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INTERVIEW

神使轟く、激情の如く。× SHANK

2021.01.12UPDATE

2021年01月号掲載

神使轟く、激情の如く。× SHANK

"神激"こと"神使轟く、激情の如く。"がアーティストを招いて座談会を開催する企画を激ロックで連載中。その第4回目に、長崎発3ピース・バンドのSHANKから松崎兵太と池本雄季が参加してくれた。SHANKがこういった異色の座談会に登場することは珍しいが、今回は神激からの熱い希望もあり実現。神激メンバーからのSHANKへの想いや、お互いの曲について、アーティストとしての姿勢など語ってもらった。

神使轟く、激情の如く。:実久里ことの 生牡蠣いもこ 三笠エヴァ 二日よいこ
SHANK:松崎 兵太(Gt/Cho) 池本 雄季(Dr/Cho)
インタビュアー:宮﨑 大樹


僕も社会不適合者ですけど、別にいいんですよ。音楽があったから救われている人間がやっているんだったらそれでいいんです(松崎)


-神激(神使轟く、激情の如く。)メンバーからの熱い希望があり、SHANKとの対談が実現しました。というのも、神激メンバーの中に、フェスでSHANKのライヴを観て以降よく曲を聴いている方がいるそうで。

エヴァ:私です。"COMING KOBE"とか"MONSTER baSH"で観させていただいたことがあります。

-エヴァさんはSHANKのライヴ、音楽のどんなところに魅力を感じましたか?

エヴァ:最初にフェスで観ようと思ったのは、パンダさんの遊具に乗っていたアー写が気になったからで。もともとハイスタ(Hi-STANDARD)とかELLEGARDENとかがすごく好きで、友達にスカとか好きな子もたくさんいて、スカとか、ガレージ・ロックっぽい音楽のいいところがめちゃくちゃ合わさったバンドだなと。めちゃくちゃ踊れるし、いい曲だし、楽しい曲だと思って聴くようになりました。

松崎:ありがとうございます。

池本:ぜひメンバーに入ってください。

エヴァ:いいんですか(笑)!?

池本:(笑)そんだけ好きならね。そのときはドラムを叩いてもらって(笑)。

よいこ:私も"京都大作戦"で観させてもらいました。軽音をやっていたことがあるんですけど、ギターの子がSHANKさんをめっちゃ好きで"おSHANK! おSHANK!"って言いながら、CDを借りていましたね。

-SHANKのみなさんにとって今回は異色の対談という感じかもしれませんが、池本さんと松崎さんは、普段は神激のようなロック・サウンドのアイドルの音楽などを聴くことはありますか?

松崎:僕は知り合いのバンドマンやアーティストさんが提供している曲はよく聴くんですよね。ずっと聴いているというよりは、出たら聴いてみていて。楽曲の参考として。

池本:俺はアニメのエンディングとかで聴いたりしますけど、調べて聴くような感じではなかったです。

-では、そのうえで今回の座談会にあたっての神激への印象はどうでしたか?

松崎:他のアイドルさんとかはあまり聴いていないので"ここがこう違いますね"とかはハッキリ言えないんですけど、最近のロックな楽曲をやるアイドルさんは多いなかで、クオリティが高いのもあるし、暴力的な展開があるなって。

池本:思った思った(笑)。"そんなことする?"みたいな。

松崎:俺だったらこんなフレーズに行かんぞっていうのがいっぱいあるので、そこで言ったら差別化された部分はハッキリ見えているのかなって。なんかカツ丼食ってる途中にスパゲッティみたいな、メイン・ディッシュが連続で出てくるみたいな感じだと思って。

ことの:言っていただいたようにロック系の曲をやるアイドルさんが増えているなかで、神激の音を追求しようとしているんです。楽曲を作るにしてもメイン・ディッシュ→メイン・ディッシュ、サビ→サビみたいなものが続く曲を意識しているので、そうやって言っていただけるのはすごく嬉しいですね。

松崎:僕は楽曲を作るほうなので細かく聴くんですけど、これが男の人の声だったら成り立たないと思うんですよね、脂っぽくて。でも女性で、人数がいて、いろんな声色で来るっていうので成立しているんだなっていう印象です。

いもこ:SHANKさんは曲が短いことで有名ですけど、真逆な神激の長い曲をどう思いますか?

松崎:僕らは同じことのループをやっているんですよね。Aメロとサビがほぼ一緒の尺で、同じコード進行だったりフレーズだったりをわざとやっていたりするんです。それが何回か来るのはつまらないですけど、神激さんみたいにいろんな色があって長いぶんには気にならないですね。

エヴァ:うちは、Dメロまであるのが普通、みたいなところがあるので、そこが飽きないポイントなのかなと思います。

松崎:シンプルな曲って、はまって何回か聴くこともあれば、すぐ飽きちゃうこともある。そう考えると"あそこはどういうフレーズだったけな?"って、思い出せないっていうのは、それはそれで面白いのかなと。

-SHANKが出演するフェスなどで、ロック系のアイドルが出ることも珍しくなくなってきたじゃないですか。そういった情勢をどう感じていますか?

松崎:男ばっかりのむさくるしいフェス会場よりは、キラキラした女の子たちがいるほうが華やかでいいなと思っています。

池本:酒が進むよね、そっちのほうが。

神激一同:(笑)

松崎:いろんなアーティストさんがいて、初見で観てもらえる人が多いのはいいことだとみんな思っているはずで。僕らとしても、例えば神激さんと同じステージに立つ日があって、神激さんのファンに観てもらって、それで"SHANKいいな"と思ってくれる人がいるんだったらそれはいいことなので、僕は昔ほど気にしていないです。

エヴァ:うちのファンは、SHANKさんの曲がめちゃくちゃ好きだと思います。私たちはアイドルではあるんですけど、ついているファンの方たちの8割くらいがいわゆるアイドルオタクじゃないんですよ。神激で初めてアイドルのライヴに来てくれた人だったり、もともとバンドが好きっていう人が神激まで辿り着いてくれたり、フロアがめちゃくちゃバンドノリなんです。スカダンとかツーステとかするし。今はソーシャル・ディスタンスを取らないといけないので、モッシュとかはできないんですけど、普通のアイドル・シーンのフロアよりもブチ沸く感じなので、親和性は高いと思うんですよね。

よいこ:SHANKさんのYouTubeのコメント欄を読んでいたんですけど、その中に見たことのある名前の人がいると思って。神激のファンになってくれた人がSHANKさんのどのMVを観てもコメントしていたんです(笑)。

松崎:へぇー。ありがたい。

-共通のファンがすでにいるということですね。

エヴァ:コロナ禍になって、いろんなバンドさんが無観客配信ライヴとかをやっているのでよく観るんですけど、そのたびに、神者(※神激ファン)のコメントが流れていたりして。

松崎:いいことだと思うので、僕らのことも宣伝しておいてください(笑)。

-(笑)ではここから神激メンバーからSHANKへの質問を聞いていきたいと思います。

ことの:過去のインタビューなどで、常に最新曲が一番カッコいい、新しいことを探し続けたい、など話していたのを読みました。神激と似てる部分を感じたのですが、新しいことを求め続けるゆえの悩みや、スランプのような経験、それを乗り越えたときの話などあれば聞きたいです。

松崎:前よりカッコ悪いものを出すというのはハナから頭にないんですけど、僕らの楽曲って速いビートの曲が多くて、そのビートばっかりだったんですよね。それがすごく嫌で、あるタイミングからいろんなことをやろうと思って。それが俗に言うメロディック・パンクとかメロコアというジャンルから外れていることに対して、僕らの音楽を聴いてきた人たちがどんな反応をするのかがすごく怖いところではあるんです。それを外さずに、新しいことを組み込んでいくのは毎回難しいというか、僕らの音楽の中に落とし込む作業がすごく大変なので、スランプというよりは、その落とし込む作業が難しい。

ことの:神激は、短いスパンでライヴ本数を多くやっていて、週に4~5回とかライヴをするんです。楽曲は多いほうなんですけど、同じ曲はやらざるを得ないじゃないですか。だから、同じ曲をやるとしても例えばこの部分を変えて歌ってみようとか、歌わずにしゃべってみようとか、どんどん新しいことをしていて。そういう部分でSHANKさんのインタビューを読んで共感できるなって思ったんですよね。

エヴァ:昨日よりダサいことをしたくない。例えば先月の仙台公演より今月の仙台公演のほうが絶対カッコ良くありたいと思っていて。そこが、新しいことを探し続けたいという気持ちと似ているなと。

松崎:毎日変化があったほうが楽しいと感じるんですよね。純粋に楽しいからいろんなことをやっているんだと思います。

よいこ:これしかないし、これしかできないし、これしか好きじゃないからやっています。

松崎:それが一番いいですよね。

-そう思います。

エヴァ:私、それなりの企業に就職していたんですけど、それが面白くなくて。もともとロックが好きで、フェスで踊るのが好きだったけど、どうしてもステージの上の人に対して、うらやましいなと思っちゃったんですよね。だから、やってみたいと思って上京してきました。それも自分の好きなこととか楽しいことを追求した結果ですね。

池本:初期衝動は、俺らも一緒よね。

松崎:僕は初めて観に行ったバンドのライヴで"あっち側に行きたい"という感覚になったんですよ。それだけでバンドをやって、今もあんまり変わらないんです。ただ僕らはまったくもって就職とかしたことないので、逆に"就職してみてぇ~"みたいな興味はある。結果的には音楽をやっていて良かったと思っているので、悔いはないですけどね。

エヴァ:初期衝動って諦めようと思っても消えることはないし、大きくなっていくものなので、自分的には就職はわざわざしなくてもいいなと思います。もっと早く始めておけば良かったというのは未だにあって。そのぶんを取り返そうと思って必死でやっています。

松崎:就職より、こっちのほうがつらいことはあると思うんです。だけど、自分が好きなことをやりたいと思っているからつらいことを我慢できるんだと思うので、きつくてもこっちが楽しいならもう正解じゃないですかね。僕も社会不適合者ですけど、別にいいんですよ。音楽があったから救われている人間がやっているんだったらそれでいいんです。

いもこ:自分が救われたから、自分に似ている人も救えるかもという気持ちでやっています。