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INTERVIEW

coldrain

2022.07.11UPDATE

2022年07月号掲載

coldrain

メンバー:Masato(Vo)

インタビュアー:高橋 美穂

coldrainが7thフル・アルバム『Nonnegative』をリリースした。彼らは2020年2月1日と2日に、地元名古屋のポートメッセなごやで"BLARE FEST.2020"を主催。コロナ禍直前となったこともあり、シンガロング&モッシュの光景は、夢のようにライヴ史に刻まれた。それを夢のままにするものかとばかりに、彼らはオーバーグラウンドもアンダーグラウンドも巻き込み活動してきた。『Nonnegative』の全12曲は、その足跡だ。5人のメンバーを代表して、Masatoが語ってくれた。

-まずは率直に、『Nonnegative』がどんなアルバムになったと思っていますか?

正直ほんとに4枚目、5枚目ぐらいから、アルバムを作るごとに"次は何をやればいいんだろう? もう、これ以上の作品が出てくることはない"って思っていたんですけど。2020年に自分たちでフェスを主催して、バンドを改めて軌道に乗せるぞって意気込んでいたタイミングで全部が止まってしまって。でも、その状況の中でフレッシュな気持ち、1枚目に戻ったような感覚を得た気がしたんですよ。だから、今までこうやってきたからとか、そんな考えをすべて捨てて、自分たちが好きになれるアルバムを作ったっていう。7枚目というよりは、1枚目って意識が強いです。それでいて、1枚目のときに持っていなかった力を持って作ることができたと思っています。

-やはり"BLARE FEST.2020"は、その後のcoldrainに大きな影響を与えたんでしょうか。

そうですね。でも、ある意味、自分たちはずるいことをしていて。周りのバンドや先輩たちがやっている"京都大作戦"や"DEAD POP FESTiVAL"、"HAZIKETEMAZARE(OSAKA HAZIKETEMAZARE FESTIVAL)"とかに、ずっと交ぜてもらっていたので、出演したり観に行ったりしたことで、いろんな情報や知識を貰って刺激を受けて、自分たちの中に溜め込んで、それを突っ込んでやったんです。毎年フェスをやっているバンドなら、来年があるとか考えるところを、僕たちは無視して1回の中に突っ込んだ。しかもそのあとにコロナですべてが止まったことで、すごくずるいフェスになったなぁって。

-たしかにずるいかもしれない。でも、すごく意味があるフェスでしたよね。

自分たちとしては、特に海外のアーティストとかは東京と大阪には来るけど、地元の名古屋には来ないことが多くって、"名古屋飛ばし"なんて言葉もあって。でも、"BLARE FEST.2020"をやることで、名古屋は飛ばせる場所じゃないってイメージをつけたいと思っていたんです。あと、ずっと先輩たちが一線にいるので、冗談でいい加減落ち着いてくれって言っているんですけど。昔、下の世代が来ている気がしないって言われたこともあったので、いい加減ケツを叩きたい気持ちもあったし。逆に下の世代のバンドからは、ケツ叩かれたいなって。自分たちは、改めて中堅っていう場所に来ていると感じたし。それと、どういう音楽をやっているか知らない人にも、フェスの名前が届くような動きが地元でできればなって思って。そして、何よりもフェスをやることで、"coldrainってなんでこういうことができるんだろう?"って思いながら自分たちの音楽を聴きに来てくれる人が多くいるんだなと実感したんです。期待を持ってフェスに出てくれた人、支えてくれた人を裏切らないためにも、ここから出していくものに対する責任感は変わりましたね。

-だからこそ、フェス後の2021年9月にシングルとしてリリースされて、今回のアルバムにも収録されている「PARADISE (Kill The Silence)」は、ケツを叩くような最強の演奏と、まっすぐなメッセージが込められた楽曲になったところはあるんでしょうか。

確実にありますね。たぶん、若いバンドの持つ勢いを感じる曲だと思うんですよ。それで、俺ら、まだ落ち着くタイミングじゃないよっていうのを見せたかったし、もう明らかにコロナ禍のルールの中で楽しみ切れない曲を、あえてここで出すっていう。規制がなくなるタイミングに希望を持っているからこそ、今のうちにそれを出しておいて、いつライヴで爆発できる瞬間が来てもいいようにしたかったっていうのはあります。

-"PARADISE (Kill The Silence)"というタイトルからも、今の時代のことを歌っているって、英語に詳しくなくてもわかりますよね。すごくストレートでシンプルというか。

そうですね。『Nonnegative』通してかもしれないですけど、言葉選びに関しては、めちゃくちゃストレートになりました。年齢もあるかもしれないけど、カッコつけるのをやめた......"Kill The Silence"とか付けたら、ある意味カッコつけてるかもしれないですけど。でも、カッコつけるよりシンプルにぶつけるほうがカッコいいんじゃないかなとは思っていて。タイトルや歌詞に使っている言葉は、よりわかりやすくなっているかもしれません。

-アルバム・タイトルの"Nonnegative"自体、ズバリ! っていうわかりやすさがありますね。

"負ではない"っていう意味の、数学的な言葉なんですけど。2020年から2年間、コロナによって置かれたマイナスな状況を、0に戻すことを目指してやってきて。"Nonnegative"っていう言葉は、マイナスではないけど0か上っていう意味なんです。だから、必ずしもプラスではないっていう。そうやって、0を含んでいる言葉って意外だなって。この状況で、一番大切だと思ったのが0の状態。マイナスでもプラスでもない状態が、俺らにとって幸せだなって思えたところもあって。だからこのタイトルに行きついたんです。それで、ジャケットのロゴも、プラスがズレているようにも見えるし、マイナスにバツが入っているようにも見えますけど、徐々にマイナスからプラスに修復していっている、みたいなロゴにしたかったんです。それが僕の中では0って表現になるというか。

-ポジティヴやネガティヴではなく、"Nonnegative"っていうのが、すごくリアルですよね。

ポジティヴって言っちゃうとロックじゃないっていうか。そこはカッコつけたかったんですけど、しっくりきた言葉でしたね。

-1曲目の「Help Me Help You」から、いきなりシンガロング・チューンじゃないですか。この曲調がオープニングを飾るというところにも、メッセージ性を感じました。

あえて1曲目に聴かせたい、今バンドの出している音っていうことでしっくりきたんですよね。ライヴでは、2曲目に入っている「CALLING」とか、なんなら「PARADISE (Kill The Silence)」みたいな曲を頭に持ってくることも多いから、トラックリストもそうしようってなりやすいんですけど。今回は、ヘヴィなところじゃなくって、ちょっとパンキッシュでストレートな感じを持ってきたかったっていう。しかも、この曲はちょっと明るめだから、"Nonnegative"な印象もあるのかなっていうことで。いっぱい悩んでいたんですけど、これ1曲目に置いてみようかって聴いてみたら、すごく納得がいったんですよね。

-これだけたくさん楽曲が入っているなかで、「Help Me Help You」で始まり「From Today」で終わるって、今のcoldrainが伝わる完璧な流れを作ったなって思いましたよ。

最後の曲は、常に僕らの中では次の1曲目っていうか、2周目の始まりなんですよね。絶対に最後の曲は締めちゃいたくないっていうか。「From Today」はフィナーレ感もありますけど、勢いは殺したくないっていう感じで持ってきたんですよね。