INTERVIEW
Roselia
2020.07.14UPDATE
Member:相羽 あいな(湊 友希那/Vo) 工藤 晴香(氷川 紗夜/Gt) 中島 由貴(今井 リサ/Ba) 櫻川 めぐ(宇田川 あこ/Dr) 志崎 樺音(白金 燐子/Key)
Interviewer:宮﨑 大樹
ゴシック調の衣装を身に纏い、テクニカルな演奏と突き抜けた歌唱力で観る者を虜にさせている、メディア・ミックス・プロジェクト"BanG Dream!(バンドリ!)"発のリアル・バンド、Roselia。2020年3月には"第14回声優アワード"で"歌唱賞"を受賞し、その実力は折り紙つきの彼女たちが完成させた2ndアルバム『Wahl』は、ドイツ語で"選択"という意味を持つ。アニメ、ゲームのストーリー上だけでなく、リアル・バンドとしてもRoseliaに入ることを"選択"して今ここにいるという彼女たちに話を訊いた。
-Roseliaは2019年8月に富士急ハイランド・コニファーフォレスト("Roselia 単独ライブ「Flamme」/「Wasser」")、2020年2月に武蔵野の森総合スポーツプラザ("Roselia「Rausch」")と、大規模な単独公演を成功させてきました。2019年以降の活動には手応えがあったんじゃないですか?
相羽:手応えを感じる間もなく、私たちの音楽を全力でステージから届けていたんじゃないかなっていう気がしますね。手応えっていうものに関して言えば、やっていくうちに少しずつ成長しているのは各々が感じているんじゃないかなと思います。この5人になって約1年半経ったのですが、1年半前の自分たちと比べると全然違う気がしますね。
-たしかに1年半前と比べると、様々な変化がありそうです。
相羽:曲の難易度がどんどん上がってきているので、そういった意味ではスキルが上がったっていうのはあるんですけど、それ以上にそれぞれが音を聴けるようになったと思うんですよ。それがライヴ・パフォーマンスに出ているのかなっていうのは、ステージを重ねるにつれて感じてます。ライヴ中にみんなで目が合ったりすることが増えましたし。それは......なんでだと思いますか(笑)?
工藤:"インタビュアー:相羽あいな"(笑)。気持ちに余裕が出てきたっていうのはあるかもね。みんなの音を聴いて、みんなを見ることができる余裕。
相羽:工藤さんはギター・ソロを弾く前にみんなの顔を見ると安心するって聞いたことがあるんですけど、それは前だったら気づかなかったこと......ですか?
櫻川:またインタビュアー(笑)。
工藤:ギター・ソロが1年でめちゃくちゃ難しくなってきて、リハでは成功するものの本番はメンタル的なところでミスをしてしまうのが怖くて......。それで、一度メンバーの顔を見て弾いてみたら成功したんですよ。"あ、これだ"、"安心感だ"っていうのに気づいて。
-中島さん、志崎さんはどうですか?
中島:Roseliaに入りたてのころは、ベースを弾いていると緊張から来る力みがすごく強くて。どうやったら力を抜けるんだろうって思いながらライヴをしていくたびに、無意識に力が抜けてきて、いい感じに余裕を持ってできるようになってきたんですよ。ファンのみなさんからいただく感想メールでも"すごく良かったです"、"パフォーマンスがさらに上がっててすごかったです"って言っていただけて。自分もちゃんと成長できているんだなって感じられるので、ファンのみなさんの声も大切だなって思いましたね。
志崎:日本武道館のライヴ("TOKYO MX presents 「BanG Dream! 7th☆LIVE」DAY1:Roselia 「Hitze」")がRoseliaに加入して初めてのフル・ライヴだったので、すごく試練ではあったんですけど、そういうのを乗り越えたからこそ次のライヴに少し余裕が出てきました。ステージを重ねていくにつれて、ライヴを味わうというか、楽しむことができるようになってきたなって。余裕があるからこそ楽しめて、お客さんもそれに応えてくださっているので、お客さんも私たちも、ライヴを濃く味わうことができるようになってるんじゃないかなと思います。
-そこから人気実力ともにさらに上がっていって、2020年3月には"第14回声優アワード"で"歌唱賞"を受賞しましたよね。歴代の受賞者には水樹奈々さん、宮野真守さんといった、誰もが知っている方々が名を連ねていますが、Roseliaとしてこういった賞の受賞をどう感じていましたか?
相羽:初めて聞いたときはみんな思いました――
櫻川:オーマイガァー!!
相羽:――とは思ってないですけど(笑)、ビックリだったんですよね。声優にとって"声優アワード"がどういうものかっていうのは知っていたので、そういうものを自分たちがいただけるとは誰も思っていなかったです。
櫻川:"声優アワード"って声を使う声優としての賞というイメージがありまして。"歌唱賞"......歌......どうしよう! 私楽器やってる!! って思いました。
一同:(笑)
-Roseliaとしての賞ですし、みなさん歌ってるじゃないですか(笑)!
中島:そうですよ! 大丈夫です、歌ってますよ!
櫻川:そ、そうだね(笑)。私たちもコーラスや合いの手入れてる!
相羽:私たちが選んでいただけた理由は気になります。それくらい選んでいただけたことが衝撃的だったんです。私たちは賞を取るためにやっているわけではもちろんないんですけど、いただけるっていうのは光栄なことですし、ひとつの糧というか、もっと頑張らないといけないなっていうのは思いました。賞を通じて初めて知ったという方もいらっしゃったので、その方が"Roseliaってどんなのだろう?"って曲を聴いたときに"おぉ!"って思ってもらえるようにしたいです。賞に選んでくださった方々が恥ずかしい思いをしないように、しっかりとパフォーマンスしていかないといけないっていうのは感じましたね。
-なぜ選ばれたかというのは、今回リリースされる2ndアルバム『Wahl』を聴けば納得ですけどね。歌唱力がさらに上がっていて驚かされました。
相羽:ありがとうございます。歌も楽器もそれぞれのレベルが上がっているので、曲自体がどんどん強くなっていってるんだろうなっていうふうには思いますね。2ndアルバムということで、1stアルバム(2018年5月リリースの『Anfang』)に比べると曲の幅が広がった1枚になりました。曲だけでも楽しんでいただけるんですけど、アニメやゲームのストーリーと併せて聴いていただけると、グッとくる部分がたくさんあるはずです。新曲を3曲収録しているんですけど、その3曲をフル・コーラスで聴けるのは、このアルバムが初めてなので、聴いたときに感じる衝撃はあると思いますね。1stアルバムで絶対に出せなかった色っていうものを今回のアルバムでは感じられるので、激しい曲が好きな方も、きれいな曲が好きな方も、みなさんに楽しんでいただけるような1枚になったんじゃないかなと。
-タイトル"Wahl"は、ドイツ語で"選択"という意味ですね。なぜこのタイトルが付けられたんですか?
工藤:それは......これなんです(※ジェスチャーを始める)。-ん?
櫻川:これは"洗濯"......"センタク"違いですね。
相羽:すみません、お約束なんです(笑)。Roseliaというバンドは、それぞれがこの道を選んで進んでいるっていう、"選択"がひとつのキーワードになってまして。それはアニメやゲームのRoseliaだけじゃなくて、私たちもRoseliaっていうバンドに入るということを"選択"して今ここにいるので、そういう想いが詰まったアルバムなんですよね。だからこそ"Wahl"というタイトルは間違いなくこのアルバムに相応しいと思います。それぞれがここにいることを選んでいなかったら、このRoseliaは存在していないので、"選択"することがどれだけ大切かを、ストーリーや曲を通じて表現しているのかなって。
-それぞれの曲が各キャラクターの"選択"した結果になっているというか。
相羽:そうですね。今回収録されている曲は、キャラクターそれぞれに思い入れがあるんです。例えば「Avant-garde HISTORY」はアニメの中で紗夜が初めて作った楽曲ですし、「約束」はリサが作詞して友希那が作曲をした曲で、「"UNIONS" Road」はあこと燐子をイメージして友希那が作ったような感じで。キャラクターそれぞれが"選択"したゆえの曲になってます。