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INTERVIEW

BULLET FOR MY VALENTINE

2018.06.22UPDATE

2018年06月号掲載

BULLET FOR MY VALENTINE

Member:Matthew "Matt" Tuck(Vo/Gt)

Interviewer:山本 真由

ブリティッシュ・メタル・ヒーロー BULLET FOR MY VALENTINEが、3年ぶりのニュー・アルバム『Gravity』をリリースする! "SUMMER SONIC 2018"での来日も決定しているので、絶妙なタイミングでのリリースとも言えるだろう。そして、フィンランドのヘヴィ・メタル・レーベル"Spinefarm Records"に移籍して第1弾作品でもある今作は、思い切りヘヴィに振り切った前作『Venom』でこれまでの活動にひと区切りをつけた彼らの新たな一歩に相応しい新鮮なサウンドが詰まった作品だ。最も根本的なソングライティングという部分に力を注いだ今作について、コンポーザーでありフロントマンでもあるMatthew "Matt" Tuckに語ってもらった。


メタル・バンドだから"こうでなきゃいけない"と長い間作る曲を制限していたので、自由に曲を作りたかった


-ニュー・アルバム『Gravity』の完成、おめでとうございます。3年ぶりのアルバムということになりますが、まずはここ数年のバンドの近況から教えてください。

前作(2015年リリースの5thアルバム『Venom』)がリリースされると、いつものようにツアー・サイクルが始まったので、ほとんどずっとツアーに出ていたよ。2016年の終わりくらいにツアーが終わると、3~4ヶ月間オフで、4月から『Gravity』の制作に入り、クリスマスごろまでずっと取り掛かっていた。多忙だったよ! 曲作り、レコーディング、ツアーばかりだった。

-スタジオでの作業はどれくらいだったんですか?

4月~10月くらいまでスタジオに出たり入ったりで、正式にレコーディングが始まったのは11月からだった。本番レコーディングには2ヶ月弱かかったよ。

-今作は、多くのメタル・バンドが所属するフィンランドのレーベル"Spinefarm Records"へ移籍して1作目のアルバムになりますが、移籍後は環境の変化などありましたか?

変化はあったね。よりエネルギッシュで、ポジティヴでいいヴァイブスばかりなので、この先が楽しみなんだ。周りの人たちは俺たちのバンドに非常に情熱を注いでくれていて、できる限りの応援をしてくれているので、新たなレベルに進めさせてくれると思うよ。俺たちは最高の音楽を生み出し、一生懸命働くバンドだから、レーベルだって、ただ金銭的な支援をしてくれているんじゃなく、マーケティングもプロモーションも、すべて俺たちと同じくらい一生懸命やっている。すごくいいところだよ。

-前作『Venom』は、5作目のアルバムでもあり、もともと5作品リリースの契約であった前レーベル("RCA Records")での活動を締めくくるという意味でも、特別なアルバムであったということを前作リリース時のインタビュー(※2015年8月号掲載)でMattが話してくれましたが、改めて今振り返ってみて『Venom』とはバンドにとってどんな作品でしたか?

俺にとって様々な意味があった。あれはメタルの技術を前面に出しているので素晴らしいメタル・アルバムだったよ。テクニカルだし、複雑だし、自分たちのルーツもしっかりフィーチャーしているけど、あのあと完全にストップしたって感じだった。理由はいっぱいあったけど、日本ではSony Musicからの最後のアルバムだったから、俺たちはメタルのアルバムに入れられるすべての要素を注ぎ込んだんだ。Jason(Jason Bowld/Dr)が加入し、Michael "Moose" Thomas(ex-Dr)の最後のアルバムでもあった。だから『Gravity』は新しい時代の始まりのように思える。あらゆる方面でバンドの新たな1章の始まりなんだ。

-そんなバンドにとって新章突入とも言える今作『Gravity』ですが、タイトルは"Gravity=重力"でありつつも、ジャケット・アートワークは重力から解き放たれたような翼がシンボリックに描かれています。このタイトルやアートワークにはどのようなメッセージが込められているのでしょうか?

みんなが予想できないようなことをしたかったのと、とにかくメタル・バンドの型から出たかった。メタル・バンドのジャケットっていつもダークで怖いイメージがあるけれど『Gravity』のアートワークは元気良く、テンションが上がる、進歩しているイメージにしたかったんだ。引っ張られる引力ではなく、もっと活気的な意味を持たせたかった。アートワークのアイディアは自分のものだったんだけど、俺はアーティストでもグラフィック・デザイナーでもなんでもないので、ちゃんとそれを形にできる人たちにお願いして、自分が思い描いていたものにすごく近い作品にしてもらったんだ。

-また、今作は音楽性としても、アグレッシヴで原点回帰だった前作とはまったく違う方向性になっていますね。ヘヴィでありながらも、非常にメロディアスな作品ですが、今作はなぜこのような音楽性になっていったのでしょうか?

曲作りをしていて、ワクワクするような音楽を作りたかっただけなんだ。過去にやったことはもうやりたくなかったし、『Venom』は自分たちがメタルでできるすべてをやり切った作品だった。それを上回るものはないと思ったし、似たようなものを作ることは退屈で興味がなかった。異なった曲作りやサウンドで実験したいと思い、このサウンドが思い浮かんだんだ。

-「Leap Of Faith」のエレクトロなイントロには驚きました。作曲の段階でこういう要素を入れる曲にしようというのは決められていたのでしょうか?

いろいろサウンドを実験しているうちに、このエレクトロニックなサウンドが出てきたんだ。スピーカーから流れ出ると期待感や希望を感じ、これをアリーナか大勢の観客の前でオープニングとして演奏して、"ダカダカダカダカッ"ってドラムのビートにみんなが"ワーッ!"と盛り上がるのが目に浮かんだ。どの曲もすごく念入りに練って考えたけど、この曲は特に、イントロとして最高だと感じたよ。これから2年間のツアーは毎回これで始めたいね。