INTERVIEW
EVANESCENCE
2012.02.16UPDATE
Member:Amy Lee(Vo, P, Key, Harp) Terry Balsamo(Gt) Troy McLawhorn(Gt)
Tim McCord(Ba) Will Hunt(Dr)
Interviewer:山口 智男
5年のブランクを物ともせず、前作『The Open Door』にひきつづき、全米No.1を獲得した最新アルバム『Evanescence』をひっ提げ、約5年ぶりに日本にやって来たEVANESCENCEにインタビュー。最新作はタイトルからもわかるようにEVANESCENCEが改めてバンドであることをアピールした作品だった。今回のインタビューも、メンバー全員が曲作りに参加した『Evanescence』同様、メンバー5人が顔を揃えるというので、改めてメンバーそれぞれのキャラクターをクローズアップしたうえで、5人の関係性を尋ねてみたところ、思っていた以上に睦まじいバンドの様子が伝わってきた。
-最新アルバム『Evanescence』発表後のツアーは行く先々で大歓迎されていると思うんですけど、改めて、音楽を演奏する歓びやライヴを通して体の中にエネルギーが満ちあふれるような感覚を楽しんでいるんじゃないでしょうか?
Amy Lee(以下A):もちろん、楽しんでいるわ!歓迎されればされるほど、こちらももっとやってやろうって思うし。
Will Hunt(以下W):逆に乗りが悪くても、そのぶんやってやろうと思うけどね(笑)。
Troy Mclawhorn(以下T):どこに行っても新曲に対する反応が特にいいっていうのがうれしいよ。
-EVANESCENCEのライヴで乗りが悪いなんてことがあるんですか?(笑)
W:もちろん、全然ダメなんてことはないけど、すごくいい時と、まあまあの時がある。
A:お酒を出していないヴェニューなんかはね(笑)。
W:だから、ライヴではいつもお客さんに対して、“もっと飲め!もっと飲め!!”って言っているんだ(笑)。
A:そう、“飲んで。飲んで!”ってね(笑)。
T:日本では“オサケー!”って言えばいいのかな?
-前回のメール・インタビューで、Amyは“現在のラインナップはこれまでで最強”というふうに言っていたんですけど、現在のラインナップはどんなところが最強なんでしょうか?
A:バンドを去った人達がどうだと言っているわけではないんだけど、今のメンバーになってからバンドはピークに達したと実感できたってことね。そういうメンバーなんだから、当然、ライヴは最高のものになるし、そもそもアルバムだってメンバー全員がそれぞれにクリエイティヴィティを加え、5人で作り上げた結果なんだから、これまでよりもさらに深みがある作品になったと思う。それに、そういう作品を作るという経験を通して、お互いの信頼関係も深まったのよ。
-プレイヤビリティとかミュージシャンシップも大事だと思うんですけど…。
A:そうね、プレイヤビリティはとても大事よ。その点も現在のラインナップは今まで最高と言えるわ。
-ただ、そういうことに加え、さっき信頼関係という言葉も出ましたけど、メンバーの性格とか人間性とか、お互いの相性とかもバンドってすごく大きいじゃないですか? 現在の5人の相性はどうですか?
A:そうねぇ。(4人に)どう?(笑)
T:ピタッとハマッたって感じだな。
A:そうね。そういう関係だからこそ、新作では一緒に曲作りができたんじゃないかしら。やっぱり信頼できない人達とは一緒に曲作りなんてできないわ。
W:曲作りって、ある意味、ふだんは他人には見せられない秘密を曝けだす行為だからね。よく知らない人や信頼できない人とは、やっぱりできないよね。
A:それに自分が出したアイディアが、もしかしたら酷いものだってこともあるじゃない?(笑) 全然知らない人の前で、そんなアイディアを出すなんてこと、私はしたくないもの。でも、お互いに気心が知れた関係なら、それが酷いアイディアかどうかなんて気にせず、どんなアイディアだって出せるでしょ。
W:うん、うん。ここにいる全員それぞれに酷いアイディアを出したことがあるけどさ(笑)。でも、そこは仲間だからさ、笑いあうことができるんだよな。
-誰かが酷いアイディアを出した時は、遠慮せずにちゃんとダメ出しするんですか?
A:もちろん!それはちゃんと言わなきゃね。ただ、敬意を持ってだけどね(笑)。
T:どんなに酷いアイディアだと思っても、とりあえず5分は試してみないとな。
W:5分試してみて、“やっぱりうまく行かないから次に行こうか”って、そういう気遣いはどんなに仲がいい関係でも必要だよ。
-Amyは昔からずっとこういうメンバーを探していたんですか?それとも今、こういうメンバーが揃ったからこそ、EVANESCENCEはバンドだってことを改めてアピールしているんですか?
A:探していたわけではないんだけど。1作目の『Fallen』と2作目の『Open Door』では、私と誰かもう一人というやり方で曲作りしていたでしょ。でも、バンドとして曲を作ってみようと試みたことは何度もあったのよ。だけど、うまく行かなかった。閃きが感じられなかったのよ。今思えば、全員が同じ感覚でいなきゃダメだったのよね。それが今回、やってみたら驚くほどうまく行ったのよ。それぞれに受けてきた影響やユニークなスタイルが今回は、うまい具合にハマッたんだと思うわ。