して、みんながペンライトを"ワー"って振ってくれているのを見渡す時間がテンション上がります。ライヴ中は、笑顔の人を見たときとか、今は難しいですけど声が聞こえてきたとき。ドラムからだと全員の表情は見えないので、前のほうの人たちが"ウワー!"となっているのが見えたときは、"お、楽しんでるね!"と思っていますね。

Raychell:私はみんなの顔を見て拍手を貰えたときですかね。もちろん出たときの嬉しさもあるんですけど、自分たちが何かを披露して、アクションを貰えたときはすごく嬉しいです。やっぱり人がいないと拍手は貰えないじゃないですか? オンラインでライヴをやったことで、その場にいてくださることのありがたさをすごく感じました。あとはライヴ中だと、"頭振れ!"と煽って、お客さんが頭を振っている景色を見ていると、テンションが上がります。

-ラスベガスからの質問の最後は"みなさん声優業や舞台など幅広く声を使うお仕事でご活躍されていますが、ライヴ前後の喉のケアで何かお勧めはありますか?"という質問です。

Raychell:私は、喉にいい漢方を飲んでなるべく喉に負担をかけないようにしていますね。あとは蜂蜜を舐めたり加湿したり。こまめに、神経質にやっています。

倉知:喉もそうなんですけど、共鳴させるのに口から上、上咽頭とかもきれいにしておきたいと思うので、鼻うがいをしています。でも、当日の朝に鼻うがいをしちゃうと、ライヴ中にヘドバンしたときに鼻から水が出てきちゃうので、それはオススメしないです(笑)。前日までにやっておくことをお勧めします(笑)。

夏芽:前に水が出てきたときあったよね?

倉知:そう! 本番中に出てきてどうしようと思って、後ろを向いて弾いたことがありました(笑)。

Raychell:夏芽も鼻うがいやってたよね?

夏芽:やってる。私も上咽頭が炎症を起こしやすいタイプで、よく咳が出たり喉が乾燥したりして、そのときに教えてもらった鼻うがいは今でもやっていますね。あとは喉がイガイガしてるかもと思ったら、マヌカハニーを寝る前にスプーン1杯舐めています。

小原:私は最近、龍角散にハマっていて。スティックのやつをがぶ飲みしますね。

Raychell:あれ、おいしいよね。私もよく飲む。紡木さんは......(笑)?

紡木:紡木さんは......言える身じゃありません(※実は紡木のみ体調不良でリモート参加中)。

一同:(笑)