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INTERVIEW

マキシマム ザ ホルモン

2011.04.15UPDATE

2011年04月号掲載

マキシマム ザ ホルモン

Member:マキシマムザ亮君(歌と6弦と弟)

Interviewer:ムラオカ

-まずは3年ぶりの作品になります『グレイテスト・ザ・ヒッツ』リリースおめでとうございます。3年もの間リリースが空いたのは初めてなので、同じリリースでも今作は喜び一入じゃないでしょうか?

ありがとうございます。そうですねー、3年あっという間でしたね、まぁメンバーの出産もあったし、ライヴ活動休止してた時期もあったんで。あと、いい加減、僕が精神的に疲れてたので、3年も空いてしまったのもあるんですが。そもそも普通はレコード会社と年間のリリース契約みたいなのあるんですけどね、レコード会社の大人たちがその事に気付くまでは、どこまでリリースせずにほったらかしにできるか僕は試していたんです(笑)。でも遂に気付かれたという、“あ、ばれたか、しかたないCD出すか…”みたいな(笑)。

-その『グレイテスト・ザ・ヒッツ』リリース前の壮大な釣りですが、仕込みから本格的でしたね?

うん、壮大な釣り(笑)。メンバーが1人女なもんで、妊娠した時にはライヴは休むしかないなっていう覚悟は昔からしてまして。だから3、4年ぐらい前から、妊娠して活動休止したら、復活した後はあえてこういう“愛する子供への曲”みたいなの作ってファンをビビらせようってずっと僕考えていたんですよ。それに、僕も結婚したり、子供が産まれたって時には、ファンから“えー!あり得ない!”、“亮君は永遠の童貞だと思ってたのに!”とか“幸せを手に入れてもうロックじゃない”みたいな事言われたり、ダイスケはん以外のメンバーは結婚して、子持ちになったんで“もうホルモンもリア充か!?”みたいなことも言われたりしてて。それも想定済みで(笑)、だからそれを逆手にとってちょっと罠仕掛けてFAN達を陥れようかなと思って(笑)。で、愛に溢れた、ファンキーでモンキーで、ベイベーなような「小さな君の手」っていう偽の新曲PV作ったんです(笑)。今振り返ると、この壮大な釣り計画に費やした時間だけで本当ならアルバム2枚くらい作れたんじゃないかていう(笑)。

-ファンの反応をメンバーみんなで楽しんでる姿をYoutubeにアップしていましたが、ファンの反応は実際に考えていた通りでしたか?

まあ、ほとんどのFANが一目見て“ホルモンバカだわー”ってすぐ気付いてくれたんですけど、やっぱりどこかでリアルにしたいなっていう。“うわ!ほんとに変わっちゃったんだ”みたいなショックを与えたいなと。ただバカやりたいだけなら、ほんとにそれこそファンキー・モンキー・ベイビーズみたいな服装で、PVのパロディーやった方がわかりやすかったんですけど、どっかでやっぱりリアルに、“あぁ、結婚して子供が産まれて変わっちゃったよ、ホルモン終わったな…”とか“いい歌すぎて寒い”みたいな、ショックを与える曲にしたいなって(笑)。で、結果、想像以上にいろんな反応があって、ピュアに信じた人、すぐ嘘だと見破って爆笑してくれた人、ほんとにショックで怒ったりする人…。その反応がたまらなかったですね。あの瞬間が、僕ホルモンやってた中で一番興奮したかもしれない(笑)。

-僕もBBSを見てたんですけど、“こういうのもありだよね”っていう肯定的な意見も多かったように感じましたが、そこは意外に感じませんでしたか?

そうですね。こっちもちょっと気まずいんですよ。海外でMETALLICAとかRED HOT CHILI PEPPERSとかのステージ関係の仕事やってる日本人のスタッフがいて、僕らも海外ツアーに行くといつも手伝ってもらってるんですけど。その彼が、恐らく普段J-POPなんて耳にしてないからなんでしょうね。日本語の歌詞がリアルに耳に入ってくるようなあの嘘曲に逆に感動しちゃって、“マジ新曲やばいっす!”、“朝から何回も聴いて泣きました!勇気をもらってます!!”とか本気の感想メールくれて(笑)。だから、メンバーと“うわ。どうしよう、あの後あれにゲロぶっかけて本当の新曲になるのに・・気まずいな、ネタばらししづれぇ!”って困ってました(笑)。

-想像以上の効果もありつつ、気まずさもありつつ。

それに、この事が想定外に広まりすぎてしまって。最初はFANの中だけで身内騙す感覚で楽しむつもりだったんですけど、結構ネットのニュースに取り上げられたり、あと、僕2ちゃんねるは見ない人間なんですけど、最近はGoogleのページにご丁寧に2ちゃんランキングみたいなのがくっついてるんですよ、それに“ホルモン路線チェンジ!?新曲が糞すぎる”みたいなスレッドがランクインしてて(笑)。関係ないやつらまで煽られたせいで、一時期Google検索ランキングに”マキシマム ザ ホルモン“が一位になっちゃったりして。まぁ嬉しいんですけど、そういう風にみんなが広めてくれたおかげで、結果うちのサイトのサーバーが落ちましたからね(笑)。あれは焦りましたね。

-ちょっと悪戯したらそれ以上の反応が返ってきて、困る子供みたいな感じで。

そうそう。あ、それで思い出した(笑)。子供の頃に家の前で新しい公園が作られてて、なんか、カップルが夜な夜なデートしてイチャつくようなオシャレデザインの公園なんですよ。で、工事終わっていよいよ完成間近の公園に、うちの弟が深夜忍び込んで、噴水の池の中にバケツ3杯分ぐらいのおたまじゃくしを入れてきやがったんですよ(笑)。その時は“よくやった”なんて笑ってたんですけど、数ヶ月後、案の定公園にカエルが大量発生して、公園どころか町中がゲロゲロうるさすぎて自分も寝れない、っていう取り返しのつかない事態に…。まさに、あの時の気持ちを今回思い出しましたね(笑)。やべえ…そこまでやるつもりなかったのに、みたいな(笑)。