DISC REVIEW
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これまで5作品をリリースしてきたレーベルを離れて、心機一転ということもあり、サウンド的にも新章突入となるアルバム。特に前作がヘヴィ・メタル回帰のゴリゴリなサウンドだったため、振れ幅が大きく感じる。今作では激しいシャウトやスクリームよりも、メロディを重視したヴォーカルが印象的で、エレクトロニックなサウンドをイントロに用いるなど新鮮な要素も。「Over It」のようなアンセミックなナンバーでは、ヘヴィなパートもしっかり盛り込まれていて、全体的には、これまで彼らが培ってきたメタルという器にポップなエッセンスを注いだという印象。あくまでもメタル・バンドでありながら、激しさや技巧的な装飾に頼らない表現を見つけ出した、彼らのソングライティングの素晴らしさを味わえる作品。 山本 真由