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LIVE REPORT

OZZFEST JAPAN 2015 -DAY2-

2015.11.22 @幕張メッセ

HATEBREED

バンド結成から21年。未だメタルコア/ハードコアの王者に君臨し続けるHATEBREED。2010年の来日から5年ぶりとなる。フェスへの出演は2009年の"LOUD PARK"以来だ。SEにはINNER CIRCLEの「Bad Boys」が流れ、「Everyone Bleeds Now」からスタート。マッチョで逞しいプレイに、観客のガチのハードコア勢たちが獰猛なブレイクダウンに合わせて暴れに暴れまくる。「In Ashes They Shall Reap」では、ハーコー・キッズたちの永遠のカリスマJamey Jasta(Vo)は、TESTAMENTのTシャツに"Monster Energy"のリストバンドという出で立ちで、ラップを交えたヴォーカルで統率していき、フロアはジャンプして応戦する。ストイックな始まり方だ。"Welcome To OZZFEST! A DAY TO REMEMBER、BLACK LABEL SOCIETY、JANE'S ADDICTION、Crystal Lake、そしてOzzy。リスペクトするバンドと出れて嬉しいよ。"と、ピースフルな雰囲気のMCのあと、「Honor Never Dies」から「Last Breath」まで、じわじわと盛り上げていく。オーディエンスから"HATEBREED!"コールが沸き起こる中、Jameyは"5年ぶりに来れて嬉しい。メタルもパンクもロックンロールもハードコアも最高だ"という旨のMCを入れ、心があたたかくなる。烈火のごとく燃えさかるような「Empty Promises」からはそこかしこにサークルピットが生まれ、爆発音のような重低音が身体に染み込んでくる。往年のアンセム「Destroy Everything」では、曲中にメンバーをひとりひとり紹介し、ラストの「I Will Be Heard」まであっという間の13曲を披露。漲る負の感情をすべて音に昇華し、ピースに暴れさせ、明日へのパワーをくれるHATEBREEDのライヴは、いつ観ても逞しく圧巻だ。(KAORU)

BABYMETAL

"なぜBABYMETALが誕生したのか"。その背景が、まるでハリウッド映画のようなプロローグ映像で綴られたところで、いよいよBABYMETALが登場だ。幕張メッセは、今日ここまでで1番の歓声に包まれた。OZZFEST初年度のももいろクローバーZに変わるアイドル枠と思われがちだが、彼女たちの立ち位置はももクロとはまったく異なっていた。
定番のご挨拶ソング「BABYMETAL DEATH」でショーはスタート。オーディエンスからはお決まりの振りやかけ声が飛ぶというアイドルらしい一体感があるのはもちろんだが、同時に、アイドルらしからぬモッシュさながらの白熱した盛り上がりを見せていた。
"かもーん! オズフェストー!"とセンターのSU-METALが叫べば、唸るような歓声を響かせて会場はさらにヒートアップ。もはや圧巻の景色である。駆け抜けるように人気曲「ギミチョコ!!」、「いいね!」へと繋ぐ。途中、"オズフェストー♪"という可愛すぎるコール&レスポンスも飛び出した。
重厚なメタル・サウンドに合わせたハードでキレのあるダンス。それはもう機械的なほど完璧だ。大型スクリーンに映る姿で彼女たちが汗だくなのはすぐにわかるが、3人とも顔色ひとつ変えない。それでいてヴォーカルはすべて生歌なのだから、すごい。すごいよ! 海外の大御所メタル・バンドがこぞって彼女たちに賞賛を送っている理由が嫌でもわかる。
BABYMETALはその楽曲だけでも十分に楽しめるけれど、例えばウォール・オブ・デスひとつとってもベビメタらしい理由づけがされていたりするので、ショーにおいてすべてが完結するのだなぁと再認識。これぞエンターテイメント! これからも世界中のメタルヘッズを虜にしていくことでしょう。(MAY-E)

JANE'S ADDICTION

OZZFESTのラインナップが発表されたときに1番驚いたのが、JANE'S ADDICTIONだった。1988年のデビュー以来、オルタナ・シーンをを牽引してきたスーパー・バンドで、その功績は計り知れない。また、Perry Farrell(Vo)が組織している"Lollapalooza"は1991年~1997年、2003年、2005年から現在まで開催されている有名なフェスで、誰でもその名前は聞いたことがあるのではないか。しかし、バンドの来日は2002年の"FUJI ROCK FESTIVAL"が唯一で、今回のOZZFESTは13年ぶりの奇跡のライヴだ。また、今夜のショーではX JAPANのYOSHIKIが出演することが発表されている。メンバーが登場し、Dave Navarro(Gt)のリフとファンキーなリズムで一世風靡した「Stop」から幕が切られた。赤いハットが似合うスリムなPerryの姿はセクシーで完璧なのだが、いかんせん声がヨれていてちゃんと歌えているとは言えないし、演奏はDave以外かなりもたついている。しかし、このあとたびたび登場するセクシーな女性ダンサーがステージに華を添えているのも功を奏しているし、この曲を日本で聴けただけ満足だ。「Just Because」、「Three Days」も彼らの代表曲だが、Daveの奏でる憂いが漂うギターは素晴らしいし、Perryの歌は不調ながらも、陶酔し切った表情で歌っており、その絵面は美しい。90年代感溢れるサウンドと、女性ダンサーの妖艶な動きがマッチしている。「Been Caught Stealing」は原曲よりかなり遅いリズムで、キメもバラバラでいまいち演奏がまとまらないまま進行してきたが、「Ocean Size」では、演奏を含めて独特の世界観に圧倒された。今日のハイライトは間違いなくこの曲だろう。そして、PerryがX JAPANのYOSHIKIをステージに招き、「Classic Girl」のピアノをYOSHIKIが弾くというコラボレーションが実現。PerryはYOSHIKIの側に寄り添って歌い、YOSHIKIは流麗な旋律を奏でながら、満面の笑みだ。演奏が終わったあと、YOSHIKIはメンバーとハグを交わし、最後にXポーズを決めて颯爽と去って行った。ラストの「Whores」では、Dave自身もはまっているというボディサスペンション(※皮膚に直接フックを通して吊り下げるパフォーマンス)を女性ダンサーが披露し、なんともザワザワした空気の中、巻きの時間で終了した。ファンとしては「Jane Says」をやって欲しかったが、今度は本調子の状態での単独来日に期待したい。(KAORU)

OZZY OSBOURNE & FRIENDS

いよいよ大トリ、OZZY OSBOURNE & FRIENDSの登場だ。Ozzyのために集まった"Friends"は、Geezer Butler(BLACK SABBATH)、Tom Morello(RAGE AGAINST THE MACHINE)、Zakk Wylde(BLACK LABEL SOCIETY)、Dave Navarro(JANE'S ADDICTION)という豪華すぎるメンツ。さらに、メタラーであることをたびたび主張しており、Ozzyをリスペクトしてやまない国民的ご当地キャラのふなっしーも参加する。荘厳なSEにのって、御大Ozzy Osbourneが登場すると、この2日間で1番の歓声が轟き、"Hey!Hey!Hey!"というOzzyの煽りに合わせて声と拳が上げられる。GUS G.(Gt)、 Rob Nicholson (Ba)、Tommy Clufetos(Dr)、そしてOzzyの4人で、「I Don't Know」からスタートし、ザクザクとしたリフとOzzyのパワフルな声、重厚で安定感のあるリズム隊の音が熱狂を煽る。そして、早速Tom Morello(Gt)が登場すると、「Mr. Crowley」が荘厳に奏でられる。ワウを使ったTomの独特のギター・ソロを喜々としてプレイし、歯でギターを弾くと、背面には"Ozzy Rules!"とペイントされていた。これを見たOzzyはたまらない表情でTomにキスをする。「Bark At The Moon」でもTomはトゥーマッチな奏法で自己主張する。Ozzyは好調なパフォーマンスを見せているが、若干音を外してしまうのは重なりすぎたギターで音を取りづらかったのかも? 「Suicide Solution」、「Flying High Again」、「Shot In The Dark」は基本の4人でプレイされ、GUS G.のギター・ソロのあと、Geezer Butler(Ba)とTomが再び参加し、「Iron Man」と「N.I.B.」が披露された。Geezerの品格あるオーラといったら! もちろん、プレイもまったく衰えておらず、独特の厚みのあるGeezer印の音を聴かせてくれた。Ozzyはギター・ソロなど少しでも間が空くと、あとはよろしくと言わんばかりに、オーディエンスに向かって巨大ホースから泡鉄砲を噴射している。66歳なのに5歳児の悪戯っ子のような表情のOzzy。可愛すぎでしょう。「Snowblind」と「Behind The Wall Of Sleep」を笑顔のGeezerとプレイしたあと、Dave Navarro(Gt)が登場し、「War Pigs」がプレイされ、大合唱の嵐が沸き起こる。Daveはハットを被って黒いシャツという出で立ちで、GUS G.ともTomとも違う独特の音色でこの名曲を彩っている。Tommy Clufetos もド派手なパフォーマンスを見せつけている。Geezerはベースを持ち替え、複雑なリズム構成の「Fairies Wear Boots」をプレイ。この曲でもDaveはさすがのギター・ソロを見せ、Ozzyもぶれないロングトーンをしっかりと聴かせてくれた。「I Don't Want To Change The World」ではZakk Wylde(Gt)が登場し、鋼鉄のリフが奏でられると歓声が起き、サビでは大合唱! Ozzyの感謝を込めたMCのあと、待ってました! 「Crazy Train」! Zakkのギター・ソロの間、Ozzyはバケツで水をバシャー! ホースで泡をブシャー! とぶっかけまくる。このお祭りがいつまでも続けばいいのに......と思っていると、すぐにOzzyから"One More Song!"とオーディエンスとコール&レスポンスしたあと、「Mama, I'm Coming Home」が感動的に演奏された。ライターで火を灯す人が続出し、とても美しい光景を演出していた。大ラスには、ゲスト総出演で「Paranoid」がプレイされる。ギター・ソロの間にはふなっしーが登場! 何をするのかと思ったら、何をする間もなくOzzyから泡鉄砲をブシャーッとかけられ、すぐに身の半分が真っ白になってしまう。シュールだ。ふなっしーも負けじと口からホースで水(梨汁?)をブシャーッと放出し、渾身のヘドバンも見せてくれたが、泡で固まってしまったのか、だんだん動きが鈍くなり、途中でスタッフによって強制退場させられてしまった。その時間は約2分弱であったが、あくまでマスコット・キャラとして、このお祭りに華を添えてくれた。Ozzy、Geezer Butler、GUS G.、Tom Morello、Dave Navarroが並んでいるというミラクルな光景......。それぞれ独特の個性を持っているメンバーが全力でプレイし、Ozzyへのリスペクトを表現していた。演奏が終わると、メンバー全員が肩を組んでお辞儀をし、大団円をもって終了。最高に楽しい2日間をありがとう! OZZFEST! We Love Ozzy!(KAORU)