MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

LIVE REPORT

Fear, and Loathing in Las Vegas

2021.07.13 @Zepp Tokyo

Writer 荒金 良介 Photo by Viola Kam (V’z Twinkle)

Fear, and Loathing in Las Vegas(以下:ラスベガス)が["HYPERTOUGHNESS" Release Tour 2020]および、同ファイナル・シリーズを仕切り直し、全14公演ワンマン・ライヴで挑む1年4ヶ月ぶりの全国ツアー["HYPERTOUGHNESS" Release Tour 2020→2021]を決行。そのツアー後半戦にあたるZepp Tokyo 2日目(7月13日)は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、フロアに座席を設ける形で行われた。

SEが流れるや、瞬時にメンバー5人の登場を祝福する観客たち。その期待に応えるべく、So(Clean Vo)は"全力で行くから、かかって来いよ!"と煽り、現時点における最新アルバム『HYPERTOUGHNESS』の冒頭曲「The Stronger, The Further You'll Be」で本編をスタートした。Minami(Vo/Key)が気迫のシャウトをかませば、Soは天を突くクリーン・ヴォーカルを放ち、めくるめく多彩な攻撃力を発揮。ラスベガスの実力は、コロナ禍前と比べても微塵も錆びついていないことを痛感する。最新作同様に「The Gong of Knockout」と繋ぐと、Minamiは新体操選手のようにマイク・コードを振り回してステージを動き回り、視覚面からも焚きつけていった。またTetsuyaのスラップ・ベース、Taikiの流麗なギター・ソロ、Tomonori(Dr)はボトムを強靭に支え、爆発力漲るサウンドでフロアの熱量を押し上げていく。

"最高だ、ありがとう! 昨日に負けないように手を上げて、躍りまくってくれ!"とSoは言葉を投げ掛け、新曲「One Shot, One Mind」をここで披露。キャッチーな歌メロにフォーカスを当てたポピュラリティ抜群の曲調は、ライヴで一段と映えていた。

「Nail the Shit Down」を経て、エスニックな色合いを浮かべた「Keep the Heat and Fire Yourself Up」を皮切りに、最新作の楽曲メインで畳み掛けるブロックに突入だ。観客は拳を上げ、お祭り騒ぎの一体感に包まれる。「CURE」に入ると、"全員手を叩け、もっと!"と煽り、クラップが耳をつんざく音量で鳴り響く様も壮観であった。さらに、堰を切ったようなハイパーな攻めを突きつける「Thoughtless Words Have No Value But Just a Noise」、Taikiの野太いコーラスに気分がアガる「Great Strange」とやり終えると、Soは昨日(7月12日)都内で4回目の緊急事態宣言が出たことに触れ、"しっかりルールを守って、安全なライヴを"とここに集まってくれた熱心なファンを気遣うMCを挟み、後半はエンジンの加速度を上げていく。白眉だったのは「Karma」、「Where You Belong」の2曲の流れで、前者は流麗な鍵盤、壮絶なドラムを入り口にドラマチックな曲展開で観る者を丸呑みするド迫力ぶり。後者においては会場全体を明るく照らす演出に加え、シンフォニックなスケール感を帯びたサウンドが素晴らしく、ラウド一辺倒に収まらないラスベガスの繊細な表現力に胸を突かれた。 そして、久しぶりに「Something to Gain After the Pain」などを折り込むと、"ツアー久しぶり、楽しかった! みんながそばにいてくれるからライヴができる"と改めて感謝を述べるSo。

ラスト・スパートは「Crossover」、「Massive Core」で締めくくり、観客をひとり残らず昇天させるエネルギーを発揮してライヴは終了。現5人体制の結束力を高めたステージに身も心もねじ伏せられた。

  • 1