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LIVE REPORT

coldrain

2022.10.16 @横浜アリーナ

Writer 荒金 良介 Photo by ヤマダ マサヒロ、Takeshi Yao

"横アリー! 横アリー! 2年待ちましたよ!"とMasato(Vo)はライヴ序盤に歓喜の雄叫びを上げていた。それはここに集まった観客も同じ気持ちだろう。

coldrainが結成15周年を祝したワンマン・ライヴ[15th ANNIVERSARY "15 × (5+U)" LIVE AT YOKOHAMA ARENA]を横浜アリーナで開催。18時ジャストに5分前のカウントダウンが表示されたあと、ショーは「Help Me Help You」でスタートした。クラップと合唱コーラスを用い、観客と一体化を図る曲調で活気づけていく。とはいえ、未だ声出しが難しい状況下だが、曲に込めたバンドの思いは十二分に伝わってきた。ド頭から凄まじい熱気が渦巻き、すかさず「CALLING」へ。ステージ上には炎が噴き上がり、ヘヴィなリフと共にフロアはジャンプしている。次の「2020」もアリーナで特段の映えっぷりで、3曲目にしてクライマックスの如き盛り上がりを記録する。

「The Revelation」、「ENVY」と続くとMasato、Y.K.C(Gt)、Sugi(Gt/Cho)、RxYxO(Ba/Cho)のフロント4人は激しく動き回り、ライヴハウスと変わらぬ熱量で攻めてくる。「Cut Me」においてもフィジカルを揺さぶる演奏に圧倒されるばかりだった。"めちゃくちゃ楽しいです。楽しんだやつが一番かっこいい。横浜アリーナをライヴハウスにする!"とMasatoは宣言。すると「Vena」を皮切りに戦闘力のギアを上げ、極悪ヘヴィと爽快ポップを並列させた「Rabbit Hole」ではヘドバン地獄に誘う剛腕ぶりを発揮した。「Counterfeits & lies」をやり終えると、"この曲を横アリでやる日が来るなんて、今日のライヴは感謝の気持ちでいっぱい"と告げる。すると、中盤に珠玉のバラード「Boys And Girls」、ドラマチックな展開美で聴かせる「THE SIDE EFFECTS」で、見事な祝祭空間を作り上げていった。

"15年、一度も日本語を歌わずにやりたいことをやらせてもらった。特別なセットリストで振れ幅を見せたい"と思わせぶりなMCを挟んだあとに「No Escape」、「EVOLVE」など怒濤のラウド・チューンを連発する流れにも笑いが止まらない。NO DOUBTのカバー「Don't Speak」でいったんクール・ダウンさせると、2ndアルバム『The Enemy Inside』収録の4曲を5分で駆け抜けるメドレーで、観客の体力を奪い去る。さらに「The Maze」ではSiMのMAH(Vo)を招き、個性際立つツイン・ヴォーカルの掛け合いに会場も沸き上がった。そしてすでに名曲の誉れ高き「PARADISE (Kill The Silence)」、「From Today」で本編を締めくくり、この時点で26曲をプレイ。

アンコール1発目「SEE YOU」が始まるや、観客はスマホのライトを左右に振ってノっている。その景色を眺めながら、本当にファンに愛されているバンドだなと痛感した。そのあとに天井から花火が舞い落ちる演出の中で「Before I Go」を披露し、最後はお約束の「Final destination」を投下。そこでは15年分の汗と涙と熱を全注入したサウンドを轟かせ、観客全員の意識を吹き飛ばす爆発ぶりを見せつける。掛け値なしに、これまで観たライヴで史上最強のパフォーマンスであった。しかし、Masatoは横浜アリーナでまたライヴをやりたい! という思いを口にしていた。今なおライヴにおいては守らなければいけないルールがあり、胸のどこかでまだまだイケる! という感情がライヴ中に芽生えたのかもしれない。coldrainにとって念願の横浜アリーナ公演は、再び戻って来る場所として深く刻まれたようだ。早くも次回の横アリを心待ちにしている。

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