FEATURE
"POWER OF KOBE"
2025.08.08UPDATE
2025年08月号掲載
Writer : 山本 真由
イベントの背景も押さえつつ、被災した神戸のパワフルな復興ぶりを象徴する強力ラインナップ集結!
1995年に起こった未曾有の大災害、阪神・淡路大震災から30年の節目にあたる今年。震災で大きな被害を受け復興した神戸市の後援を受け、今や地元を代表するロック・バンドへと成長したFear, and Loathing in Las Vegas(以下:ラスベガス)が、主催フェスの開催を発表した。"POWER OF KOBE"と題されたこのイベントは、地元神戸 ワールド記念ホールを舞台とし、関西を拠点として活動してきたバンドはもちろんのこと、主催であるラスベガスに縁あるバンド、アーティストたちが集結。9月6日と9月7日の2日間にわたって開催される。
阪神・淡路大震災は、1995年の発生当時としては戦後最大級の被害を出した災害で、崩壊した高速道路や大都市の甚大な被害の映像等、ショッキングなニュース映像が世界を震撼させた。そんな大震災でも30年もの年月が経つと、よく知らないという世代は増えてきているのだろう。だからこそこの"POWER OF KOBE"というポジティヴなイベントによって、多くの人がこんな災害があったことを知ったり、理解を深めたりするきっかけになるのはいいことだと思っている。
そして、今回神戸市後援でフェスの主催をするラスベガスは、若くしてライヴ・シーンで頭角を現し、人気と実力を兼ね備えたバンドであることはもちろん、地元を大切にした活動スタイルでも知られるバンドだ。これまで、自身の主催フェス"MEGA VEGAS"を、同じく神戸 ワールド記念ホール等で開催してきた(2016年は舞洲SUMMER SONIC大阪特設会場にて開催)だけでなく、神戸市と連携することでフェスの定期開催を実現し、"MEGA VEGAS"のチケットをふるさと納税の返礼品にする等、地元への様々な貢献実績を持つ。そういった経歴のあるラスベガスだからこそ、今回の阪神・淡路大震災30年事業である"POWER OF KOBE"の主催を担うに相応しい、と誰もが納得できるはずだ。
少し硬い話になってしまったが、そんな背景も押さえつつ、被災した神戸の現在のパワフルな復興ぶりを象徴するような、強力なラインナップが集結した今回の"POWER OF KOBE"の出演者について、紹介していこう。
まず第1弾ゲストとして発表されたのは、1日目の9月6日に、ヘヴィなサウンドにレゲエ、ヒップホップ等の要素も取り入れ、唯一無二のポップ・センスでクロスオーヴァーなロックを展開する10-FEET。関西出身というだけでなく、ジャンルレスなアプローチで幅広いファン層にリーチするという点でも、ラスベガスとは親和性の高い先輩バンドだ。また両バンドは、ラスベガスが10-FEET主催のフェス"京都大作戦"へ出演し、10-FEETもラスベガス主催の"MEGA VEGAS"に出演する等、実際に深い繋がりを持つ。そして、2日目の9月7日出演アーティストとして最初に発表されたのは、言わずと知れた国内屈指の人気バンド、マキシマム ザ ホルモン。ヘヴィでありながら独特のキャッチーなサウンドで、アニメ・タイアップ曲も多数、海外にも多くのファンを持つ等こちらもラスベガスとは何かと共通点が多い先輩バンドだ。
続いて第2弾で発表されたのは、こちらも関西出身で、地元で大規模な野外音楽フェス"OSAKA HAZIKETEMAZARE FESTIVAL"を主催する、実力派ライヴ・バンドのHEY-SMITH。彼等の披露するダイナミックなスカ・パンクは、お祭り騒ぎのロック・フェスには欠かせない。そして、共に第2弾アーティストとして発表されたのはサンボマスター。アツい日本語ロックで大ブレイクし映画、ドラマ、アニメ、CM等多くのタイアップ曲を手掛ける人気バンドだ。誰もが絶対に聴いたことのある&口ずさめる楽曲の数々で、会場は大合唱間違いなし。どちらも2日目の9月7日に出演予定だ。
さらに、第3弾発表で追加されたのは、昨年2024年に結成20周年を迎えてベスト・アルバムをリリース、大規模なツアーも開催する等何かと話題の多いUNISON SQUARE GARDEN。そして、2023年に、1,000人以上の応募者の中からオーディションで選ばれた新ヴォーカルのYOSUKEが加わり、20年活動、現在もフレッシュなサウンドを届け続けるSPYAIR。こちらの2バンドは1日目の9月6日出演予定だ。
DAY1 9/6








そして今回大注目となった第4弾ゲストでは、西川貴教が本名名義とT.M.Revolution名義それぞれ別アーティストとして、2日目に出演するという発表がなされた。ラスベガスとはコラボ楽曲も発表しており、ステージでの共演にも期待が高まる。
そこからさらに最終発表で出揃った出演者は、1日目の9月6日にBLUE ENCOUNT、SiM、coldrain。3バンド共多くのライヴ・イベントでラスベガスとは共演経験がある馴染み深いメンツだ。BLUE ENCOUNTについては、メンバーが活動拠点をアメリカに移す等の変化がありつつも、コンスタントにリリースを重ね、昨年20周年を迎え勢いの止まらぬ好調ぶり。また、ライヴ・シーンを牽引する中堅バンドとして昨今ますます貫禄を付けているSiMは、自身主催のフェス"DEAD POP FESTiVAL"のオープニング・アクトを、オーディションで選出し、次世代のバンドを"鬼札"として招く新規イベント"WiLDCARD"も発足する等、後人の育成にも余念がない。さらに、ワールドワイドに展開するレーベル Century Media Recordsと新たに契約を結び、国際的な活躍の幅を広げているcoldrainについては、3年ぶり3回目となる主催フェス"BLARE FEST."の開催も決定する等、今後のさらなる飛躍にも注目が集まっている。
そして、2日目の9月7日には、キュウソネコカミとフレデリックが出演決定。踊れるロック、ノリのいいロックという意味でラスベガスと通じる面のある彼等はそれぞれ、キュウソネコカミが2024年、フレデリックが2023年、2025年の"MEGA VEGAS"に出演経験がある。
また、さらに9月6日のスペシャル・ゲストとして千葉雄喜の出演も決定した。すでに唯一無二の存在感でグローバルな活躍を見せつけている彼が、"POWER OF KOBE"でどんなステージを披露するのか。ここでしか観られない化学反応に注目だ。
DAY2 9/7








ざっくり紹介してしまったが、本当にすごいメンツが揃ったと思う。それぞれが、ライヴとなればチケット争奪戦間違いなしの必見アーティストばかり。それだけでなく、阪神・淡路大震災から30年の時を経て、関西の勢いを感じさせる地元アーティストはもちろん、東日本大震災においてチャリティに協力したアーティストや、神戸市と連携して地元を盛り上げてきたラスベガスと関わりの深いラインナップが集結した。今回のフェスの趣旨に即した見事な顔合わせだ。
もちろん、純粋にライヴとして楽しみすぎるのは言うまでもなく、災害を乗り越えて復興してきた人々の絆を感じたり、地震大国日本に住む者として防災意識を改める良いきっかけにもなるだろう。ラスベガスが長い期間をかけて培ってきた神戸でのフェス文化を、またさらに盛り上げるであろう、今回の"POWER OF KOBE"。ぜひ足を運んで実際に体験してほしい。
EVENT INFORMATION
"POWER OF KOBE"

9月6日(土)、7日(日)神戸 ワールド記念ホール
OPEN 10:30 / START 12:00
6日(土)出演者:Fear, and Loathing in Las Vegas / 10-FEET / UNISON SQUARE GARDEN / SPYAIR / BLUE ENCOUNT / SiM / coldrain / 千葉雄喜
7日(日)出演者:Fear, and Loathing in Las Vegas / マキシマム ザ ホルモン / HEY-SMITH / サンボマスター / 西川貴教 / T.M.Revolution / キュウソネコカミ / フレデリック
[チケット]
1DAYチケット:一般 ¥9,900 / 学生 ¥7,700(税込/自由席)
2DAYチケット:一般 ¥18,000 / 学生 ¥14,000(税込/自由席)
公式サイトはこちら
神戸 ワールド記念ホール
〒650-0046
兵庫県神戸市中央区港島中町6-12−2
公式HPはこちら
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