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LIVE REPORT

Fear, and Loathing in Las Vegas

2022.08.30 @Zepp Haneda(TOKYO)

Reported by 藤坂 綾 Photo by Viola Kam (V'z Twinkle)

今年2月26日、神戸 Harbor Studioから始まったFear, and Loathing in Las Vegasのワンマン・ツアー"FaLiLV Shuffle Tour 2022"。全公演セットリストを変え、ツアーを通してすべての楽曲を演奏するというこのツアーの後編が、8月30日、Zepp Haneda(TOKYO)からスタートした。

この日限りの特別なセットリスト、この日限りの特別なライヴ。もちろんすべてのライヴがこの日限りで特別なのは十分に承知だが、それでも今日のライヴに対する期待と欲求は、バンドもオーディエンスも引けを取らず、それはSEが鳴った瞬間に巻き起こったハンドクラップと、勢いよく登場し、客席を煽りまくるメンバーの姿が証明していた。

"東京! 初っ端からアクセル全開でいくぞ!"というSoの掛け声と共に、言葉通りアッパーでダンサブルな「Acceleration」でスタートを切る。初っ端からSoのクリーン・ヴォーカルとMinamiのシャウトが会場を飲み込み、続く「Burn the Disco Floor with Your "2-step"!!」では"踊れ!"を連発、客席をさらに煽り、会場には強さを増したハンドクラップが鳴り響いた。

2曲が終わったところで"気を抜かずにしっかりついてこいよ!"と喝が入り、それに大きな拍手で応えるオーディエンス。どちらもガチンコとはいえただ攻撃的な雰囲気だけではなく、温かさも流れているところにラスベガス(Fear, and Loathing in Las Vegas)の人間性を垣間見る。

タイトなビートの「Shape of Trust」、めまぐるしい展開の「My Dear Lady, Will You Dance With Me Tonight?」、そしてイントロで大きな拍手が沸き起こった彼らの代表曲のひとつ「Return to Zero」へ。SoとMinamiのステージ上での振付はここから始まった。ツアー再開までの約2ヶ月の間に行っていたというレコーディングでのエピソードを挟み、少しクール・ダウンしたかと思ったのも束の間、"もっともっとアゲていこうぜ!"と、すぐさまBPM約180の高速ダンス・チューン「The Gong of Knockout」をプレイする。SoとMinamiの掛け合いに、TomonoriのドラムとTetsuyaのベースが絡み合い、Taikiのギターが彩りを添える。破壊力と安定感が見事に手を取り合い、音のひとつひとつが腹の底まで響く。

"守らないといけないいろいろなルールがある中、みんなのおかげでここまでやってこれました"と、このツアーへのお礼を改めて述べ、"もっともっと楽しむぞ!"と始まったのは、キャッチーで甘酸っぱいメロディ且つどこかコミカルな展開の「Set Your Goal」。そして、ピアノの音色が美しく切ない「Short but Seems Long, Time of Our Life」と続き、ドラマチックな世界へと観客を惹き込んでいく。

その世界に浸っていたところへ、10月26日に3年ぶりとなる待望のフル・アルバム『Cocoon for the Golden Future』がリリースされることが告げられ、オーディエンスからは喜びの拍手が止まらない。その気持ちをしっかりと受け取り、"ここから後半戦のスタートです。「Repaint」"とSoが言うと、客席からは歓声が漏れる。"BanG Dream!(バンドリ!)"発のグループの中でも最もラウドでエレクトロな音楽性のバンド、RAISE A SUILENに楽曲提供された「Repaint」。そのセルフ・カバーをライヴで演奏したのはこの日が初めて。さらに、キーボード、スクリーム・ヴォーカル担当のMinamiがおもむろにギターを抱え、Taikiと絶妙なコンビネーションで流麗なツイン・ギター・ソロを披露して見せたのだ。続くシンセ/エレクトロ感の強い「Ley-Line」、そしてラスベガスの数ある楽曲の中でも特に振り幅のあるクセ曲「Ignite Your Frail Mind」を披露。テクニカルで難解な曲を一糸乱れる演奏で乗りこなすステージングに思わず呼吸することを忘れそうになる。

アルバム・リリースに伴うツアーを発表し、ツアー・ラストを神戸 ワールド記念ホールで開催することを感慨深げに話したあとは、"まだまだみんなと歌って踊って、身体を動かしていきたい!"と「Never Say "Never"」へ。ここからの会場の一体感はさらに凄まじく、そこからエモーショナルでドラマチックな大作「Journey to Aim High」へと繋がる流れは圧巻と言うほかない。

そして"ラスト2曲、悔い残さんように、ここにいる全員の底力、東京の底力を見て帰りたい!"とスクリーム・オンリーのアグレッション満載なメタルコア・ナンバーである「Crossover」で攻めまくったあとは、"東京のみんなの最高なダンスを見せてくれ!"とラストに初期ラスベガスの大名曲「Love at First Sight」をプレイ。ミラーボールが回りZeppがダンス・ホールと化すなか、全員が全力を振り絞り、熱気と興奮だけを残し幕を閉じた。フルスロットルの1時間半。がむしゃらだけどその潔さに貫禄すら感じた、とても密度の濃い時間であった。

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