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INTERVIEW

EVANESCENCE

2017.11.07UPDATE

2017年11月号掲載

EVANESCENCE

Member:Amy Lee(Vo)

Interviewer:山本 真由

しばしの充電期間を経て、カリスマ・ヴォーカリスト Amy Lee率いるEVANESCENCEが、ついに動き出す! 約6年ぶりとなる待望の4thスタジオ・アルバム『Synthesis』をついにリリース、そしてそれに伴う大規模なツアーを開始したという。今作は、彼らのこれまでの名曲の数々をフル・オーケストラ、エレクトロニクスを用いたアレンジで蘇らせたものを中心に、新曲も2曲加えた作品。今の彼らだからこそできる、壮大且つ人間味溢れる美しいアルバムとなった今作と、そこに至るまでの活動やバンドや自身の状況について、Amy Leeに詳しく訊いた。

-一昨年の"OZZFEST JAPAN 2015"に出演されていますが、同イベントでのライヴはいかがでしたか?

あれは、Jen Majura(Gt)が加入して一緒にやった初めのころのライヴだったの。Jenのことが大好きなのよ。すごく上手いミュージシャンだし、バンドに女性がいるのは素敵なこと。でも私たちふたりは、そのことを前面に出すまいと決めたの。"私は女性ミュージシャンよ"なんてことを言うことはできるけど、そんなことはどうだっていいの。自分の担当楽器が上手くて、同等の立場でいればそれでいいのよ。肝心なのは平等であることなんだから、そういうことは話さなくていいんだって。だから、あんまり話さないの(笑)。ミュージシャンとしてお互いリスペクトし合っているんであって、必ずしも女性ミュージシャンとしてではないのよ。でも、バンドに他の女性ミュージシャンを迎えるのは、私が望んでいたことだと言わねばならないわね。理由はいくつかあるわ。まず、ロック界に女性が少ないということ。増えてはいるから、それは素晴らしいことだけど、上手い女性ギタリストが大勢いるにもかかわらず、スポットライトを浴びている人は少ないのよ。そしてJenは素晴らしいわ。私たちはとっても気が合うの。それが一番大事なことよ。もうひとつとても素晴らしいのは、バッキング・ヴォーカル。私はバッキング・ヴォーカルの大ファンだけど、このバンドではこれまでライヴでバッキング・ヴォーカルをやれる人がいなかったの。でもJenはシンガーでもあるので、初めてライヴでバッキング・ヴォーカルをやれるようになったからとっても嬉しいわ。たしか"OZZFEST JAPAN 2015"は、Jenと一緒のライヴとしては3回目だったんじゃないかしら。彼女はすごくポジティヴなエナジーをたくさんもたらしてくれたので、私たちみんなとってもエキサイトしているのよ。

-おっしゃるように、活動休止明けのほぼ最初のライヴでもありましたが、久々のパフォーマンスということで休止以前と何か変化は感じましたか?

素晴らしい気分だったわ。母親になった私は、本当にまったく異なる別の自分になった気がしたの。相変わらず音楽は作っていたけど、あくまでもスタジオでのことで、ライヴはやっていなかった。ロック・スターであるということは、幼い子供の親であることとはまったく違うことよ。家でずっと母親業をしていたときなんて、鏡すらほとんど見なかった。今でもそうよ。髪を振り乱しているわ。でも、"OZZFEST JAPAN 2015"に出演するという素晴らしい機会に恵まれたので、"イエス"と言わずにはいられなかった。"私にだってできるわ! やりましょう!"という感じだったの(笑)。そして、出産以来久々にライヴをやったけど、本当に生き返ったわ。当然、ナーバスにはなった。まったく異なるモードにずっといたんですもの。でも、ステージに上がった途端、すべてが戻ってきたの。別の自分になって、パフォーマーがパフォーマンスを始めたのよ。すごくいい気分だったわ。"そうか、何も変わっていなかったのね!"って思えた瞬間であったことは間違いないわね。すべてが変わったけど、私は相変わらず以前の私で、音楽ができるんだって思ったの。

-今回のEVANESCENCEのニュー・アルバム『Synthesis』を制作する前、昨年にはソロ作品(1stアルバム『Dream Too Much』、1st EP『Recover Vol. 1』)がリリースされていますよね?

子供向けのアルバムを出したの。ソロはEPを出したのよ。4曲入りのソロEPだったけど、ソロはもっとやろうと思っているの。

-EVANESCENCEのサウンドとはまったく違った、優しくてオーガニックなサウンドで、Amyの表現力の幅広さを再確認させられました。Amyのソロ作や、映画音楽の制作などは、今作での新たな表現にも影響しているのでしょうか?

もちろんよ! どんなことも可能だという気にならないといけないの。それが、アーティストとしての私の糧になっているのよ。まったく別のことをやって、自分の別の面を見つけられると思わないといけないの。ロック・バンドの作品の制作と、ウクレレが入っていたりする、父親や姉妹と歌っている子供向けのアルバムの制作ほどに極端に違うことを両方やるのは、ミュージシャンとしての私にとってはいいことなのよ。別のやり方を考えさせられるから。プレイの仕方も多少変わるし、考え方の面でも、それぞれで別のことを考慮に入れるから、なおさら逆のものをやりたいと思わせられるのよ。無理矢理ひとつのことばかりやらされるようだと、もうやりたくないって思ってしまうけど、180度正反対の方向性でしばらくの間いかないといけないって思うと、また駆け戻ってきて思いっきりロックしたいって思うの。だからフルタイムで母親業をやったあと、またブーツを履いてステージに戻れてエキサイトしたわ。

-先ほどおっしゃった、子供向けのアルバムとソロEPについてもう少し詳しく教えていただけますか?

子供向けのアルバムは『Dream Too Much』と言って、Amy Lee名義ではあるけど、家族と一緒に作ったのよ。オリジナル曲も作ったけど、私が子供のころに聴いていた曲のカバーもやったの。楽しい家族のアルバムを作ったのよ(笑)。ソロに関しては、デジタル配信のみのEP『Recover Vol. 1』を作ったの。