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LIVE REPORT

DEAD POP FESTiVAL -DAY2-

2015.07.12 @川崎市東扇島東公園特設会場

Writer KAORU

本日も快晴!昨日に引き続き、大盛況の東扇島東公園特設会場。ファッション・ブランドとバンドの物販ブースも充実しており、フード・ブースはあまり混み過ぎることもなく、すぐに購入できたし、とても快適だ。初日を終え感じたのは、SiMのスピリットに共感したバンド、キッズ、スタッフが一丸となって快適で楽しいピースフルなフェスを成功させたのだということだ。ライヴが終わったあとも会場にはあまりゴミが落ちておらず、明らかなマナー違反をしているような人も見当たらなかった。バンドと共にリスナーも成長していく過程が見られるのはとても嬉しいことだ。本日も、DEAD POP FESTiVAL(以下:DPF)に出演した数々のバンドのライヴをレポートしていく。

WANIMA / CHAOS STAGE
昨日のCHAOS STAGEはラウド/ハードコア・バンドがほとんどを占めていたが、本日はパンク・バンドが中心のラインナップとなっている。サウンドチェック時にはHi-STANDARDの「Stay Gold」のカバーをプレイし、本編前からサークル・モッシュが起きててんやわんやだ。Scatman Johnの懐かしいナンバーがSEで流れ、"DEAD POP行けますかー! 日本で1番DEAD POPが好き、WANIMAです!"松本健太(Vo/Ba)が開幕宣言をすると、高速ナンバー「Hey Lady」からスタートし、サークルモッシュとダイヴの嵐で、熱狂がどんどん加速していく。続く「雨あがり」ではSiMの「Blah Blah Blah」のフレーズを織り交ぜたりと、サービス精神満載だ。"こんなにたくさんの人の前でワンチャン狙えて......ワンチャンを簡単に言うと、男女が夜にハムスターごっこをすることです!今日はMAHくんからサガミオリジナル(※コンドーム)が配られると聞きました。俺もう着けとるしな"というMCに大爆笑。そして8月5日にニュー・シングルをリリースすることが告げられ、「終わりのはじまり」ではサビの"ラ"を合唱させる。「1106」では大きなサークルが生まれ、ウォール・オブ・デスが繰り広げられる。ラストに"もう1曲やりたい!"と、「Hey Lady」がもう1度プレイされるというサプライズも。エネルギッシュな演奏とステージングで、CHAOS STAGEを大いに盛り上げた。

HEY-SMITH / CAVE STAGE
今年4月に新ベーシストYUJIが加入し、新たな体制となったHEY-SMITH。"はじめるかーい!"軽快なMCを合図に、「Endless Sorrow」がプレイされると、会場はスカ・ダンス祭に。力強い表情で1音1音を紡いでいくメンバーの表情は晴れやかだ。メタリックなリフが印象的な「True Yourself」を演奏し切ると、"本当に待ちわびてた!"猪狩秀平(Gt/Vo)の力強いMCが放たれ、「Living In My Skin」へとなだれ込む。男気溢れる演奏に合わせて、狂騒の宴が繰り広げられる。「Like A Gentleman」のあと、"俺たちHEY-SMITHは実質活動休止状態で、バンドを続けるかどうかもわからなくなった。でもSiMはそんな状況でも誘ってくれた。だから今日俺たちは復活することができました。最高の気分です!"と、万感の思いを伝える。DEAD POP FESTiVAL立ち上げから共に歩んできたSiMとの熱い友情が、今日改めて結実したのだ。HEY-SMITH印の疾走感溢れるリズムに速いカッティング・ギター、自分が主役だ!とばかりに絶妙に主張するホーン・セクション、すべてが完璧なスカ・パンク・ライヴ。応戦するキッズたちは、炎天下をものともせずに暴れまくる。"活動休止して悪かった。そのあとメンバーを探して死ぬほど練習した。あの日に言ったことを思い出して楽器を手に取れ! バンドを始めろ! お前の人生かっこよくなる。俺たちと対バンしよう。DEAD POP FESのステージを目指せ! またそこで会おう!"このメッセージは、会場にいるすべての人の心に強く印象づけたのではないだろうか。この歌を歌うために復活したという「Goodbye To Say Hello」、SiMのMAHのリクエストだという「I'M IN DREAM」、そして、ラストには「Come back my dog」を激しくプレイし、HEY-SMITHが完全復活を遂げた瞬間を目に焼き付けた。

MAN WITH A MISSION / CAVE STAGE
灼熱地獄と言っても過言ではないほどの炎天下。しかし、CAVE STAGEの前方から入り口付近の後方まで人が溢れ返っている。いよいよ狼集団MAN WITH A MISSIONの登場だ。サウンドチェックではウォーミングアップとばかりに「distance」がプレイされ、まだ本編も始まっていないのに大盛り上がり。BAD RELIGIONの「Man With A Mission」のSEが流れると共にメンバーが登場。一発目に投下されたのは「Get Off of My Way」だ。オーディエンスの一斉のジャンプによって、会場に大きな振動が起きる。ストレートなロック・チューン「Dive」をプレイしたあと、ジャン・ケン・ジョニー(Vo/Gt/Raps)によるMC。"DEAD POP FESTiVAL! 人間ノ貴様ラハ楽シンデルノカ! 恐ラク日本デ1番熱イノハココダト思イマス。コレカラモット熱クシテヤルカラ、全員マトメテカカッテコイヨー!"そして「database」が始まると、前日に出演していた10-FEETのTAKUMAがステージに登場し、コラボレーションが実現された。「FLY AGAIN」では、SiMのMAHと怪獣のお面を被ったGODRiも登場し、さらに熱気が高まり、サビでは大合唱&狼ポーズで一体感をさらなる高みへと導く。フェスならではのお祭り感だ。叙情的なグルーヴが渦巻く「Seven Deadly Sins」がプレイされると、"日本ノバンド・シーン、トテツモナク大キナシーンガ出来上ガッテルト思イマス。コンナフェスガ日本中ドコデモ開カレルヨウニ、我々モ出来ルコト助ケテイキマス。我々ガ皆様ニ熱中症ニ気ヲツケロト言ッテモ説得力ナイト思イマスケド、最後マデ楽シンデッテクダサイ!暴レタイヤツカカッテコイ!"そして、「Out Of Control」、「Emotions」を立て続けに熱演し、会場は狼一色に染まった。

coldrain / CAVE STAGE
2010年の初開催時からDPFに出演し、SiMの盟友であるcoldrainのライヴが始まる。6月に行われた"LUNATIC FEST."では、アウェーな空間の中でも堂々たるパフォーマンスを見せ、着実に成長を遂げていることを確認したばかりだ。サウンド・チェックではSiMの「KiLLING ME」のカバーをヴォーカルレスで披露し、SEにFLYLEAFの「I'm So Sick」が流れる。"DEAD POP!ついてこいよ!"Masato(Vo)が煽り、キラー・チューン「The Revelation」がプレイされる。Y.K.C(Gt)、Sugi(Gt)、RxYxO(Ba)、Katsuma(Dr)の派手なパフォーマンスに応戦するように、そこかしこにサークルピットが生まれ、折りたたみヘドバンや拳を上げて全力で暴れるキッズたち。迫力満載の「Final Destination」、そして"声聴かせてくれ!"というMasatoのMCに応え、「Voiceless」では"Wake Up!Wake Up! Stand Up!Stand Up!"と大きなコール&レスポンスが起き、どんどん熱が増していく様はとても痛快だ。"club asiaが埋まらなかったときから一緒にやってます。俺は、すげえヘヴィな音楽が集まるラウドロックのフェスだと思ってます。もっといけるんじゃないんですか? DEAD POP!周りを見ろ! 全員がロック・ファンだ!暴れろー!"と、短いながらもたくさんの思いが込められたMCの後に「Evolve」がプレイされ、エネルギーが波のように広がっていく。ラウドロックの真髄ここにあり!とばかりの硬派で重厚な曲が続々とプレイされ、"サンボマスターとHEY-SMITHも言ってたけど、バンドをやってください。音楽を愛し続けてください。生きるための音楽、僕たちの答えはこれです。"というメッセージを受け、ラストの「To Be Alive」を全身全霊でプレイした。

SHANK / CHAOS STAGE
"どうも!SHANKです!長崎パンク・ロックです!"ウォーミングアップをすませ、準備万端のメンバーは、高速チューン「submarine」からライヴを開始し、即座にダイバー続出。「Cigar Store」ではSiMのMAHがダイヴし、「time is...」まで、爽快なナンバーを立て続けに4曲をプレイ。そして庵原将平(Vo/Ba)は、"待った甲斐がありました。ありがとうございます!昨日川崎に着いたら、DEAD POP一色で、DEAD POPのTシャツを着た汗臭そうなやつらがラブホテルに吸い込まれていくのを見て、なんていいイベントなんだと思いました。ベッドの上でもモッシュしたんだろうなとか、「KiLLING ME」したんだろうなとか思ったらだんだんムラムラしてきました。"と、爆笑を誘う。ダブ/レゲエ要素を取り入れたナンバー「620」で、松崎兵太(Gt/Cho)の独特のギター・フレーズと、庵原のド低音なベースが腹に食い込み、池本雄季(Dr/Cho)のドラミングと絶妙なリズムを奏でる。"ここでは嘘つかない!"と高らかに宣言し、「BASIC」では庵原がステージを降り、観客と同じ目線で歌っているのが印象的だった。"2012年のDEAD POP FESTiVALに出て、打ち上げでMAHくんが野外でDEAD POPをやりたいんだって言ってて、こんなに早く実現した景色を一緒に見れると思わなかった。やっぱり言ったことをやるってかっこいいよね。SiMの4人に感謝とリスペクトの念しかありません。ありがとう。大事な1曲をSiMに送って帰ります。"そしてラストに、「Set the fire」を捧げた。

BRAHMAN / CAVE STAGE
オレンジ色の夕陽が美しく広がり、涼しい風が吹き込んでいる。神秘的な「Molih Ta, Majcho i Molih」のSEが流れ、オーディエンスは祈りのようなポーズと歓声を浴びせながらメンバーを迎える。原始的なリズムから一気にハードコアな展開となる「THE ONLY WAY」から始まり、曲間を繋げるように「賽の河原」、「露命」をプレイする。KOHKI(Gt)、MAKOTO(Ba)、RONZI(Dr)は、自由気ままなようにも見えるが、キメは一切ぶれることがない。ばっちりと息があった演奏に、TOSHI-LOW(Vo)の激情の歌。年代的に、初めてBRAHMANを観たのかもしれないキッズの反応も見受けられたものの、確実に何かが突き刺さっているかのような表情をしているのが印象的だった。中盤ではゴダイゴのカバー「CHERRIES WERE MADE FOR EATING」も披露され、熱気はどんどん高まっていく。90年代日本のハードコアを代表する名曲「ANSWER FOR...」は、夕陽の美しさと絶妙なカメラ・ワークがあいまって、本日のハイライトと言える光景を繰り広げていた。TOSHI-LOWは、客席まで降りて咆哮し、もはやトランス状態だ。「警醒」までをプレイすると、TOSHI-LOWによるMCが始まる。"大成功おめでとうございます......とか言うわけねえだろ(笑)。短い夏の貴重な週末、40才、子持ち、家族サービスもしなくちゃいけない、新しいフェス増やすんじゃねえよ馬鹿野郎。"と、愛情と皮肉が込められた言葉に、たくさんの笑みがこぼれる。"俺はSiMの悪口を言い続けようと思ったけど......後ろで会ったMAHのお母さんがすげえいい人で、ちょっと予定を変更して......"と、東北ライヴハウス大作戦にまつわるMAHの男気に溢れるエピソードを紹介し、"時代っていうのは、いつでも上の世代から理解されない。若い世代がいきなり何かをぶっ壊して変わってきた。Elvis PresleyもTHE BEATLESもSEX PISTOLSそう。すべての年代がそうだったように、今日、新しいフェス、新しい時代の幕開けの日が来たことを祝いたいと思います。DEAD POP FESありがとうございました。"と、熱い賛辞を送り、震災にまつわる人々の写真とメッセージをスクリーンに映しながら、「鼎の問」を熱演した。


SiM / CAVE STAGE
2日間にわたって開催されたDEAD POP FESTiVAL。計27バンドが出演し、端から端まで愛情に溢れたこの祭もいよいよ最後のライヴを迎える。周りからのディスを恐れず、常に発言し、問題提起と行動を起こすMAH(Vo)の人間性、SiMというバンドがいるからこそ、この豪華なメンツとたくさんのキッズが集まったのだ。名残惜しいが、大トリSiMのライヴが始まる。大歓声に包まれる中、メンバーが登場。MAHは"DEAD POP FES!2日間ありがとうございました! まだ終わってないからー!"と威勢よく煽り、「Blah Blah Blah」からライヴがスタート。MAHは振り絞るように声を出して歌い、曲間も"飛べよー!来いよー!叫べー!"と、自身とキッズたちのボルテージをどんどん高めていく。「ANTHEM」ではさらに高速のツーステップを踏み、コール&レスポンスに応えるキッズたち。周りを見渡しても、座っている人はほぼおらず、拳を上げてSiMを称えている。「Fallen Idols」の曲間に、"簡単に嘘をつくやつがいる。それってロックなのかなと思うことがある。でも、みんなが嗅覚を持ち続けてくれれば、俺たちはやり続ける!"と、高らかに宣誓。SHOW-HATE(Gt)、SIN(Ba)も、力を振り絞るようにガンガン暴れながらプレイし、GODRi(Dr)のドラミングはタイトで力強く、重厚なレゲエ・パンクのグルーヴが渦となって空に高く舞い上がっていくようだ。そして、ステージにFIRE BALLが招かれ、この日のために作曲したというコラボレーションソング、「Pump Up The Sound~太陽が昇るまで吠えろ~」が披露される。FIRE BALLのいかついMCが絶妙にマッチした、ノリのいいナンバーだ。この音源は、発売中のベスト・アルバム「FIRE BALL All Time Best "BLACK ~FIRE BALL's Choice~"に収録されている。昨日と引き続き、モンキーダンスで会場を一体化させる「GUNSHOTS」、そして「Amy」に続き、「f.a.i.t.h」ではDPF史上最大のサークルピットが生まれ、熱狂を通り越した狂乱の渦がぐるぐると回っていた。"これが!神奈川代表!SiMのライヴです!"という言葉をもって、本編が締めくくられた。
 アンコールではMAHが感謝の意を述べたあと、"フェスの最後を締めくくるのに、ハッピーな感じで終わるべきなのかなとも思ったんだけど、この曲は、俺がバンドをやってて1番つらかった時期に書いた曲です。やってもやっても結果が出なくてさ、こんなのやっても意味あるのかなって、そういうマイナスな気持ちを全部詰め込んだ曲です。この2日間、本当に数え切れないくらいの愛をもらいました。その愛に応える方法を考えて、俺なりの究極の愛情表現、それは、この大きなステージで、素直にみんなに向かって弱音を吐くこと、自分の弱いところをちゃんとさらけ出そうと思って選びました。"そして演奏された「Rum」にじっくりと耳を傾け、大ラスには、やはりSiMといえばこの曲!「KiLLING ME」で大団円を迎えた。

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