INTERVIEW
So(Fear, and Loathing in Las Vegas/Clean Vo)
2025.01.10UPDATE
2025年01月号掲載
Member:So(Clean Vo) プロデューサー/マネージャー
Interviewer:村岡 俊介(DJ ムラオカ)
Fear, and Loathing in Las Vegas(以下:ラスベガス)主催のフェス"MEGA VEGAS 2025"が、今年も彼等の地元 神戸 ワールド記念ホールにて開催される。12月に閉幕した全国16ヶ所での"Boost Up Tour 2024"でも見られたように、普段のライヴから様々な規模感やジャンルのアーティストたちと対バンしているラスベガスだが、"MEGA VEGAS"でもそんな彼等ならではのラインナップが光る。2023年より3年連続、今回で通算5回目の開催となる本フェスについて、Soと、制作の指揮をとるプロデューサー兼マネージャーが語ってくれた。
-全国16ヶ所を回る"Boost Up Tour 2024"も終盤となり、残すは対バンにw.o.d.を迎えた、地元の兵庫 神戸VARIT.公演のみとなりました(※取材は12月中旬)。これまで15ヶ所を回ってきていかがでしたか?
So:"10年前から聴いてます!"とか"コロナもあって来れてなかったけど、7年ぶりに来ました!"みたいな、そういうお客さんからの声が多くて嬉しかったですね。"子供と一緒に来ました!"とか、16年やってても、そうやってずっと待っててくれた人が各地にいらっしゃって、嬉しいなっていうのが一番大きいです。
-それは嬉しいですよね。対バンもメタルやハードコアからギター・ロック、ロック・アイドルまでかなり幅広いセレクトですね。どのような基準で誘うのでしょうか?
So:メンバーとマネージャーさんでグループLINEで案をバンバン出していって、その中から"良さそう"ってなったところに声を掛ける形で。ずっとそんな感じですね。
-今までと変わらずでしょうか?
So:今回はライヴを観たことがない対バンの方もいるんですけど、会ってみたいとか、曲が好きやから喋ってみたいとか、そういう意見もありつつなチョイスだったかなと思います。
-なるほど。これまではライヴを観て一緒にやってみたいと思ったアーティストにオファーするという話を取材時に聞いたことがありますが、今回のツアーへのお誘いは実際に観ているバンドもいれば、観ていないバンドもいるということですね。
So:はい。
-初日の愛知にはフレデリック、翌日の静岡にはEarthists.と、最初の2日ですでにジャンルの振り幅がおかしなことになっています(笑)。
So:(笑)たしかに。できるだけ振り幅を付けようというのは、全体的にも意識していたと思います。どのライヴも勉強になることばっかりで良かったですね。夕闇(夕闇に誘いし漆黒の天使達)は昔から友達で、やっと対バンができてめちゃくちゃ嬉しかったです。
-夕闇と初の対バンとは、意外です。
So:そうなんです、フェスとかでは一緒になることがあったんですけど、こうやってちゃんと対バンするのは初めてで。ちょいちょい彼等のライヴを観には行っていたので、"俺等のライヴで観られる"っていうのが嬉しかったし、お客さんもめっちゃ喜んでました。あとはThe BONEZがめっちゃかっこ良かったです。圧巻でした。
-Pay money To my Painの頃から一緒にやってましたよね。
So:そうですね、付き合いは長くて。それもあって打ち上げもめちゃくちゃしました(笑)。
-彼等は打ち上げ世代ですからね(笑)。
So:(笑)今回で言うと、裸繪札も結構先輩ですけど、ガッツリバンドとして先輩なのはThe BONEZぐらいかなと。かっこ良かったです。The BONEZは何回か呼ばせてもらっていますがめっちゃハッピーな人たちで(笑)、最後まで残って、分け隔てなくみんなと仲良くしてくれて。好きですね。
-あの世代のロックでピースフルな感じ、いいですよね。裸繪札さんも先輩なんですね。
So:そうですね、年齢的にも、活動歴的にも。もう20年ぐらいやられてますね。
-そうなんですね。裸繪札さんはどちらかと言うと最近キているイメージがありました。
So:結構前々から好きで、自分がやらせてもらっていたラジオ番組("RADIVEGAS")で流したりしてたんです。最近フェスとかにも出始めるようになったんですけど、"今まで何してたんですか?"って聞いたら"20年ずっと同じ箱でやってた"って(笑)。20年ぶりというか、ほぼ初めてツアーするって言ってました(笑)。20年研ぎ続けた刃でついにツアーをすると(笑)。
-ツアー・ファイナルの会場は地元の小箱、神戸VARIT.となります。その後、来年3月に同じく神戸のワールド記念ホールで開催する"MEGA VEGAS 2025"へと繋がっていく大事な公演だと思いますが、メンバー皆さん、より気持ちが引き締まるのではないでしょうか?
So:今回のツアーは、ライヴが終わった後に"もっとこうしたら良かったな"とか"ここは良かったな"という反省会をチームでやるようになって、少しずつ習得できたこともあり、そういった成果もツアー・ファイナルではちゃんと出し切って、最高のライヴをしたいなと思っています。
マネージャー:しばらくの間ライヴが終わった後の反省会は全くやっていなくて。
-以前は、ラスベガスはライヴ後に毎回必ず反省会をやっていましたよね?
マネージャー:いろんな理由があるのですが、ここ5年ぐらいはライヴが終わった後含め、特にミーティングらしいミーティングをしていなかったんですよ。でもこのままだとバンドとして良くないという話をして、今回のツアーの前から再びやり始めました。それが良かったと思います。
So:ライヴ後だけじゃなくて、ライヴ前にも細かい流れ、決めごとをメンバーと話して。そのおかげで手応えを感じることが多かったですね。
-ヒット・メドレーで固めているような大御所のバンドは別ですけど、毎回全て同じセットリストではなく、一貫した流れはありつつ、要所要所のみ変えるバンドが一番多い印象がありますね。セットリストを毎公演全部ガラッと変えるバンドはかなり少ないと思います。
So:最近はフェスでも変化があったり、アルバム・リリースじゃないツアーは"Shuffle Tour(FaLiLV Shuffle Tour 2022)"として、1曲目から全曲入れ変えられていました。
-なるほど。今回のファイナル公演にw.o.d.を迎えた理由はなんでしょう?
So:"ファイナルだから"とかはなくて。気になってたのもありつつ、彼等は神戸のバンドで地元が一緒ということで、初めましてになるけどお願いしたいなと。
-対バンは初めましてなんですね。
So:そうですね。ちゃんと挨拶もできていなかったと思います。
-音楽性は全然違いますけど、グランジというかオルタナティヴというか、すごく生々しいライヴを魅せてくれます。かっこいいですよ。さて、ここからは来年5回目の開催となる"MEGA VEGAS 2025"について伺います。2023年に6年ぶりに開催し、2024年も無事2年連続開催となりましたが、2年連続開催を経た今振り返ってみていかがでしょうか?
So:"(MEGA VEGAS)2023"のときは久々っていうのもあってめちゃくちゃ大変で。"(MEGA VEGAS)2024"はもう少し慣れてきたと思うんですけど、"2023"の反省を活かしつついろいろやった結果、動いた量で言うと"2024"のほうが多かったですね。でも毎年やりたいというか、やりがいがめちゃくちゃあるし、神戸も大好きな街だし、お客さんもみんな喜んでくれるし、俺等もすごく楽しいし。来てくれたバンドも楽しいと思ってもらえるようなフェスになってきているのかな? って思ってます。
-めちゃめちゃ動いたというのはどういうところで?
So:出演してくれているアーティストのライヴを観に行ったり、物販ブースに行ったり、裏側の動画を撮ってたりしたら、本当にずっと走り回ってる感じになって(笑)。それはそれですごく楽しいですけど。ライヴの出番が最後なので、その前に30分だけちょっと休憩して集中してるときは、"あぁ~"、"救われた~"みたいな感じになりました(笑)。
-(笑)ラスベガスのライヴは、アグッレシヴなスポーツに通じるような運動量じゃないですか。スポーツだったら自分の出番が来る前にそんなに動き回るのはありえないですししんどいと思います(笑)。
So:大丈夫っす(笑)。どれも楽しいというか。ブースに行くのもお客さんと話せて楽しいし、来てくれたバンドと絡むのも楽しいし。しんどいですけど、大丈夫ですね。気付いたらフェスが終わってたみたいな感じです。
-時間が経つのが早い?
So:そうですね、朝から自分たちのライヴまであっという間です。"あぁ、もう終わった......"っていう。
-すごいですね、シンプルに大変だなぁと思います。他のバンドもフェスをやってますが、皆さん同じような感じですか?
So:そうですね、主催のバンドはめっちゃ忙しいと思います。しかも俺等なんか1ステージだから、全然余裕なほうなんですよね。何ステージもあると、もっと忙しいと思います。
-夏の屋外のフェスだとしたら、本当に大変でしょうね。
So:はい。なのでだいぶズルいほうです(笑)。