INTERVIEW
RAISE A SUILEN
2021.09.28UPDATE
2021年09月号掲載
Member:Raychell(レイヤ/Ba/Vo) 小原 莉子(ロック/Gt) 夏芽(マスキング/Dr) 倉知 玲鳳(パレオ/Key) 紡木 吏佐(チュチュ/DJ)
Interviewer:宮﨑 大樹
"バンドリ!"第3のリアル・バンド RAISE A SUILEN。今や"バンドリ!"の枠を飛び出して国内大型フェスへの出演も果たすなど躍進を続ける彼女たちが、8thシングル『Domination to world』を完成させた。"世界支配"の意を持つタイトルが大言壮語に感じない、そんな本作に迫ると共に、昨年末から夏にかけてのライヴ活動や、そのパフォーマンスを作り上げるうえで影響を受けたアーティストについてなど、たっぷりと話を訊いた。
ライヴ・パフォーマンスに影響を受けたアーティストは、Fear, and Loathing in Las Vegas
-約1年ぶりのインタビューですが、ここまでコロナ禍が長引くとはという気持ちですね。RAS(RAISE A SUILEN)としては予定していたライヴの延期もあれば、無事に開催できた公演もありましたけど、この夏までの活動を振り返ってみるといかがでしたか?
Raychell:まず昨年末にRoseliaさんとの"ラウクレ"のインタールード("Roselia×RAISE A SUILEN合同オンラインライブ「Rausch und/and Craziness -interlude-」")をやらせていただいて。そのときは配信だけだったんですけど、やっぱりお客さんがいてライヴするのと、配信だけでパフォーマンスするのは見せ方が実際違うなと思いました。自分たちのモチベーションとしても、バンドリーマー(※バンドリ!ファンの呼称)がいてくれてライヴをするときのほうが断然楽しいと感じましたね。それから2月に横浜アリーナ("Roselia×RAISE A SUILEN合同ライブ「Rausch und/and Craziness Ⅱ」")でやらせていただいて。
小原:横浜アリーナ、すごく気持ち良かったですね! お客さんが入ってのライヴは半年ぶりですか。そのあいだはインタールードでお客さんがいない状態でのライヴを経験していたので、なおさら2月の横浜アリーナのライヴでは、お客さんがいることのありがたみを感じました。お客さんが盛り上がる場所でもあるけど、自分たちはお客さんがいるおかげでモチベーションが上がって、さらにいいパフォーマンスができるんだなというのも実感しましたね。
Raychell:で、それからフェスですね。まずは"JAPAN ONLINE FESTIVAL 2021 Spring"の配信か。熱かったよね、あのフェスの配信は。曲数はそこまで多くはなかったんですけど、めっちゃ気合を入れて。
夏芽:汗だくだったよね(笑)。
Raychell:リハの段階から本番みたいで。だからライヴを2回やらせてもらった感じ。
夏芽:やっぱりフェスはさ、いろんなバンドの人が出ているから余計に血が騒ぐ! 勝ち負けじゃないですけど、"負けてられない! うちらはこれだ~!"というものを全力でやりたくて、リハから汗だくになっていました。そのあとの"JAPAN JAM 2021"は、前のほうに来て楽しんでくれる人もいたし、後ろのほうの人もノってくれていて。フェスに初めて出たばかりのころは、後ろの人をどうやってノせるかをすごく頑張っていたんですけど、自然とノってくれているのが見えて、めっちゃ嬉しかった。
紡木:その日のチェル(Raychell)さんの名MCが大好きで。"お前ら首まだついてんな!?"って(笑)。
Raychell:言ったね。やっぱり嬉しくて言っちゃいますよ、"首置いてけ"って(笑)。そのときはコロナ禍だったから、お客さんは2mくらいの間隔で仕切られた中で動いていたんですけど、本当だったらその場で"回れ!"とか言ってサークルを起こしたりしたかったですね。その限られた中でも、フェスならでは、"バンドリ!"だけのライヴとはまた違ったフェス向きのパフォーマンスでそれぞれやっていました。"バンドリ!"代表として"「バンドリ!」ってこういうもんじゃ!"って出ていたから気合を入れていましたね。いろんな有名な方たちの中でやらせてもらえていたので、挑んでいきました。で、そこからのツアー("RAISE A SUILEN ZEPP TOUR 2021「BE LIGHT」")でですよ。
倉知:RASとしても私自身としても初めてのツアーで、3ヶ所も回らせていただいて。同じRASのファンの方でも場所によってノリが違うというのは噂で聞いていたんですけど、実際に体感してみて"なるほど! こういうことか!"と思いつつ、どこの場所でもすごく温かく迎え入れてくださいました。全通してくださった方もいたんです。そこまでRASのことを思ってくださって、情熱を持って応援してくださっている方、ついて来てくださっている方がいるんだなということにほっこりして。改めて頑張ろうと思いました。
Raychell:そんな振り返りですね!
-たくさんいいライヴができたんですね。今日はリハーサル終わりでのインタビューですけど、ここ最近のRAISE A SUILENでのライヴで意識していることや、テーマはありますか?
Raychell:つい最近ポピパ(Poppin'Party)さんとRoseliaさんが"BanG Dream! 9th☆LIVE「The Beginning」"という合同ライヴをされていて。で、私と夏芽でライヴ・ビューイングを観に行ったんですけど、すごく良かったんです。ポピパさんは"バンドリ!"を初期から支えた方たちで、その次に誕生したのがRoseliaさん。この2バンドがいたからこそ私たちが生まれたので、感動もあったし、感謝の気持ちがすごくあったんですね。Roseliaさんは、Roseliaさんの世界観を前面に出したカッコ良さ、美しさ、表現の仕方が個々のキャラクターと共に生きていて。対してポピパさんは、キャラと一緒にいるんですけど、さらにそれを超えた余裕感で"やっぱり「バンドリ!」ってポピパだよね!"と思えました。あと、両バンドには楽しさもあって、コラボ曲のときには"「バンドリ!」って楽しいよね! いいよね!"というものがすごく出ていたんですよ。
-はい。
Raychell:じゃあ、次は私たちがモニカ(Morfonica)さんとやらせてもらうときに、どういうパフォーマンスを見せるべきだろうかと考えて。私たちのバンドって、ヘドバンだったりツーステだったり、みんなライヴで暴れるんですよ。キャストもそうですし、来てくれるバンドリーマーもそうですし、みんな暴れてくれるから、そういう非現実的な空間というか、暴れたり騒いだりしたくて来てくれていると思うんですね。だから、ポピパさん、Roseliaさん、モニカさんとはまた違う、私たちにしか見せられないカッコ良さ、パワー感、突き抜けた全力さで暴れていく感じを意識して、今日もリハーサルをしていました。吏佐もD4DJとして"The Beginning"を2日間観ていたから、その気持ちがね?
紡木:そうなんです。オープニング・アクトとしてDJをさせていただいたときに、ライヴを拝見して。直接勉強になることもたくさんあるなかで、自分がDJとしてRASの曲を流したときに、楽しく暴れている方がすごく多かったんですよ。曲と一緒に暴れるとか、音楽に身を任せることをRASに求めている方がすごく多いのかなと感じたので、みなさんと一緒にブチ上げな感じでやっていきたい所存でございます。
-ところで、RASのライヴを作り上げるにあたって、ライヴ・パフォーマンスに影響を受けたアーティストっているんですか?
Raychell:いっぱいいるんですけど、(※手元にある激ロック8月号を手にして)それこそベガス(Fear, and Loathing in Las Vegas)さんがそうですし――玲鳳ちゃん、大好きだもんね?
倉知:はい! Minamiさんのキーボーディストとしての姿を見ると"もうなんか次元が違う!"って。感情が音にも身体にも伝わる、身体全部を使ってお客さんに届けている感じは、初めて拝見したときにすごく衝撃的でした。いつ観てもそのパッションが溢れていて、音でも視覚的にも伝わるのがすごいなと思っています。言葉にするとすごく難しいけど、Minamiさんのように感情を音楽に乗せていける人になりたいですね。
Raychell:あと、バンド立ち上げのときに玲鳳ちゃんとか莉子ちゃんとかと"動きをどうしたらいいですか?"ってスタッフさんに聞いたんですよ。そのときに、最初にベガスさんの名前を出していただいて、その場でYouTubeを観たよね?
倉知:観ました観ました! 懐かしい!
Raychell:で、"ヘドバンってこういうのなんだ!"、"ツーステってこういうのか!"、"どうやって動くの!?"みたいに、映像を観て研究して。
倉知:"すごー!"ってなりましたね。懐かしいなぁ~。
Raychell:そういった意味では勉強させてもらいました。個人的には他のバンドさんとかも観させていただいて、Suzi Quatroとか大好きなので、ベース・ヴォーカルでどうやっているかを研究しましたね。莉子ちゃんは? どんな人を参考にしているの?
小原:RASに入ってから初めて扇風機みたいに頭を回すパフォーマンスをやったんですけど、"どうやればいいんだ?"って、歌舞伎を観ました(笑)。
倉知:(笑)伝統芸能ですね!
-(笑)RASのファンって、ベガスのことも好きな人が多そうですよね。
Raychell:SNSとかを見ていて、フェスで"RASとベガス、一緒にならないかな"みたいなツイートは目にするんですけど、なかなかご一緒する機会がないんですよ。日程がずれていたりとか、ステージが違ってたりとか。
紡木:観たい!
Raychell:いつか一緒に......会ったらどうする? まずなんて言う?"参考にさせていただいています"って、土下座からやる?
倉知:えー! ずっとテンション高いと思います。声にならない声を出し続けている気がしますね。"周波数どうした!?"みたいな声で"ワァァ!"って(笑)。
-(笑)ちなみに実際に会う機会があったら"こんなことを聞いてみたい"とかはありますか?
倉知:聞きたいこともたくさんもありますけど、間近で演奏を観てみたいですね。
Raychell:あぁ! 観てみたい! どこで息継ぎしているのかわからないですもん。