LIVE REPORT
OZZFEST JAPAN 2015 -DAY2-
2015.11.22 @幕張メッセ
【Opening Act】SALTY DOG / 彼女 in the display / a crowd of rebellion / ANIMETAL THE SECOND
"OZZFEST JAPAN 2015"2日目のスタートを切ったのは、SALTY DOG。初日のトップバッターだったUnveil Razeと同様、"Red Bull Live on the Road 2015"のファイナリストである。"夢はぜってぇ叶うから!"という清々しいMCと共に放たれるラウドなナンバーは、早々から会場に集まった観客を沸かせていた。続く彼女 in the display、a crowd of rebellionらも負けずと熱演でバトンを繋いでいく。オープニング・アクトのラストはANIMETAL THE SECOND。ギタリストにルーク篁(CANTA/聖飢魔II)、ベーシストに山下昌良(LOUDNESS)、ドラマーに本間大嗣(ex-ANTHEM)という豪華すぎるサポート・メンバーを迎えての登場だ。アニソン界のアンセム「ライオン」、「創聖のアクエリオン」、「君の知らない物語」がメタル・アレンジされて幕張メッセに放たれた。この激レア感でもって、2日目への期待は一気に加速。優れたエンターテイナーが集結したこの日のオープニングに相応しいラインナップだったと思う。(MAY-E)
HER NAME IN BLOOD
どでかいバックドロップを背に、まるで海外アクトのようなスケールで観客の度肝を抜いたHER NAME IN BLOOD。もともとシーンの中でも頭ひとつ抜きん出たバンドであったが、この日のショーは、HER NAME IN BLOODという新たなメタル・ヒーローの出現を予感させるものだった。
今年9月にリリースしたメジャー・デビュー・アルバム『BEAST MODE』より「LET IT DIE」が轟けば、待ってました!とばかりに客席に特大のモッシュピットが発生。客席に噛みつきそうな勢いのIkepy(Vo)を始め、バンドは文字通り"BEAST MODE"全開のようだ。畳み掛けるように「BLEED ON」へ。客席の熱量もどんどんと増していく。
"オズフェスト! 調子はどうだ? 今日は世界一のメタルの祭典。メタルの新たな歴史を作っていこう!"とIkepy。これには会場の後方からも歓声が飛んでいた。
2本のギターの裏側に"OZZ"と"FEST"、ベースの裏側にはOzzyの写真がペイントされているなど、Ozzyへのリスペクトを感じられる一興も見られた。
学園ドラマ仕立てのトンデモなMVが話題だった「ONE REASON」も、幕張にダイナミックに響いていた。ラストは「HALO」をお見舞い。もはやライヴハウスに収まりきらないんじゃないかと思うくらいの圧倒的なスケール感である。キッズのみならず往年のメタル・ファンも唸らせるステージだった。爆発力もすごいが、華もある。それに、エンターテイナーに必要なユーモアもある。もう全部揃ってるじゃないですか。あとは突き進むだけ。メジャー・シーンでもビーストらしく存分に暴れて欲しい。(MAY-E)
OLDCODEX
ヴォーカリストとペインターという、異色のロック・ユニットOLDCODEX。今年2月に日本武道館でのワンマン・ライヴを成功させ、来年2月には武道館2DAYS公演も予定されている、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの人気アーティストだ。人気TVアニメ・シリーズのタイアップの影響もあるのだろう、会場にはOLDCODEXのTシャツを着た小学生くらいのファンの姿も見られるなど、観客の年齢層は幅広いようだ。
黄色い歓声が飛び交う中、「Reminder」でショーはスタート。のっけから全編シャウトというハードなナンバーで観客を驚かせた。続いてはメタル・エッジなナンバー「Feed A」。重厚なビートにシャウトを織り交ぜたアグレッシヴなステージングは、完全にメタルコア・バンドのそれだ。「Backed out」、「Lost before」とメタル・フェスならではといえるセットリストで、エネルギッシュにライヴは進んでいく。
ギタリスト、ベーシスト、ドラマーと3人のバック・バンドを率いて歌うヴォーカリストTa_2。そこだけ見ればシンプルなロック・バンドなのだが、ペインターのYORKE.が加わることで視覚的にユニークに変化する。YORKE.は曲に合わせてダンスし、頭を振り、ときどきシャウトもしながら、ステージの左右に用意された2枚の画板にペインティングしていくのだ。ドクロが徐々にOzzyの顔に変化していくなど、終演までにはOZZFESTにちなんだイラストが完成。そんな稀有な光景を、食い入るように見ていた観客も多かった。
彼らはKORNなどのヘヴィ・ミュージック・ファンであることを公言しているが、そのヘヴィ・ミュージック魂を今日のステージに垣間見ることができたのは良かった。(MAY-E)
Fear, and Loathing in Las Vegas
サウンド・チェック中からキラー・チューンをプレイし、どんどんオーディエンスが集まってくる。期待度満点だ。暴力的なエレクトロSEに乗って、メンバーは元気よく走ってステージに登場し、低音がズンズンと腹に響く。"全員で楽しんでいこうぜ!"甲高いSo(Vo/Prog)のMCを皮切りに「Rave-up Tonight」からスタート。フェスではお馴染みのバンドだけに、1曲目からお客さんを掴もうという気概が伝わってくる全力のパフォーマンス。会場を熱狂のダンスフロアへと変貌させ、「Meaning of Existence」ではフロントのメンバーが同じ動きで頭を振ってボルテージを高めながら、複雑な構成の曲をものともせず高い演奏力で圧倒していく。Sxun(Gt)が"ほとんどの人が俺らのライヴを初めてだと思うけど、一生懸命やります。一緒に楽しんでいってください!"と煽り、「Let Me Hear」を全力でプレイしたあと、自然と拍手が起こった。完全ヲタノリな「Party Boys」では、普段ダンスをしない人にもわかりやすい動きで一体感を誘導し、このシーンは現代のラウドロックを象徴しているかのようでとても印象に残った。「Virtue and Vice」ではMinami(Scream Vo/Key)がフロアに下りて、そのあとお立ち台でシャウト。アンセム「Love at First Sight」へと雪崩れ込み、オーディエンスにボディブローをお見舞いするかのような激烈なパフォーマンスを見せつけ、しっかりと爪痕を残していった。(KAORU)