INTERVIEW
RAISE A SUILEN
2022.02.14UPDATE
2022年02月号掲載
Member:Raychell(レイヤ/Ba/Vo) 夏芽(マスキング/Dr)
Interviewer:宮﨑 大樹
-続いてカップリングの「Repaint」について、ラスベガスからの楽曲提供の話を聞いたときは、率直にどう感じましたか?
Raychell:それはもうテンション上がってたよね?
夏芽:"えぇ!?"って叫びのような声ですよ(笑)。
Raychell:特にキーボードの倉知玲鳳ちゃんは喜んでいて。
夏芽:泣きそうになってたもんね。私も本当ビックリしました。そんなことあるんだって。
Raychell:いただいた曲にもビックリしたよね(笑)。すごい構成で、"ん?"って、3回くらい聴き直しました。
-聴いていて、"他の曲に変わった?"というくらい曲調が変わっていきますよね。
Raychell:そうなんです。"いつの間にか次の曲に行った?"みたいな感じですよね。ひと筋縄ではいかない、ベガス(Fear, and Loathing in Las Vegas)さんらしさを入れていただけたんだなと思いました。すごく楽しかったですね、歌っていて。
夏芽:私は楽曲提供が嬉しかったのと同時に、ドラムが難しいのかなぁと思っていました(笑)。
-ドラムは手数が多くて速いですよね。
夏芽:ヤバいです。手を増やしたい。千手観音じゃないと(笑)。あとは脚。ツイン・ペダルとかツーバスって、ベタ踏みでドドドドド――というのもありますけど、ラスベガスさんにはドコドッドコドッ――って、両足で変化球なリズムを使う感じが多くて。そういうのが入っています。あとは手足のコンビネーション。ラップの後ろで、手足のコンビネーションでフィルをやっているような8小節があるんですけど、そこはすごいですよ。この曲はBPMが205なんですよ、ヤッバい(笑)!
-BPM205はRASの中でもトップレベルですよね。
夏芽:今までは「DRIVE US CRAZY」(2020年1月リリースの4thシングル表題曲)がBPM210で断トツでした。その次くらいになります。
Raychell:RASにとってこういうDjentっぽい楽曲って今までになかったので、めちゃめちゃ難しいよね?
夏芽:難しい。BPM200超えの曲って、そうそうやらないからね(笑)。
-ベース・ヴォーカルという視点では、どういう曲ですか?
Raychell:すごいです。リズムが大変で、歌と合わせるのがすごく大変だったんですけど、みんなの演奏に助けていただいています。ベガスさんの「Keep the Heat and Fire Yourself Up」もそうですし、「Just Awake」もそうなんですけど、変わったリズムは今までのRAISE A SUILENにはないものですから、よく音を聴いて、譜面を見ながら練習した曲でもありますね。難しいです。でも、ベガスのみなさんはきっとなんてことなくできてしまうんでしょうけど(笑)。
-レコーディングの様子はどうでしたか?
Raychell:Minami(Vo/Key)さんとベガスのプロデューサー(マネージャー)さんがいてくださって。Minamiさんはお写真やライヴ映像で観ていたんですけど、会ったら華奢でシュッとしていて、この方があんなにパワフルなパフォーマンスするのかと驚いて。しかもあのデス・ヴォイスじゃないですか、ビックリしました。レコーディング自体はすぐスタジオに入って、どんどんやっていきました。テイクの録り方が早いんですよ。「Repaint」は全部英詞で、正直言うと私はそこまで英語が話せるわけでもないので、発音はこれで合ってるかなーって不安だったですけど、1時間かからないくらいですぐ終わっちゃって。ただ、こだわりもすごくありました。言葉のリズム、ハメる音のフレーズはキッチリご指示いただいて。そこは言われたんですけど、"あとは自由に歌ってください"と。
-そうだったんですね。
Raychell:ずっと英詞というのはRAISE A SUILENでは初だったので、楽しかったですね。構成では、今回は倉知玲鳳ちゃんにソロの歌唱部分があったり、夏芽と莉子(小原莉子/Gt)ちゃんが吏佐(紡木吏佐/DJ)の後ろで歌を支えたり、今までのRASにない構成になっています。レコーディングはどうでした?
夏芽:私は、嬉しすぎてひとりで一方的にペラペラしゃべっていました(笑)。
Raychell:え(笑)、何しゃべったの?
夏芽:ライヴを観たことあって――とか。とにかくペラペラしゃべって(笑)。歌のレコーディングは経験があんまりないのに英語で来たから超ビビっていましたね。全部カタカナに起こして頑張りました(笑)。
-夏芽さんもレコーディングはすんなり終わったんですか?
夏芽:私も自分で思っていたより早かったです。でもリズムのところに関しては私も言われましたね。
-今日ここにいないメンバーのみなさん、特に倉知さんは緊張していたんですかね。
Raychell:相当緊張したらしいですよ。そういう意味では一番肝が座っていたのは莉子ちゃんなのかなと思いますね。
-全英詞の歌詞について読み込んでみると、力強さや鼓舞するような言葉は、RASの音楽やメッセージ性を理解しながら書かれたような印象がありました。
Raychell:そうですね。私、ベガスさんのカバーを歌わせていただいたじゃないですか? ベガスさんの曲って本当に難しくて、どうやって歌っているんだろうという曲がすごく多いんですけど、「Repaint」はすんなり歌詞が入ってきたんですよね。そういう意味では、私たちに向けた歌詞を書いてくださったんだなと思いました。歌詞の中にタイトルの"repaint"が出てくるんですよね。私たちひとりひとりの色はみんなバラバラだし、5色でRAISE A SUILENでもあるので、そういう意味ではすごく素敵なタイトルを付けていただいたと思いました。それと、この「Repaint」の仮歌は、ご本人たちが歌っているんですよ。だから私たちは、ベガスさんバージョンの「Repaint」を持っています。
夏芽:これでリリースしてもいいくらいの完成度のデモだったよね。
Raychell:うん。私はSo(Clean Vo)さんの歌いまわしを聴いて、たくさん練習しました。
-形態ごとに収録されるラスベガスのカバーについても聞きたいのですが、みなさんは"バンドリ!"というプロジェクトの性質上、他のアーティストのカバーもたくさんやってきたじゃないですか? 今回ラスベガスのカバーならではの意識したことはありますか?
Raychell:まず、ライヴのパフォーマンスとしてベガスさんが取り入れているMVとかの動きは、吏佐ちゃんだったり玲鳳ちゃんだったりの動ける子たちが、ベガスさんへのリスペクトを込めて取り入れさせていただきました。RAISE A SUILENにとってひと味違った感じにもなりましたし、すごく楽しかったです。お客さんもノリが良くて、ベガスさんとRAISE A SUILENは相性がいいんだなって、ライヴをしながら思いましたね。
-できあがったカバー音源を聴いて感じた"RASらしさ"ってありましたか?
夏芽:それで言ったらやっぱりヴォーカルですかね。Raychellが歌えばRASというか。本家はもちろんカッコいいけど、同じ曲なのに、別物でカッコいいものができていて。それは今までのカバーでも全部思いますね。かわいい感じの曲をやったこともあるんですけど、それもレイヤが歌うとカッコいい。ピコピコな音はラスベガスさんも使っていたりするので、そういうところは共通点として、やっぱり違いと言ったら歌。メイン・ヴォーカルとラップの部分なのかな。
Raychell:カバーについては、Minamiさんがチュチュ用にデモの歌を録り直してくださったんです。すごくマメに、丁寧にやってくださいました。ライヴのカッコいいイメージはもちろんあるんですけど、優しいお兄さんたちなんだなって思いましたね。
-このインタビューが公開されるころには、ラスベガスをゲストに招いてのライヴはもう終わっていますが、配信を控えています。このライヴはどんなものになりそうですか?
Raychell:今回のライヴのセトリ、ヤバいよね? 私たちにとって新しい扉をバっと開けたようなものになっていて、今までのRAISE A SUILENとはひと味違ったライヴに挑戦しています。ベガスさんと同じステージに立てることになったので、ベガスさんの胸を借りて思いっきり飛び込んでいこうということで、だいぶ攻めたセトリです。もうね、前半の1、2曲でもやられてしまう。HPをだいぶ消耗する勢いで頑張っていこうかなと。RASのファンはもちろんなんですけど、きっとライヴ会場で初めて観てくださる方も多いと思いますし、配信で観てくださる方もきっと多いと思うので、ぜひこれを観て、知っていただけたら嬉しいです。
LIVE STREAMING INFORMATION
"RAISE A SUILEN SPECIAL LIVE「Repaint」"
配信期間:2月25日(金)20:00~3月3日(木)23:59
通常チケット ¥4,400
販売期間:~3月3日(木)21:00
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