MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

LIVE REPORT

Crossfaith

2014.06.13 @DOMINGTON PARK, London

トップバッターのMISS MAY Iに続いてCrossfaithは登場。会場はすでに多くの観客で埋まっている。「We Are The Future」のイントロが始まり、Terufumi Tamano(以下、Teru)がまずは登場して、中央のモニターの上に立って勢い良く手を挙げると、会場も手を挙げて応える。デビルサイン、拍手、拳、そして「ウォーーッ」という歓声。続いて他のメンバーが登場、最後にヴォーカルのKenta Koie(以下、Ken)が登場して、「We are Crossfaith from Japan! Are you guys ready?!」と煽ると会場に火が付く。バンドは髪を振り乱しながら演奏を始め、最初からマックスのテンション。Kenが「Jump Up!! Come
On!!」と煽ると、客もジャンプし始める。そして「ヘイ!ヘイ!」と連呼しながら、拳を挙げて応えている。あちこちで笑顔が見られ、そこにはすでに一体感がある。バンドが客を盛り上げるのが早いだけでなく、本当に楽しみに観に来ているファンに支持されている感じがストレートに伝わってくる。そして、Crossfaithというバンドのサウンドの圧倒的な凄さもこの大会場で遺憾なく発揮されている。分離の良い音。重低音の破壊力とエレクトロの甘美なメロディ感が同居していて気持ちいいのだ。

2曲目は間髪を入れず「Monolith」に。容赦ないビートダウンに乗せてエレクトロ・サウンドが唸りを上げ、会場全体を巨大なグルーヴに巻き込んでいく。歓声、スクリーム、手拍子、拳。「一番大きなサークルピットを見せてくれ」とKenが煽ると、あちこちで次々とサークルピットが生まれる。続く「Countdown to Hell」では、一気にイントロからサークルピットに火が付く。「Lies Lies Lies」と会場がシンガロングすると、Teruもステージのランウェイに出てきて煽り、客席に身を投げてクラウドサーフをかます。鳴り止まない手拍手の中、「みんなのジャンプするところを見せてくれ。Are you ready?!」とKen。「Scream!!」と煽るとさらに大きな歓声が返ってくる。

再びKenが「全員ジャンプするところを見せてくれ」と煽り、ドラムのイントロが始まると、その曲は「Eclipse」だった。「Bounce, bounce! 1, 2, 3, Go!」。会場中がスゴいタテノリで狂気の坩堝と化していく。モッシュ、ジャンプ、「Till the morning!」のシンガロング、手拍子。ダンス・ミュージックとメタルコアが見事に融合したこの曲はこのバンドの真骨頂だと思う。客の反応を見れば、そこにはその二つの要素が引き起こす至福と興奮が同居しているのだ。

盛り上がり過ぎたのか、Kenは思わず「Holy shit!」と口にする。その表情は感極まっているのか、嬉しすぎるのか、隠しきれないという感じだ。そして、ここでさらにプロディジーの「Omen」のカヴァーが投下される。イギリス人にはおなじみの曲だけあって、シンガロングが多い。途中でドラマーのTatsuya Amanoも前に出てくるし、Kenは客席に身を投げながら歌う。凄まじいドラムの連打に応える大きな歓声。Kenも思わず「Oh my fuckin' god!」。さらに、客のみんなにしゃがむように指示した後、「1, 2, 1, 2, 3, Let's Go」とカウントを入れると、しゃがんでいた全員が同時に立ち上がって、踊りまくり、手を挙げる。Crossfaithはダウンロードを完全にロック状態。

曲が終わると、「一つ言いたいことがある」とKen。ダウンロードの出演をずっと夢見ていたこと、自分たちの夢がこの日叶ったことをMCで伝える。「今日、俺たちは歴史を作る」と。そしてラストの曲「Leviathan」に。「みんなの持っているものを全て置いていってくれ」。バンドはさらなるヘヴィネスとスケールの大きなグルーヴで攻めていく。叫びながらジャンプする観客。「Bounce, bounce」とさらに煽るKen。タテノリもヨコノリも一緒になって、会場は大きな揺れで熱い。曲がもう終わってしまいそうになると、自然と会場からCrossfaithコールが起こっていく。そして30分に渡るバンドのセットは終わった。「また戻ってくるよ。ありがとう!」とKen。

ダウンロードのメインステージに出演して夢を叶えたとMCでは言っていたものの、Crossfaithの夢はまだ始まったばかりだという印象を持った。何しろ、バンドの夢はこのフェスティバルでヘッドラインを飾ることなのだから。この日は、前後のバンドと比較しても演奏の確実さ、楽曲の良さが際立っていた。すでに海外でのライヴの実績は重ねてきているが、この大舞台で見事に炸裂し、今後のさらなるポテンシャルを大いに感じさせることができたと思う。さらにこの日は、英国の誇るSkindredのステージにもKenはゲスト・ヴォーカルとして出演し、共に「Warning」を披露し、1日に二度メインステージに立つという偉業も成し遂げた。

  • 1