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INTERVIEW

マキシマム ザ ホルモン

2011.04.15UPDATE

2011年04月号掲載

マキシマム ザ ホルモン

Member:マキシマムザ亮君(歌と6弦と弟)

Interviewer:ムラオカ

-それは文字に起こしてもいいんですよね(笑)?

もちろん(笑)!

-亮君自身も解説にも書いてますが、ホルモンの歌詞は聴いているだけでは分からず、歌詞カードを見ないと全体は把握できません。“ロックソング目で聴け”とはうまいことを言いますよね?

僕“メリケン”的な言葉の響きが好きなんですよね。メロディーに乗りやすいというか。過去にも“Sweet Sweet 糞メリケン”って歌ってたりもするんですけど、そんな感じで新曲のメロディーに“メデェケ~ン”って言葉乗せてたら“目で聴け~”に発展して、“ロックソング 目で聴け!”と最終的に自分の好きな発音と伝えたいメッセージが融合しましたね。とは言え“ロックは歌詞カードまで読むものだ!”と強制するのも正直ナンセンスだと思うし、単なる僕の我儘として“じっくり見ろ”って言ってるわけです。まあNOFXにしても、大好きだったんですけど、中学校の頃はただのお馬鹿なメロコア・バンドだと思ってて、歌詞和訳見るまであんなに政治的で皮肉の利きまくったバンドだったとは分かんなかったし、最近は和訳ついた日本盤の発売とかもない洋楽バンドも多いし、なにより輸入盤やiTunesは安いですからね。ますます歌詞の世界から遠のいてしまう。もっと和訳とか見た方が絶対面白いんですけどね。

-逆に、楽曲聴いてかっこいいなと思って、歌詞読んだら“ただのパーティー・ソングじゃん!”ってがっかりした経験ってないですか?

ありますね。逆に中学校の頃とか、ところどころ聴こえてくる単語とかで勝手に想像しちゃって、“これはラブ・ソングだ”って思い込んでて、高校生になって日本盤買って和訳見たら実はめちゃ笑えないシリアスな歌だったりして(笑)。

-僕、それめっちゃあります(笑)。自分の都合の良い方に解釈って。

だからね、言ってしまえばその間違った解釈も個人の自由なわけだから、どれも正解じゃないですか。だからやっかいなんですよね(笑)。それぞれ聴いた人に委ねるべきなんですけど、僕の場合はケツの穴が小さすぎて、それすらも許さない性格ですから。ずかずか踏み込んでいって“ちゃんと聴け!”って言いたいんですよね。

-細かく手とり足とり教えていきたいと…(笑)。

一人一人に“不正解!!”みたいな(笑)。その性格がすでに病んでいるっていう。

-この曲を“本当はバンドを辞めてソロで一人でやろう”と思ったと書いてありますが、この発言の真意は?

多分ね、絶対無理なんですよ、僕一人で活動するなんて(笑)。引っ込み思案だし。ただこの曲のサビの歌詞作ったときは、ホルモンでやろうとして作ったというよりかは、自分の曲として作っちゃったから、特にこの曲はなんとなくメンバーに聴かせづらいなっていうのがあったんですよね。あと、全部の歌詞を自分一人が歌うわけじゃないから、特にダイスケはんパートとかは、結構重みのある歌詞もあったんで、“これ歌わせるのはちょっと荷が重いのかな”と思ったり、それに“自分で全部歌いたいな”って気持ちもあったりと、最初はそういうのが不安だったのかもしれないですね。けどまぁ、普通に曲としてかっこよかったから、“やっぱバンドでやるべきでしょ”と思って。歌詞出来てからみんなに聴かせたら、やっぱいつもと違う空気が流れて……。歌詞の滑舌とか歌い回しをみんなに伝えて、練習してたんですよ、そしたら急にダイスケはんが“ちょっと待って!もうアカン!”ってトイレに逃げ出して泣きに行ったんですね(笑)。パッて見たらナヲも泣いてたし。ナヲは特に姉なので色々僕の落ちてた心境やまわりの鬱の友達の事も知ってたから。

-3曲目に収録されている「my girl」は発売する予定はなしだったということですが、一転収録されることになった理由を教えてください。

あ、すいません。「my girl」は色々ネタバレになってしまうので、この曲に関しては諸々秘密で。

-“2011年~2011年のヒットソングをすべて収録”ということは今年中に新曲のリリースはもうないと考えていいのでしょうか?

それもね、よく突っ込まれるんですけど(笑)。年内のリリースはリアルに考えて無理だと思うんですよね。だって今回のたった3曲しか入ってないですけど、2枚組のアルバム作ったぐらいの時間がかかってるんですよ。曲以外のことだったり、諸々仕込みやデザイン、PVの編集ふくめたりで、僕バンドマンというよりレコード会社の社員みたいになってますもん。ホルモンって相当スローフードなんですよ(笑)。ラーメン二郎とかもラーメン出てくるの遅いじゃないですか。それが僕のスタイルですね。世の中がファーストフード過ぎるんですよ。

-6月にはHELLFEST出演が決定していますね!JUDAS PRIEST、SCOOPIONSなどのオーセンティックなメタルから最新型のエクストリーム・バンドまで夢のようなラインナップですが、出演が決まった経緯を教えてください。

なんなんですかね?僕正直言って、あんまり海外の活動に興味ないとこあって。さっきも言ったけど、日本でこんなに伝わってないってイライラしてるのに、海外に伝わるわけないなみたいな。“土曜の夜に『カトチャンケンチャン』見たり、ビックリマンシール集めたこともないあいつらなんかに何が分かる!?”みたいなところあるんで(笑)、海外はあくまで純粋に音で楽しもうと。ライヴやって楽しい、向こうも曲聴いてライヴ見て楽しいで良いかなっていうぐらいなんで。別に海外どっぷり活動するのなんか全然目標にもしてないし。そういうのをステータスにするようなバンドとかも、ちょっとどうかなと思うし、“海外行ったから何なんだ?”みたいな。だからあんまりガッツリ活動する気はないんですけど、でも海外の人達がYoutubeとかで知って好きになってくれてツアーのオファーもすごくくれるんですよ、“ホルモン・ワンマンでもソールドできるよ!”とか、僕から考えたら、“何を言ってんだ!?”って怪しい話だと思ったんですよね。友達のバンドが海外でツアー廻ってもちっちゃいバーみたいなところで、客15人の前でやったりとか、そんな話しか聞いたことなかったんで。“ホルモンなんかが海外でワンマンやって1000人埋められるわけないだろう!”って思ってたんですけど、3年前にフランス・ドイツ・スペインをメインアクトでライヴした時に、ほんとにみんな来てくれてソールドして。外人が僕の顔を勝手にパーカーにプリントしてオリジナルグッズ作って着てやがるんですよ(笑)。嬉しいんですけどね。ほんとに待っててくれたんだなって。確かに僕も全然日本で知名度ない、マニアックなバンドとか来日してほしいとかありますもんね。そういう意味で僕らも行きたいなって思ってるんですよ。で、いいタイミングでこういう大きいフェスの話もいただいたりして、とにかくラインナップにアガりましたね。