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激ロック | ラウドロック ポータルサイト

LIVE REPORT

coldrain

2021.11.16 @USEN STUDIO COAST

Writer 荒金 良介 Photo by ヤマダマサヒロ

"(STUDIO COASTで)一生できると思ってた"、"COASTは俺らの中で永遠"とライヴ中にMasato(Vo)はCOAST愛を何度と口にしていた。coldrainが2年ぶりになる新曲「PARADISE(Kill The Silence)」をデジタル・シングルで9月17日にリリース、それに伴う全国ツアー["PARADISE"JAPAN TOUR 2021]を11ヶ所12公演で行い、そのファイナル公演は2時間を優に超える濃密ライヴを繰り広げた。

19時6分、ステージを覆う白幕に過去のCOAST公演のライヴが流れる凝った演出を施し、本編は「Behind The Curtain」で口火を切った。以前ならフロアは波のごとく激しく揺れるけれど、観客はガイドラインを守ってクラップとヘドバンで楽曲に参加。そこに「Time Bomb」、「MAYDAY」と容赦なく畳み掛け、場内は早くも興奮のるつぼと化していく。"コロナ禍だろうが、ラウドロックの底力を魅せてやる!"と告げると、「Fire In The Sky」、「Persona」、「Runaway」と怒濤の攻撃力でフロアを沸かせ続ける。

"結成14年、目標にしていたのは武道館でもドームでもない、夢に見てきたライヴハウスはここなんです! 今では家であり、ラウドロックの棲家"とまで言い切るMasato。その気持ちを憑依させた「Evolve」の破壊力は凄まじかった。渾身のスクリームで会場を揺らし、フロアの熱量をさらに押し上げていく。中盤に差し掛かり、この場所でやった過去の公演を振り返る場面もあり、ライヴが進むにつれて、MasatoのCOAST愛は止まらなくなる。そのあとにバラード調の「JANUARY 1ST」、「Deja vu」、シアトリカルな雰囲気を帯びた「UNINVITED」と続く流れもひとつのハイライトで、ミドル・テンポの聴かせる曲調でも観客の心を捉えていた。

"後半戦、行ってもいいですか?"と呼び掛けると、「24-7」を皮切りにラウドロック絨毯爆撃が始まる。観客を座らせてからジャンプさせるなど、コロナ禍においても一体感を高めるアプローチも効果てきめんであった。「Die tomorrow」、「To Be Alive」と続けたあと、"来年頭は新しいアルバムを作る。出すとは言ってない"と意味深なMCを挟み、2022年に行う予定の横浜アリーナ公演にも触れ、"COASTがなくなるってことは、お前らは次に行けというメッセージ"とつけ加えていた。ショーは終盤を迎えると、「No Escape」、「The Revelation」、「ENVY」とヘドバンの嵐を吹かせ、本編は「REVOLUTION」で鮮やかなフィニッシュを決めた。
アンコール一発目「THE SIDE EFFECTS」においても観客は余力を振り絞るように全身で楽曲にノッていた。それを経て、ここで新曲「PARADISE(Kill The Silence)」を披露。フィジカルに訴える演奏はもちろん、サビで突き抜ける歌メロも素晴らしく、2021年型のニューメタルという聴き応えを覚えた。

"さらに爆発できる未来へ行こう! これからも何十年とやり続ける......モッシュ、ダイブできるまで。COASTに捧げる!"と宣言すると、最後は「Final destination」をプレイ。迫力漲るドラムを核にエモーショナルな感情を解き放ち、coldrainラストとなる新木場STUDIO COAST公演は終了。筆者もcoldrainと言えば、COAST公演で観た数々のライヴが記憶に残っている。しかし、今日は過去の公演を余裕で更新してしまうほど、最強のパフォーマンスを叩きつけてくれた。

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