DISC REVIEW
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海外マネージメント、海外レーベルとの契約を果たし、ついに本格的世界進出を実現させたSiM! アニメ"進撃の巨人"の影響はもちろんあるだろう。しかしながら、それはきっかけに過ぎないというか、より多くの人の耳に触れ、ついに世界がSiMの存在に気づいてしまったという感じ。ヘヴィなのに不思議なほどにキャッチーで、パンクでもハードコアでもラウドロックでもない、レゲエのグルーヴ感を持った他にない彼らの音楽性は確かに中毒性がある。そして今作は、そんなSiMらしさが遺憾なく発揮されつつも、フレッシュな要素が満載の、まさに世界への挑戦状として相応しいアルバムだ。ダークでエレクトリックなエッセンスも入れたレゲエと、アッパーなラウドロックが絶妙に合わさった楽曲など、SiMらしい魅力が詰まったものの中にも今っぽいサウンドメイキングが生きていて、アップデートされた感がある。さらには、エモっぽい楽曲やシアトリカルでオーケストレーションもマッチした壮大な楽曲などもアクセントとして効いている。 山本 真由