INTERVIEW
Roselia
2020.07.14UPDATE
Member:相羽 あいな(湊 友希那/Vo) 工藤 晴香(氷川 紗夜/Gt) 中島 由貴(今井 リサ/Ba) 櫻川 めぐ(宇田川 あこ/Dr) 志崎 樺音(白金 燐子/Key)
Interviewer:宮﨑 大樹
「Song I am.」にまつわるストーリーは"選択"にすごく関係しているんです。この曲については聴き方があるんですよ
-『Wahl』に収録されている3つの新曲について聞いていくと、「Avant-garde HISTORY」はイントロのギターがカッコいいミドル・テンポの1曲です。
工藤:アニメで紗夜が作った曲なので、ギターが際立っているのかなと。3拍子も初めてですし、今までのRoseliaにない曲ですね。ライヴの1曲目にやったらカッコ良さそう。
相羽:ただ、合わせるのは大変そう......。"Roseliaの曲で何が好き?"って聞いて「Avant-garde HISTORY」が返ってきたら"マニアックだね"(※指パッチン)ってなりそうな曲だと思ってます。歌詞はアニメがベースになっているんですけど、アニメだけじゃなくて、ストーリー上で今まで何回かRoseliaの関係が危うくなった時期もありつつ、"やっぱりこの5人で頂点を目指そう"みたいな感情を書き起こした曲なのかなと。あとは、歌詞がちょっと乱暴というか、あんまり"穿て!"みたいな言葉は普段使わないんですよ。そういう言葉ってRoseliaには少なかったと思うんです。上品な言葉が多いなかで、ちょっと乱暴な言葉が入っていると、今までとアプローチが違うんだなっていうのを歌っていて感じましたね。
櫻川:アニメ"BanG Dream! 3rd Season"の中でその模様が描かれているんです。最終話でこの曲が流れたんですけど、アニメを観てくださった方にはストーリーに沿った内容の歌詞に納得していただけると思いますし、ゲームをやっていただいた方が聴いてもより想いが深まるような曲になっていると思います。
-「Break your desire」も新曲ですね。
櫻川:速いです。聴いたときに全員が"オーマイガァー"だったと思うんですよ。Roselia最速の曲が生まれてしまいました。
工藤:聴いたときに"イントロが始まった......え、終わった?"って。
一同:(笑)
-冒頭の相羽さんのハイトーン・ロング・ヴォイスが印象的でした。
相羽:「R」(2018年7月リリースの6thシングル表題曲)に続くシャウトから始まる曲ですね。正直、お客さんとしてライヴでめっちゃ聴きたいです。私たちも曲を聴いてアガってますし。
志崎:あいあい(相羽)さんがシャウトするところでブチアガってます。聴いていると本当にブチアガる曲で。
中島:あいあいのキーが上がるとハモりもコーラスも上がっていくんですよね。上ハモとか大変なときがくる(笑)。
相羽:そういう曲です(笑)。何もかもが高まった曲、挑戦的な曲だなって思います。この曲はゲーム内で、"一緒にライブをしてみたいバンドは?"っていう総選挙をしたときにRoseliaが1位になった記念に作っていただいた曲なんです。"ついてこれるならついてきなさい"って、Roseliaからの挑戦状をあなたに渡す、みたいな感じの曲調であり歌詞ですね。
-3つ目の新曲「Song I am.」は疾走感のあるサウンドで、アルバムの最後を締めくくっています。
相羽:この曲にまつわるストーリーは"選択"っていうものにすごく関係しているんですよ。なので今回のアルバムの最後に相応しいなって思いますね。新曲3曲をフルで聴けるのはこのアルバムしかないんですけど、「Song I am.」については聴き方があるんです。
-聴き方ですか?
中島:まずアルバムを買ってきます! 流します! 「Song I am.」を最後まで聴くと鳥肌が立ちます! 歌詞カードを見ます! "なるほど!"ってなる!
相羽:(笑)歌詞カードを読まないで最初は聴いてほしいんです。
中島:読んだら"ギャー!"ってなっちゃう(笑)。
櫻川:このインタビューを読んだ人はラッキーですよ、この話が聞けたから(笑)。
-こういうコンテンツの曲でイントロが長いっていうのがなかなか興味深かったんですよ。
相羽:イントロもそうですし、間奏とかで、今までのRoseliaで耳馴染みのある曲をあえて入れているとか、そういう細かいところも聴いていくと楽しめるのかなって。今までのRoseliaがあったからこそできたのが「Song I am.」なので、それを感じていただけたらと思いますね。
櫻川:"バンドリ!"の中でRoseliaの成長過程のストーリーが描かれているんですけど、ストーリー的にもRoseliaの集大成のような曲なので、私たちの今の集大成がこのアルバムに詰まっていると思います。ぜひ歌詞カードを見る前にまずは曲を聴いていただきたいです!
-"バンドリ!"というコンテンツの特性上、それぞれ思い入れの深い曲がありそうですが、あえて1曲選ぶとしたらどの曲ですか?
中島:私は「約束」ですかね。演奏面としては特別難しいものがあるわけではないんですけど、リサと友希那の楽曲ということもあって、ふたりで歌う部分も結構多くて。歌いながら弾くっていうのはベースにとっては難しいことではあるので、徹底して練習した楽曲でした。
工藤:私は演奏面で言うと「FIRE BIRD」です。やっぱり難しくて。いきなりこの曲が来たときはビックリしました。ギター・ソロもすごく速いし、リフもずっと刻んでるし、この曲のおかげで成長できたっていうのはありますね。
櫻川:私も「FIRE BIRD」ですね。この曲を練習するにあたって、当時はドラムの難易度も最高でしたし、ツーバスをここまでふんだんに使う曲は初めてだったんです。すごく練習しましたし、初披露した富士急ハイランド・コニファーフォレスト("Roselia 単独ライブ「Flamme」/「Wasser」")の景色は今でも目に焼きついています。ずっと演奏し続けていきたいなって思うような曲です。
志崎:「FIRE BIRD」にします! 富士急ハイランド・コニファーフォレストの初披露ではすごく燃え上がったし、みんなで頂点に行ったような曲だったんですよ。私も弾いていて燃えました。Roseliaの強さが表れた曲だなと思います。
-「FIRE BIRD」はバンドにとって思い入れが強いんですね。
相羽:そうなんですよ、実は私も「FIRE BIRD」が特に思い入れが強くて。Roseliaにとってターニング・ポイントとなった曲なんですよね。今までのRoseliaを超えていきなさい、みたいなものをいただけたのかなという曲で。「FIRE BIRD」をステージで披露したときに、"Roseliaはすごいんだ"ってバンドリーマー(※"バンドリ!"ファンの呼称)の方に伝えられたのかな、お届けできたのかなっていう曲なんです。あと「Song I am.」は、Roseliaのキャラクターにとってのターニング・ポイントになる1曲だと思うので、この曲をもし歌うことがあるとするならば、覚悟してやらないといけないなって思いますね。
-『Wahl』のBlu-ray付生産限定盤には、ここまでたびたび話題に出た、富士急ハイランド・コニファーフォレストにて開催された単独ライヴ"「Flamme」/「Wasser」"が収録されます。振り返ってみてどんなライヴでした?
相羽:私たちにとって初めてのツーデイズのワンマンで、野外も初だったので、課題がすごく多かったんですよね。私自身だったら喉が枯れないかとか、ドラムは体力が持つか、みたいにギター、ベース、キーボードもそれぞれ課題があったと思うんです。私たちが力を合わせないと乗り越えられないことを達成できたので、そういった意味でもグッと上がったライヴだったのかなと。
櫻川:普段のライヴ会場と違って、野外で夕方からだったので、お客さんの顔が後ろまでひとりひとりはっきり見えたんです。チーム力だけでなく、お客さんの応援も力になったので、本当に感謝ですね。笑顔で応援を送ってくれたからこそやり遂げられた2日間でした。
-映像の見どころはどんなところですか?
工藤:空撮! ドローン!
相羽:間違いない。あれは外でしかできないからね。
中島:自然光! めちゃくちゃきれいだった。
櫻川:何メートルも上がった火柱!
志崎:水の演出もですね。
相羽:そして、それぞれのステージング。みんなの表情が本当に美しいです。そこにRoseliaがいました。
櫻川:自分たちがキャラクターそのままに初めて見えたんですよ。もとからキャラクターを演じながら演奏しているんですけど、"友希那さんだぁー!"みたいなのを全員に感じました。キャラとのリンク具合が過去最高を迎えている映像だと思います。
-そういうときはキャラクターが降りてくるみたいな感覚があるんですか?
相羽:ライヴ前からRoseliaスイッチが入っている感じはしますね。本番前は緊張感を取るために、みんなにハグしてもらってるんですけど、そのときには"わぁ~!"って素な感じではいかないで、クールな感じなんです。
工藤:突然接近してきて"してなかったわ"とか言ってハグしてくるんですよ。
櫻川:そういうのは舞台袖で感じるかも。くどはる(工藤)の緊張を内に秘めている横顔は紗夜さんだし、のんちゃん(志崎)だったら、りんりん(白金燐子)の引っ込み思案な感じも出ていて、緊張をほぐすためにエア・ピアノをずっと弾いてます。ゆっきー(中島)の、一見平然そうに見えるのに実は緊張を隠しきれていない感じもリサ姉そのまんまだなって。私は"緊張してきたー!"って叫ぶタイプかな。なので、そのタイミングからキャラが降りているのかもしれないですね。
-そういうシンクロ感みたいなのを見ることができるのはライヴならではですよね。今のところ、今年も富士急ハイランド・コニファーフォレストで"「BanG Dream! 8th☆LIVE」夏の野外3DAYS"を開催予定です。
相羽:当たり前のようにできていたライヴができなくなったっていうこともあって、私たちにとってライヴというものがどれくらい大切かっていうのを感じてます。バンドリーマーのみなさんにも会えなくなって、気持ちが沈んだこともあったんですけど、今はライヴができるっていう喜びを噛みしめていますね。改めて気合を入れ直して、今できることをすべてライヴにぶつけていこうって。その想いを音で届けるので、感じていただけたらなって思います。