INTERVIEW
HER NAME IN BLOOD
2016.09.14UPDATE
2016年09月号掲載
Member:Ikepy(Vo) Daiki(Gt) TJ(Gt) Makoto(Ba) Umebo(Dr)
Interviewer:荒金 良介
-今回のメジャー1stフル・アルバム『BAKEMONO』は間違いなく最高傑作です! 過去の曲名を含めても、日本語タイトルは初ですよね?
Daiki:初めてですね。
-"怪物"みたいな意味合いだと思いますけど、今作で本当に"化けた"なと。
Makoto:あぁ、それは新しい解釈ですね。『BAKEMONO』を"進化"、"レベルアップ"という言葉に繋げてくれたのは嬉しいです。僕たちは日本のバンドとして海外に出ていきたい気持ちが強くて。今までは"BEAST"みたいなイメージを置いていたけど、それを日本語で言えないかなと。ジャケット写真は海を渡ってるイメージで、このイカはDaikiなんです。
Daiki:俺がイカなんです(笑)。
-言われてみれば、Daikiさんの髪型はイカっぽい。
一同:はははは(笑)。
Makoto:僕たちバケモノが海を渡っていくみたいな意味を込めました。特に表題曲「BAKEMONO」(Track.6)は和的なおどろおどろしいフレーズが入ってるし......作ったときは狙ってなかったんですけどね。
Daiki:表題曲は日本を意識したわけじゃないけど、メンバーから"和を感じる"、"日本人っぽい"と言われて。あっ、俺は日本人だなって(笑)。
-結成時から、日本人らしさは意識してました?
Makoto:結成時から強く意識してましたね。日本人らしさをどこに置くかで違うけど、もともと僕らの楽曲は緻密だし、演奏もきっちりやろうと意識してましたから。今回はさらに和っぽさが曲に表れたので、それも日本人らしさに繋がるなと。
-今回のタイミングで和的な要素が前に出てきたのはなぜですかね?
Makoto:開き直ったところもあるのかな(笑)。
Ikepy:そこは自然ですね。表題曲を作ってるときに変化が起きたのかなと。
-では、最初のアルバム像はどんなものでした?
Daiki:今年リリースしたEP『Evolution From Apes』に新曲2曲(「LAST DAY」、「DOWN」)を収録したけど、そのときに僕らの音楽のレンジが広がったから、メタル・アルバムはもちろん、いろんな音楽が好きだし広い意味でロックを鳴らそうと。
TJ:いろんな曲調を入れて、バリエーションのあるアルバムにしたかったんです。
Makoto:今作で"ザ・HER NAME IN BLOOD!"みたいなオリジナリティが出せたと思います。
-それは本当に同感です。Umeboさんは?
Umebo:今回は録り方も違ったので、過去の作品とは違うアプローチになったと思います。より生のサウンドの良さをパッケージできたし、今の時代には珍しいタイプの音源だなと。今はドラム・マシーンを平気で使うけど、生で録ったものを縦に揃えることもしなかったので、00年代のデスラッシュあたりやUNEARTHなどを彷彿とさせるドカドカした勢いは出せたと思います。
Makoto:ほかにはHATESPHEREとかね。HER NAME IN BLOODのメンバーがちゃんと演奏してる感じは出したかったですね。
-Daikiさんは前作収録の新曲でバンドのレンジが広がったと言ってましたが、もう少し言うと?
Daiki:楽曲をシンプルに削ぎ落とすことができたんです。Ikepyもメロディアスに歌うようになったし、Makotoがダイレクトに歌ってるパートもあるので、自分たちの可能性が広がったなと。
Makoto:武器が増えた感じだよね。コーラスしてる人が音源でも実際に歌うという。
-今作はコーラス・ワークも増えてますもんね。メタルの激しさがありながらメロディはさらに磨き抜かれて、楽曲のスケール感も格段にアップしてます。
Daiki:もしIkepyの歌がなくても、かっこいいと思える曲にしたくて。そのためにはギターがかっこよくないとダメですからね。それでジャケット写真でもイカちゃんがギターを持っているんですよ(笑)。
-(笑)メタルはギターが命ですもんね。あと、直情的なリフで畳み掛ける攻撃性も一段と高まってませんか?
Daiki:肉体的な刻み系リフは増えてますね。僕はそっちの方が得意だし、喝を入れたい気持ちもあったから(笑)。最近のメタルコアは僕的にあまりパンチを感じなくて......。
Makoto:ギター・リフが甘いと?
Daiki:俺のダウン・ピッキングについて来い! と(笑)。そこも聴いてほしいです。
TJ:全体的にメタルコアというより、メタル寄りのリフが多いですね。METALLICA、MEGADETH、SLAYERとかあのへんですね。