DISC REVIEW
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A DAY TO REMEMBERにとっては、Fueled By Ramenに移籍後初のアルバムとなる今作。パンク・シーンに影響力のあるBill Stevensonをプロデューサーに迎え、どちらかと言えば硬派なハードコア寄りの表現が目立った前作とは異なり、今作ではONE OK ROCKやPAPA ROACHらを手掛けたColin Brittainをプロデューサーに迎え、よりキャッチーな方向性に振り切った印象だ。もちろん、ADTRらしいブレイクダウンなど、ゴリゴリでヘヴィなパートは健在だが、Fueled By Ramenバンドっぽいクロスオーバーが、もともと彼らの持っている多面性にさらなる彩りを加え、進化させたということだろう。ポップな部分はよりポップに、全体的に丸みを持たせることで、ヘヴィな楽曲がよりシャープに、重たく聴こえる、その振り幅の大きさも聴いていて気持ちがいい。改めて、本当に器用なバンドだと思う。 山本 真由