DISC REVIEW
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あの狼の頭には、ポップもロックもラウドもダンスも、それぞれのつまみを上げ下げするだけで、いい感じに楽曲のテイストをチューニングできるマシンでも入っているみたいだ。今作はそれくらい、たった4曲でいろいろな味が楽しめる作品となっている。表題曲は、すでに人気ドラマの主題歌としてお馴染みの、ポップでピアノやストリングスのアレンジも豪華な歌モノ。そこから一転、Track.2は畳み掛けるラップと歪んだギターを前面に出し、デジタル・ハードコアやラップコアを取り入れたミクスチャー・ナンバー。さらには、しっとり聴かせるメロディとエレクトロ・サウンドの相性がいいTrack.3、ライヴで人気のアゲアゲ・ナンバー「FLY AGAIN」の新バージョンと、再生したら一気に聴いてしまうこと必至の内容になっている。このジャンルレスな音楽に浸る感覚は、我ら人類とは違う思考回路を持つ、彼らだからこそ生み出せる未知の快感だ。 山本 真由