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LIVE REPORT

RAISE A SUILEN × Morfonica

2022.06.18 @富士急ハイランド・コニファーフォレスト

Writer 宮﨑 大樹 Photo by ハタサトシ、福岡諒祠(GEKKO)、池上夢貢(GEKKO) ©BDP ©CraftEgg ©BUSHI

"BanG Dream!(バンドリ!)"発の2バンド、RAS(RAISE A SUILEN)とモニカ(Morfonica)によるツーマン・ライヴとして昨年2021年に開催された"Mythology"。そのタイトルは"神話"を意味するが、彼女たちが紡ぎだした神話には続編があったようだ。今年2022年6月18日、昨年よりもバンドとしての強靭さを増した両雄が、富士急ハイランド・コニファーフォレストで"Mythology Chapter 2"を開催した。

MorfonicaのAyasa(八潮瑠唯/Vn)がステージに上がると、ヴァイオリンの独奏を始める。「ブルームブルーム」のフレーズを入れた気品の漂う旋律に思わず息を呑んだが、続いて直田姫奈(桐ヶ谷透子/Gt)、西尾夕香(広町七深/Ba)、mika(二葉つくし/Dr)が合流し、バンドのアンサンブルが生み出されると、一気に芳醇な空間が生み出された。最後に進藤あまね(倉田ましろ/Vo)が登場し、"ごきげんよう、Morfonicaです"とお馴染みの挨拶をバンドリーマー("バンドリ!"ファン)に投げ掛けてから、改めての「ブルームブルーム」でライヴがスタート。身体を揺らし、時折アイ・コンタクトを挟みながら爽やかに音楽を届けていくMorfonicaの5人は、ライヴを重ねるたびに心に余裕も生まれ、バンドのグルーヴ感も上がっているように感じられた。

"去年に引き続き2回目の「Mythology」です! 今年もRASさんとのツーマン・ライヴってことで、盛り上がるセトリを考えてきたよ。オープニングの生演奏、どうだった?"と、直田姫奈が嬉しそうに話し掛ける。新たな試みに対する賞賛の拍手に包まれてから、進藤あまねの曲振りで「Secret Dawn」へ。この日のコニファーフォレストは生憎の雨模様だったが、Morfonicaの音楽は雨雲を吹き飛ばしそうなくらいに、太陽のような温かい光を放っている。ライヴで初披露された「One step at a time」ではメンバーが手拍子を煽り、一体感を持って聴き手の背中を優しく押していく。Morfonicaの音楽には優しさと温かさが核にある。そう思えた1曲だった。しかし、今日の対バン相手は"最強"を謳うRAISE A SUILENだ。そんな共演相手を意識してか、今日のMorfonicaは、緩急をつけて感情を迸らせる「unravel」や、パワフルで疾走感のある「Nevereverland」で、"カッコいいMorfonica"もキッチリと見せていく。最後は進藤あまねが、"私たちはこれからも輝く景色に向かって羽ばたいていけるように頑張っていきます。みなさん、私たちについてきてくれますか?"とバンドリーマーに声を掛け、直田姫奈のギターとAyasaのヴァイオリンが真正面からぶつかる「flame of hope」で締めくくった。

Morfonicaからバトンを受け取ったRAISE A SUILENは、「mind of Prominence」で口火を切る。メロディアス且つハイトーンな楽曲を巧みに歌い上げるRaychell(レイヤ/Ba/Vo)と、流暢で小気味いいラップで魅せる紡木吏佐(チュチュ/DJ)、ふたりの掛け合うような歌唱であっという間にコニファーフォレストはRASのカラーに染まった印象だ。小原莉子(ロック)はキレのあるギター・ソロを聴かせ、倉知玲鳳(パレオ)はキーボードで楽曲に彩りを添えると、夏芽(マスキング)は音圧の強いドラムを鳴らす。RAISE A SUILENが"最強"であることの自負、自信が表情だけでなく音にも表れているように感じさせ、バンド全体から滲みだすロック・バンドとしての風格に圧倒された。「A DECLARATION OF ×××」、「UNSTOPPABLE」と繋げて、ラスベガス(Fear, and Loathing in Las Vegas)による提供楽曲「Repaint」へ。どこまでも突き進んでいきそうな推進力で駆け抜けていき、曲中にはラスベガスへの愛を込めたオマージュでパラパラも取り入れる。続いて、紡木吏佐がダンスをレクチャーしてから「灼熱 Bonfire!」を披露。熱の込められたパフォーマンスと、何千ものバンドリーマーのダンス、会場の熱量がグっと高まっていく様はまさに灼熱だった。

倉知玲鳳が流麗なピアノを奏でてからバンド一体となって走り出した「Beautiful Birthday」、内なるエネルギーを放出させるような爆発力を見せた「CORUSCATE -DNA- 」を経て、紡木吏佐がDJタイムでRAS楽曲のリミックスをプレイ。会場の熱量を維持したまま5人はラスト・スパートを掛けていく。バンドリーマーの心の声と共にシンガロングした「DRIVE US CRAZY」から「EXPOSE 'Burn out!!!'」と畳み掛けたRASが最後にパフォーマンスしたのは「OUTSIDER RODEO」だ。そのスピード感と激しさで、気を抜いたら振り落とされそうになる感覚がタイトル通りに"ロデオ"を想起させる楽曲だが、その一方で、この場にいるバンドリーマーを誰ひとり置いてけぼりにしない心意気も感じさせる。技術においても心意気においても、高い水準で見せる圧巻のステージだった。

アンコールで行われたのは、"バンドリ!"のツーマンでは恒例となったコラボレーションだ。RAISE A SUILEN×Morfonicaで「Daylight -デイライト- 」と「!NVADE SHOW!」を特別編成でパフォーマンス。「Daylight -デイライト- 」ではキーボードとDJで楽曲に新たなエッセンスが加わることにより特別な華やかさを見せ、「!NVADE SHOW!」はヴァイオリンの旋律でよりリッチな音像に生まれ変わっている。いずれの楽曲も総勢10名でのプレイということで鳴らす音が絢爛なものとなり、その光景は"神話"の1ページのような壮大なものだった。かくして"Chapter 2"は盛大にフィナーレを迎えた。もし来年に"Chapter 3"が実現するとしたら、次はどんなエピソード、神話が生まれるのか。今から楽しみだ。


[Setlist]
■Morfonica
1. ブルームブルーム
2. ハーモニー・デイ
3. Secret Dawn
4. 金色へのプレリュード
5. One step at a time
6. unravel
7. V.I.P
8. Nevereverland
9. fly with the night
10. flame of hope

■RAISE A SUILEN
1. mind of Prominence
2. A DECLARATION OF ×××
3. UNSTOPPABLE
4. Repaint
5. 灼熱 Bonfire!
6. Beautiful Birthday
7. CORUSCATE -DNA-
8. DRIVE US CRAZY
9. EXPOSE 'Burn out!!!'
10. OUTSIDER RODEO

■RAISE A SUILEN×Morfonica
En1. Daylight -デイライト-
En2. !NVADE SHOW!

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