DISC REVIEW
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©BanG Dream! Project
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Ave Mujicaの第5部作が誕生。冒頭から重厚な音で畳み掛け次々と刹那でメロウな表情を描きだす、攻撃性の強いドラマチックなアップチューンの「Symbol I : △」。「Symbol II : Air」では、激しく跳ねたピアノ・ロックなスタイルを提示。巧みにファルセットも混ぜた歌が、この曲が持つ哀愁を際立たせる。美しいピアノの音色から幕を開けたバラードの「Symbol III : ▽」では、今にも壊れそうな歌声へ寄り添うような演奏が続いていく。変拍子を軸に据えた「Symbol IV : Earth」で見せた、破裂寸前の緊張感を持った壮麗な展開。最後の「Ether」に描きだしたシンフォニック・オペラのような世界観。一曲一曲が濃密、心揺さぶる架空の叙事詩のような作品だ。長澤 智典