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INTERVIEW

ONE OK ROCK

2011.02.08UPDATE

2011年02月号掲載

ONE OK ROCK

Member:Taka(Vo) Toru(Gt)

Interviewer:道明 利友

-武道館のライヴはDVDとしても発売されますけど、あの日は僕も見させてもらって……。今までライヴ・ハウスでやっていたことが、そのままスケール・アップした感じというか。武道館っていう会場でもハデな演出を使うわけでもなく、良い意味で、今までONE OK ROCKがやってきたことをそのまま表現したようなライヴだったように感じたんです。

Taka:演出的には、ハデなことを……。例えば、花火上げようとかっていうのは全然考えてなかったし(笑)。ただ、大切なことは、来てくれたお客さんが楽しんでくれるかどうかが全てだと僕は思ってるんです。武道館ではたぶん、僕らを初めて観に来た人が大部分だったと思うんですね。1万人以上っていう人数を目の前にしたのは、もちろん僕らも初めてだったし。で、普段の僕らを観に来てくれてた人たちっていうのも、だいたい多くても2000人くらいっていうキャパの中での楽しみ方しか知らなかったと思うんですよ。もしくは、小さいライヴ・ハウスでの楽しみ方しか。そういう人たちに武道館で楽しんでもらいたいっていう方法を考えた結果、演出とかパフォーマンスがああいう形になりました。だから、花火を上げたりとか派手な演出だとかじゃなくて、来てくれる人たちに対して最大限の配慮というか、“同じ空間を一緒に作る”っていうことしか考えなかったんです。普段のライヴよりもお客さんとの距離は遠かったけど、そこにいる人たちを全員楽しませたいっていう思いがああいう形になったっていうか……。で、そういうやり方は初めてだっただけに、あの1回だけで成功っていうことは絶対ないんですよね。これから2回、3回……って積み重ねていくことで完成に近づいていくと思うんで、そういう意味では反省点とかやり残したことはありますけど、色んなことを考えてああいうライヴをやったことは、良い勉強になったと思います。

-今までのライヴ・ハウスとは違う反応は、武道館ではやっぱり感じたりしましたか?

Toru:それがやっぱり、一番難しかったところで。単純に言うと、ステージと客席の距離が普段と比べるとすごく遠かったりして、ノリがつかめなかったり。と言って、上の方も最初はそんなに落ち着いて見れなくて(笑)。上の方まで客席がバーッと埋まってて、これはどこを見たらいいのかなみたいな。ライヴ・ハウスやったら、もうこのへん(目の前)の視野に集まってるわけですよね、全てが。それに対する戸惑いっていう訳でもないけど、“これが武道館なんやな……”っていう感じはありましたね。けど、やっぱ、自分たちもアガッてくるじゃないですか。演奏した曲も今までずっとライヴ・ハウスで演ってきた曲だったし、それと同じようにいつも通りのライヴを俺もしたかったし、メンバーもそれは同じ気持ちやったし……。そのみんなの気持ちがアガッていく中で、例えばライヴ・ハウスやったら前にガンガン来る人たちが、武道館ではそれが出来ない。そういう中で初めは戸惑ったところもあったけど、後半になるにつれて、その景色をちょっとずつとらえてきたので、後は “届いたらいいな”っていう気持ちで演ってました。

-それはもう、間違いなく“届いてた”と思いますよ。ライヴ・ハウスでやってるのと全然変わらない熱さがありましたし。武道館でもああいう激しいライヴをやってる姿が素晴らしいなと僕は思ったんですけど、そういう今現在のONE OK ROCKのライヴのスタイルが作られた要因みたいなものって、本人的にはどう自己分析しますか?

Taka:なんでしょうね……。まずは、僕ら自身の好きなバンドがそういうライヴをやっているっていうのもありますし。あと、僕ら自身はただ一生懸命やりたいだけで、その一生懸命の表現方法っていうのも色々あると思うんですけど……。それを観てるファンが、普段はすごくおとなしそうな人が多かったりするんですよ。そういう人たちがライヴ・ハウスに来て、例えばダイヴしてる人とか見ると、ものすごくパワーをもらえるんですよね。なんか、おとなしそうな子なのに、自分たちがステージから放つ音楽やメロディや歌詞ですごい勢いで飛んで来て(笑)。なんなら殴られるんじゃないかぐらいの勢いで迫ってくる人たちを見ると、もう単純に俺らも頑張んなきゃいけないなってすごく刺激されるし、すごく嬉しいし。そうじゃなくて、淡々と曲を演っていくライヴももちろんできますけど、それは今の僕らにはちょっと耐えられないというか、自分たちもガーッといかないと成立しないんですよね。もしかしたら、これから30年、40年って経っていったらものすごく落ち着いたライヴを演るかもしれないけど、今はそういうお客さんもどんどん増えてきてるし、そこに1個1個応えていきたいっていうのは大きいですよね。

-お客さんの激しい反応に、“負けてらんねぇ!”みたいな。ある意味、メンバーとお客さんのぶつかり合いみたいな感覚かもしれないですね。

Taka:そうそう。普段聴いてるCDで覚えた曲がライヴに来て流れてきたら、瞬間で反応して大声で歌って飛んでくるっていう……。でも、それが絶対楽しいんですよね。俺もそういうライヴに行ったらきっと楽しいと思うから、その楽しさをもっと増やしてあげたいと思うんです。

Toru:自分たちが好きな方向にどんどん向かってるっていうのは、今はやっぱりあると思うし。そういうライヴで色んなバンドと一緒にやらせてもらって、そっから刺激受けるっていうのもあるし。あとはやっぱり、ライヴで俺らがどう盛り上がりたいか、みんなでどう楽しみたいかっていうのも、たぶん今後も楽曲制作には出てくると思うんですよね。そういう中でメンバーみんな、年々、音楽を楽しめるようにどんどんなってきてるから、その勢いっていうのが出てると思うんですよね。“楽しめてる”っていうのが、今の曲にも。