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INTERVIEW

SiM

2017.12.06UPDATE

2017年12月号掲載

SiM

メンバー:MAH(Vo)

インタビュアー:増田 勇一

-SiMの作品リリースの流れからすれば、これは新しい流れの始まりになるものでもあると思います。そこで何か新しいことに挑んだりはしているんですか?

新たな挑戦っていう意味で言うと、曲の作り方が今までとは違っていて。これまではまずオケをバーッと作って、ほぼフル尺でできた状態になってから"よし、歌を考えよう"ってメロを作り始めていくパターンだったんですけど、今回は曲作りの時点で歌も録りながら作っていて。それからドラム打ち込んで、ギター録って、また少し考えてから最後にベースを乗っけて......。そんな作り方でしたね。そういう感じで初めて作ってみた2曲だったので、歌中心に作ったイメージが自分の中ではあります。で、実はこれからもそういう作り方をしていくつもりなんで、今後ちょっと曲の感じが変わってくるかな、とも思ってます。

-また新機軸な曲が出てきそうで楽しみです。そうした作曲方法の影響なのか、今回の2曲についてもすごくメロディの抜けの良さを感じさせられました。

そう言ってもらえると嬉しいですね。自分でも、特に「The Sound Of Breath」の方は、その影響が出てるかなって思っていて。例えばこの曲、Aメロが高くもなく低くもなく、なんとも言えないキーの高さなんですけど(笑)、それもいろいろ試してみて、一番歌いやすい高さのキーに最終的に合わせて設定した結果のもので。歌うメロディ・ラインは変えたくないけど、それを一番気持ちいい高さに合わせて作ったというか。そうやってメロディについて考えるようになったのは、武道館(2015年11月に開催した"SiM THE TOUR 2015 FiNAL -ONE MAN SHOW at BUDOKAN-")をやる前、2014年ぐらいから、お客さんの層がだいぶ変わってきたこととも関係していて。ライト・ユーザーとか言ってしまうと語弊があるのかもしれないけど、ライヴハウスとかにあんまり普段来ない子とかが来てくれるようになったんですね。それはすごくありがたいことなんですけど、そういう子たちがライヴハウスにもやって来るようになって、客席を見てても危なっかしいなって思わされるところが正直あったり。モッシュに慣れてなかったりとか。で、それを感じるのと同時に、"歌をもっとちゃんと歌えないとマズいな"って思わされたんです。

-そういった新しいファン層とどんな関係があるんですか?

そういう子たちって、CD音源との違いにめちゃくちゃ敏感なんです。だからライヴでの再現性を上げてかないと駄目かも、と思って。それまではぶっちゃけ、CDとライヴで歌が違うのは当たり前、という考え方だったんです。だけど、CDと同じクオリティの歌を求めてライヴに来る子がすんごい増えてきたことを実感させられて。きっとそういう子たちにとって、生演奏かどうかとかってあんまり関係ないんでしょうね。だから変な話、ミュージック・ビデオでも実際に演奏してると思ってたりするわけなんです。だけどライヴってものがよく理解できてないから、少しでもCDと違ってると"あっ、今、歌がちょっと音程外した"みたいなところについて過剰反応しちゃうんです。すごくシビアに。

-あぁ、なるほど。しかし、なんだか厄介な話ですね。

うん。でも、どっちにしろそういう傾向があるのは確かだったんで、そういう現状に気づいたときに少し危機感を覚えて。それで、初めてボイトレに行ってみるとか、いろいろと変化を求め始めました。で、さらに武道館をやったことで、一歩引いてステージを観てる人たち、一歩引かざるを得ない人たちのことを意識するようになったんです。結局、武道館みたいな大きい会場の上の方の席の人たちって、臨場感なんかはまるで味わえないわけじゃないですか。そういう人たちには、やっぱりしっかりとした歌を届けないと、"歌下手だなぁ、こいつ"って思われて、そこで興味を失われてしまうわけで。それはやっぱりマズいし、ちょっとずつでも歌を良くしていこうと思うようになったんです。


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-結果、それが向上に繋がるのであれば素晴らしいことですよね。歌といえば、今回の2曲は、ライヴでオーディエンスが合唱すべきパートというのが、あらかじめすごくわかりやすくなってますよね? 予習がしやすいというか。

まさしく! 狙いはまさにそこにあったんです。ライヴを基準に考えると、CDに入ってない音というのが普通にあるわけですよね。例えばCDでは普通のコーラスでしかないんだけど、ライヴではそこはお客さんに歌ってほしいパートだったりとか。だったらもう、CDの段階で大勢のコーラスをそこに入れちゃおう、と。そのへんは前作ぐらいからすごく意識するようになっていて。CDだから入れたくない音っていうのもホントはあるんですけど、なるべくCDとライヴが近づくように、ということを今は考えてますね。後づけになっちゃいますけど、さっき言ったようなライヴ初心者にありがちなのは、"隣の客が歌ってるのがウザい"みたいな反応だったりもするんです(笑)。でも、僕らの側からしたら、みんなに歌ってほしいわけですよ。そこで、あらかじめCDの音源でも合唱になってたら、お客さんも歌うしかないじゃないですか(笑)。そういう曲じゃないのに大声で歌ってたなら、たしかにそこで歌ってるやつが悪いのかもしれないけども。ただ、最初っからそうやって入ってたら、そいつは責められないじゃないですか(笑)。"いや、ここはみんなで歌うとこでしょ?"って堂々と言えるわけで。