INTERVIEW
RAISE A SUILEN
2022.02.14UPDATE
2022年02月号掲載
Member:Raychell(レイヤ/Ba/Vo) 夏芽(マスキング/Dr)
Interviewer:宮﨑 大樹
"最強"を謳う、"バンドリ!"第3のリアル・バンド RAISE A SUILEN。彼女たちは、ライヴ・パフォーマンスに影響を受けたと語るラスベガス(Fear, and Loathing in Las Vegas)をゲストに迎える形で、主催ライヴ"Repaint"を開催したばかりだ。このたび、同ライヴのタイトルでもあり、ステージで初披露をしたラスベガスの提供楽曲をカップリングに据えた9thシングルが完成。本作について、Raychellと夏芽のふたりに話を訊いた。
自分ひとりだけでは見ることができなかった世界を、"バンドリ!"、RAISE A SUILENが見せてくれる
-激ロック2021年11月号でRAS(RAISE A SUILEN)とラスベガスとの企画を行いましたが、そのあとに対バンも決まり、さらに9thシングル『CORUSCATE -DNA-』のカップリングが、ラスベガスによる楽曲提供の「Repaint」ということで、ものすごいことになりました。
Raychell:カップリングでいいんですかね、これ(笑)。
-(笑)今回は、この豪華すぎる9thシングルについてお話を聞いてきたいのですが、表題曲「CORUSCATE -DNA-」は、RASのバンドストーリー2章に合わせて書き下ろされた楽曲ということで。
夏芽:初めて聴いたときは強めの曲だなと思ったんですけど、ストーリーで言うと、チュチュ(DJ)が自分の過去のできごともあって曲が書けなくなり、メンバーで協力して作っていくというエピソードがあって。また新しい一歩を踏み出した曲になっていると思います。
Raychell:最新、最強のRASの形態みたいなイメージがあって。RAISE A SUILENがゲームのストーリー中で"アドバンスドロックフェス"に出演することになるんですけど、チュチュが曲を書いて、レイヤとマスキングはその曲を練習していくなかで違和感を持つんですよ。パレオ(Key)とロック(Gt)は"カッコいいですね、RAISE A SUILENっぽくて"みたいに言うんですけど、レイヤとマスキングは"これはRASの曲じゃないよね"って、どこか腑に落ちない部分を感じるんです。それで、今まであんまり意見を言わなかったレイヤが"これはRASの曲じゃない"と言ったことから、チュチュが曲を書けなくなって、部屋にこもってしまって。"じゃあ私たちが曲を作ろう"とメンバー4人でスタジオに入って、チュチュが基盤を作った楽曲に、メンバーがそれぞれ色付けしていったサウンドなんです。
-はい。
Raychell:私たちには今までチュチュが作ってくれたサウンド、RASのサウンドが自然と身についている、私たちにはRASのDNAがあるから自分たちで作ればいいじゃん、というお話で。チュチュがその曲を聴いて"素晴らしい曲ができたわ、これこそRASだわ"と褒めてくれて、そこからまた彼女がブラッシュアップして作り上げた曲です。1章からRASの絆だったり、メンバーの絆だったりがより深まって、RAISE A SUILENとして強くなれたストーリーだと思います。歌詞は珍しくレイヤが書いていて、チュチュの背景もありつつも、"私たちRAISE A SUILENはこういうものなんだ"という強さもしっかり見えるものになっていますね。
-1stシングル「R·I·O·T」(2018年リリース)で"世界へと憑依する"と歌い、前作「Domination to world」(2021年9月リリースの8thシングル表題曲)では"世界支配"、そしてこの曲では"Change the world"="世界を変える"と歌っていますね。
Raychell:"Change the world"という言葉は、これまでのRAISE A SUILENでも使っていて。「EXPOSE 'Burn out!!!'」(2020年8月リリースの1stアルバム『ERA』収録曲)で"You can change your world!"って出てくるんですよ。そういう意味では、"私たちが世界を変えるんだ"という気持ちは強くあるんだと思います。今回のイベントで"あなたの世界を変えるのは、チュチュ、あなただよ。Change the world"って、手を差し伸べたときに言った言葉なので、RAISE A SUILENにとって大事な言葉なのかなって。キャラクターたちも、チュチュに声を掛けてもらったことで生きてきた世界が変わったので、RAISE A SUILENのおかげで世界が変わってきたという部分もあります。
夏芽:"Change the world"という言葉は、バンドとしても個々としても活動していくうえでのキーワードなんだと思うんです。RASと言ったら"世界"なんでしょうね。日本を出るという意味の世界でもあるし、自分の殻をやぶるという意味での世界でもある。
-キャラクターとしてのメンバーがチュチュに出会って世界が変わったように、みなさん自身もRASになることで世界が変わったところもあるように思えて。
Raychell:もちろんそうですね。"バンドリ!"に出会って、RAISE A SUILENになれて、今まで生きてきた世界と全然違います。私はずっとソロでやってきましたけど、自分ひとりだけでは見ることができなかった世界を、"バンドリ!"、RAISE A SUILENが見せてくれるので、私にとっての大事な居場所だと思っていますね、レイヤと同じ気持ちです。
夏芽:私も本当に世界が変わりました。バンドとかドラムを始めた当初からの夢が、RASや"バンドリ!"のコンテンツに関わらせてもらうことで実現していきましたね。あとは、ペンライトの光の海がやっぱり特別で、客席で何百人のうちのひとりとして観ていたものと、ステージからその風景を見ることができるのは全然違って、すごく感動しましたし、ステージに上がるたびにハッとします。
-激ロックで初めて取材をしたとき(※2019年2月号掲載)もRaychellさんと夏芽さんのふたりだったんですけど、あのときはまだ声優を初めてやってみたくらいのときだったんですよね。実際にふたりを取り巻く世界が変わっていく様を見てきたような気がします。
Raychell:武道館にも立たせてもらえましたからね。やっぱり"バンドリ!"、ポピパ(Poppin'Party)さんがあっての私たちだと思うので、本当に感謝です。
-「CORUSCATE -DNA-」はミュージック・ビデオが公開されていますけど、映像のスピード感がすごいですよね。
Raychell:今回のMVはアニメーション・チームの"サンジゲン"さんが作ってくださったんですけど、今までのRAISE A SUILENにないカッコ良さを描いてくださって、カッコ良さが爆誕しすぎています。
-今までにないカッコ良さですか。
Raychell:例えばロックとマスキングで目を合わせてニヤリとしていたり、チュチュとパレオでお互いにニヤっとしていたり。そういうのって今まで観たことがなかったんです。その映像を観たときに、キャラクターたちの新たな一面が見えて嬉しかったですね。
-そこはリアル・ライヴでも目が合っているか注目ですね。
Raychell:そうですね(笑)。そこのシーンでカメラマンさんに抜いてもらいたいです(笑)。今までにないRAISE A SUILENの楽曲なので、ライヴの中でもキーマンになってくるような楽曲だと思います。
-ライヴの初披露はいつを予定しているんですか?
Raychell:2月7日("RAISE A SUILEN SPECIAL LIVE「Repaint」")にやらせていただきます(※取材は1月下旬)。配信もあるので、ぜひとも観ていただきたいですね。
-今はライヴに向けてリハを重ねているところだと思いますけど、手応えはどうですか?
Raychell:歌で言うと、今までにないハイトーン・ヴォイスをこの曲では使わせてもらっていて。今までのRAISE A SUILENの歌い方とは、またちょっと違った歌い方をさせてもらいました。大変な曲ではあるんですけど、歌い甲斐のある曲ですね。全体のサウンドとしてはどういうふうになるのかなと思ったんですけど、バンドになったら思った以上にカッコ良かったです。生でみんなが弾いてくれたら迫力が違うなと思って。なので、ぜひそこは聴き比べていただきたいです。あとは、コール&レスポンスがね?
夏芽:そうだね。コール&レスポンスが多いから早く声出しできるようになってもらいたい。みんなの"ウォーウォー"を聞きたいよね。ドラムで言えば勢いのあるリズムになっていて、ライヴでやったら盛り上がるだろうなと感じながら練習しています。