MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

SiM

2017.12.06UPDATE

2017年12月号掲載

SiM

Member:MAH(Vo)

Interviewer:増田 勇一

もしかして、2017年はSiMの新しい音源が届くことなく幕を閉じてしまうのか? そんな不安を抱えていた読者も多いはずだが、師走の到来とともに4人から待望のニュー・シングル『A / The Sound Of Breath』が届いた。しかも今回は、超人気ゲーム・ソフト"龍が如く 極2"のテーマ曲とエンディング曲からなる、両A面仕様の超濃厚な1枚だ。久しぶりの誌面登場となるMAHが、この新作について思い入れたっぷりに語ってくれた。

-今回のタイアップ決定に、MAHさんは大喜びだったとの噂を聞いています。

はい(笑)。とにかく僕は大のゲーム好きで、曲作り中の気分転換にもよくやっていて。特にこのシリーズ(ゲーム"龍が如く")は、12年ぐらい前に第1弾が出たときから、ずーっとリアルタイムでやり続けてきたんです。新作がほぼ毎年出てるんですけど、それも全部買っていて。で、今回はせっかくの機会だし、ジャケット写真でも桐生(※"龍が如く 極2"の登場人物)に僕の服を着せてみたいなと思って。ちょっとビビりながら、ダメもとのつもりで監督さんに直談判してみたら"やってみましょう"と言っていただけたんで、なんでもまずは言ってみるもんだなぁ、と(笑)。それって、SiMも"龍が如く"も両方とも好きっていう人には嬉しいことだろうと思うんですよ。実際、このタイアップについて発表されたときも、そういう人たちがすごく喜んでくれたんで、今回はもう、そういう人たちのためのジャケにしようと思って(笑)。

-よく事情をわかっていない人は"もしかしてSiMが漫画になるの?"とか誤解するかも。

あはは! わかんない人は、今回はもう置いていきます(笑)。でも逆に、このCDが入口になって"龍が如く"に深入りするようになるファンとかがいてくれたら嬉しいし、やった意味があるなぁって思えるんですけどね。

-今回のタイアップについては、MAHさんの熱烈なラヴ・コールが先方に届いて実現したもの、ということになるんですか?

いや、偶然ですね。ある日うちのマネージャーが"MAHってたしか、"龍が如く"好きだったよね?"って聞いてきたんで、"あぁ、全部やってるよ"って答えたら、ゲーム会社との間を取り持ってくれてる人がいるんですけど、その人がめちゃくちゃ喜んでくれて。そのまま監督さんにも僕のことを伝えてもらえて、監督さんも大喜びだったそうなんです。先方からは"ホントにラクで有難かった!"って言われました。何しろ、改めてこっちに作品のストーリーとか世界観とかを説明する手間が掛からなかったから(笑)。

-それは好都合ですよね、先方にとっても。曲調とかについて注文はあったんですか? タイアップって、かなり具体的なリクエストがある場合も多いみたいですけど。

言われたのは"エンディング曲にはバラードを入れてほしい"ということぐらいですね。あと、メイン・テーマの方については"SiMっぽい激しい曲で"と言われてたかな。で、実は今回の"龍が如く 極2"っていうのは、以前出てる"龍が如く2"のリメイク作品でもあるんですよ。そっちのもとの作品では、クレイジーケンバンドさんが全部タイアップをやっていて。それもしっかり通過してきた僕としては、"あのシーンでこの曲がかかる"というのを説明されるまでもなくあらかじめ把握できてたわけなんです。だから、"あそこで使う曲です"って言われたときに"あのシーンか!"ってすぐに理解できて(笑)。だか要するに、それを作り替えるというか、塗り替えるというか、そういう作業でもあった。音楽的なところでの注文がなかったとはいえ、そういった部分ではちょっと悩んだりしましたね。

-そうしたタイアップありきの作品だとはいえ、2曲という枠の中でのコントラストとか、そういうところはやっぱり意識したはずですよね?

もちろん。普通はタイアップって1曲だけのものじゃないですか。今までもアニメとかやらせてもらってきましたけど、そういうときに僕らとしては、普段SiMを聴かないような人が聴くものでもあるから、いつもの自分たちのイメージとはちょっと違う曲を出したいとか、そういう狙いも持ったりするわけなんですね。だけどそこで、ありがたくも"SiMっぽい曲で"って先方から言っていただけることが多いんで、なかなかそういうことが現実にはしにくくて。だからこそこうやって最初から2曲やれる前提があるときは、しっかり両面性を出したいな、と思うわけです。しかもこのゲームの監督さんが、すごく音楽に詳しい方で。SiMにオファーしてくださったのも"(SiMは)レゲエとかをやっていて音楽的に多面性がある、いろんな曲を書けるバンドだから"っていう理由からだったらしいんです。そのこと自体がすごく嬉しくて。だからもう、ホントに好き勝手やりたいようにやっていいんだなって......それで実際、好き勝手やっちゃいました(笑)。

-MAHさんとしては"龍が如く"の世界観をわかっているし、監督さん側はSiMの理解者だったりもする。本当に素晴らしい合体になりましたね。

うん。だからとても話は早かったですね。曲もね、僕は"龍が如く"のファンなんで、話を貰った瞬間にバーッと浮かんできました。すぐさま2、3曲書き始めて。「The Sound Of Breath」の方は、一発オッケーでした。ただ、最初にメイン・テーマ用に作った曲の方については、実はお蔵入りになってしまったんです。"これでどうでしょうか?"って先方に聴いてもらった完成品があったんですけど、僕の"龍が如く愛"が入りすぎちゃって(笑)、トゥー・マッチな感じになってしまって。それで"もうちょっとシンプルにしてほしいです"って言われちゃったんです。そこだけでしたね、問題は。