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LIVE REPORT

OZZFEST JAPAN 2015 -DAY2-

2015.11.22 @幕張メッセ

A DAY TO REMEMBER

"2001年宇宙の旅"の壮大なSEに乗って、拳を上げながらメンバーが登場する。新作『Common Courtesy』の反響も絶好調なA DAY TO REMEMBERのステージが始まる。"トゥルルルトゥットゥッ!"というイントロが始まると、待ってました!とばかりにフロア前方に大きな穴が開き、「The Downfall Of Us All」が始まると思い思いに暴れるオーディエンス。最後の"ALL!"のキメではそこかしこから拳が上がり、その勢いを「2nd Sucks」へ。Neil Westfall(Gt)とKevin Skaff(Gt)の獰猛なシャウト・コーラスを響かせ、Joshua Woodard(Ba)も頭をブンブン振り、ジャンプしながらプレイ。余裕の表情でサークルピットを煽るJeremy McKinnon(Vo)もニクい。「Right Back At It Again」では一転してポップなサウンドとなり、観客が後ろからどんどん集まってきた。ツーステップを踏みながら楽しむ人もかなり増え、ピースフルな雰囲気だ。「I'm Made Of Wax, Larry, What Are You Made Of?」ではヘドバンで一体感を高める。振り幅の広い音楽性を見せつけ、抜群の安定感のある演奏は流石のひと言だ。"5~6年ぶりだけど、こんなに大きなフェスに出れて嬉しいよ"と、Jeremyは万感の思いを込めて感謝を告げた。豪華メンバーが出演しているMVが話題沸騰したアンセム「All I Want」ではシンガロングが起き、"ジャンプしろよ!"と煽り、ラストには「The Plot To Bomb The Panhandle」がプレイされ、繰り返されるギター・リフが印象的な間奏部分でJoshuaはベースをぶん投げ、メンバーとオーディエンスのジャンプが会場中に大きな振動を起こした。(KAORU)

9mm Parabellum Bullet

圧倒的なプレイヤビリティと初期衝動的なステージングで観客を魅了したのは、9mm Parabellum Bullet。ロック・フェスの常連バンドであるが、このようなメタル・フェスへの出演はこれが初めてであろう。
「Discommunication」でライヴはスタート。彼らのステージ前には、オーディエンスが駆け足で吸い寄せられていく。続く「Cold Edge」では、菅原卓郎(Vo/Gt)がギターをかき鳴らしながらステージを転げ回るという熱演ぶり。歓声を飛ばす客席の熱量もすごい。そこから「生命のワルツ」で、メタルヘッズも思わず足を止めるような轟音を放った。頭3曲ですでに最高です!
"Ozzyと同じステージに立てて光栄です。ありがとうございます"と菅原。さらに"僕らを含めユニークなバンドばかりっすね。普通じゃ太刀打ちできないってことですよね!"とのコメントに、オーディエンスから大歓声が沸き起こる。
「Black Market Blues」、「Living Dying Message」、「新しい光」と、その勢いを加速させ、ラストは「Punishment」。プログレッシヴな楽曲を体現する抜群の演奏力。ステージから放たれるヘヴィネスの応酬に、思わず息を呑んだ。爪痕を残すとはまさにこのこと。メタル・バンドではないけれど、このバラエティに富んだOZZFEST2日目のラインナップの中で、彼らの存在は特に際立っていた。(MAY-E)

BLACK LABEL SOCIETY

Zakk Wylde(Vo/Gt)率いるBLACK LABEL SOCIETY。10年ぶりの来日となる今日はBLACK LABEL SOCIETYを目当てに来ている人もかなり多い。SEにLED ZEPPELINの「Whole Lotta Sabbath」が爆音で流れると、あちこちからメロイック・サインが飛び交う。Zakkは金髪のロン毛に長い髭とゴツい身体で、出てきた瞬間からそのオーラの大きさに圧倒されてしまった。フライングVを持ち、「The Beginning...At Last」からスタート。リフがどれもこれも印象的で、ソロではギターを頭の後ろに回して弾くというパフォーマンスを見せつける。カメラワークも、Zakkの手元を中心に写している。様々な奏法を惜しげもなく披露し、早くも鳥肌が立ってしまった。ギターをレスポールに持ち替え、「Bleed For Me」ではキングコングのように胸を叩いてオーディエンスを威嚇する。まさにメタルの猛獣ここにあり! どこまでもグルーヴィ且つヘヴィなサウンドで会場の熱をどんどん高め、ギター・ヒーローとはこうあるべきということを改めて認識させられる。「Suicide Messiah」では舞台袖から拡声器を持った人が現れ、拡声器でコーラスをするという場面も。ツイン・ギターの絡みには口がぽかーんとなってしまうほど圧倒された。曲が終わったあと、"BLS! BLS!"と、興奮を隠せないオーディエンスの声が大きく響く。MCでは"Are You Ready?"と何回も煽り、抜群の統率力で一体感を大きなものにしていき、ラストはミディアム・テンポの「Stillborn」。リズムのアクセントの取り方なども含めて聴かせ方が抜群に上手く、正統派ヘヴィ・メタルの教科書を見ているようだ。プレイが終わると、Zakkは汗を染み込ませたタオルを大きく掲げ、長い余韻を残してステージを去っていった。猛獣Zakk Wylde、恐るべし!(KAORU)

人間椅子

OZZFESTに2年連続で出演を果たした人間椅子。この奇妙なバンド名は江戸川乱歩の小説に由来するという。KING CRIMSONばりのプログレッシヴな楽曲や、3ピースとは思えない音圧とその演奏力に驚くばかりだが、何より目を引くのはその出で立ちだ。
後ろで髪を結って眼鏡をかけた文豪風の和嶋慎治(Vo/Gt)。その隣にいる鈴木研一(Vo/Ba)は、まるで白塗りの織田無道といった風貌。そのふたりが交互にヴォーカルをとり、お経にも似たメロディを歌うのだ。まるで、お祭りに遊びに来たら間違って見世物小屋に入ってしまったような、最初はそんな感覚があったのだけど、ひとたびMCとなれば人間椅子のもうひとつの魅力に触れることできて、思わずほっこりとしてしまった。
OZZFESTへの出演がアルバムをリリースするきっかけとなったそうで、OZZFESTに対してしっかりと感謝もしていたし、"声援ありがとう!"という客席に向けられたその笑顔も清々しくて印象的。リーゼントのメンバー、ナカジマノブ(Vo/Dr)を"昭和のヤンキー"と弄って笑いを誘ってみたりと、なんだか妙に愛嬌があるおじ様たちなのだ。メタル/ハード・ロックを、これほど日本人らしく、そしてユニークな形で昇華していたバンドがいたとは衝撃でした。いい意味で泥臭くて良い。
"死ぬまでバンドを続けるつもりですんで、よろしくですー!"和嶋の最後の一声に、会場のいたるところからメロイックサインが上がっていた。本当に、死ぬまでバンドを続けていって欲しいです。(MAY-E)